Esri ASCII ラスター形式は、セルベースのシステム (ラスター システム) 間でのデータ交換に使用することができます。既存のラスターを Esri ASCII 形式ラスターへ出力すると、出力ファイルの先頭にヘッダー情報が挿入されます。ヘッダー情報は、セル サイズ、行数と列数、ラスターの原点の座標など、ラスターに関するプロパティを定義します。ヘッダー情報に続いて、セル値情報が指定されます。セル値は行優先順にスペースで区切られ、各行の終わりにキャリッジ リターンが挿入されます。
ASCII ファイルをラスターに変換するには、データがこれと同じ形式であることが条件となります。ASCII ファイルのヘッダー部のパラメーターは、データ値の構造と正確に一致している必要があります。
Esri ASCII ラスターの基本構造は、ファイル先頭のヘッダー情報とそれに続くセル値データで構成されます。
Esri ASCII ラスターの基本構造は、ファイル先頭のヘッダー情報とそれに続くセル値データで構成されます。ラスターの空間的位置は、左下セルの位置、および次のいずれかによって指定します。
- 左下セルの中心
NCOLS xxx NROWS xxx XLLCENTER xxx YLLCENTER xxx CELLSIZE xxx NODATA_VALUE xxx row 1 row 2 ... row n
- 左下セルの左下角
NCOLS xxx NROWS xxx XLLCORNER xxx YLLCORNER xxx CELLSIZE xxx NODATA_VALUE xxx row 1 row 2 ... row n
データの行 1 はラスターの最上部、行 2 はそのすぐ下になります。
ヘッダーの形式
ヘッダー情報の構文は、キーワードとその値とのペアで構成されます。各キーワードの定義は次のとおりです。
パラメーター | 説明 | 要件 |
---|---|---|
NCOLS | セルの列数。 | 1 以上の整数。 |
NROWS | セルの行数。 | 1 以上の整数。 |
XLLCENTER または XLLCORNER | 原点の X 座標 (セルの中心または左下角) | Y 座標タイプと一致していること。 |
YLLCENTER または YLLCORNER | 原点の Y 座標 (セルの中心または左下角) | X 座標タイプと一致していること。 |
CELLSIZE | セル サイズ | 正の数。 |
NODATA_VALUE | 入力値が出力ラスターで NoData となる | オプション。デフォルトは -9999。 |
データの形式
ヘッダー情報の次に、Esri ASCII ラスターのデータ要素を指定します。
- セル値はスペースで区切る必要があります。
- ラスターの各行はキャリッジ リターンで終わる必要がありません。ヘッダーに記述された列数によって、新しい行の開始位置が決まります。
- データの行 1 はラスターの最上部、行 2 はそのすぐ下になります。
ASCII ラスターの例
ncols 480 nrows 450 xllcorner 378923 yllcorner 4072345 cellsize 30 nodata_value -32768 43 2 45 7 3 56 2 5 23 65 34 6 32 54 57 34 2 2 54 6 35 45 65 34 2 6 78 4 2 6 89 3 2 7 45 23 5 8 4 1 62 ...