このトピックでは、ジオプロセシング サービスを 10.0 から 10.1 に移行する場合に固有の情報について説明します。ArcGIS 10.1 for Server を初めて使用する場合は、「ArcGIS for Server への移行時の注意事項」をご参照ください。
10.1 より前のサービスを ArcGIS Server 10.1 に移行するには、以前のバージョンの ArcGIS for Desktop で作成したツールを使用して 10.1 のサービスを新規作成します。既存のジオプロセシング ツールを変更する必要はありません。
10.1 より前は、ジオプロセシング サービスを公開する場合、以下の 3 種類の方法がありました。
- ツールボックスを公開できます。ツールボックスの各ツールが、タスクになります。
- ツール レイヤーを含むマップ ドキュメントを公開できます。それぞれのツール レイヤーがタスクになり、各タスクは [コンテンツ] ウィンドウ内のレイヤーにアクセスできます。
- 上記と同じく、ツール レイヤーを含むマップ ドキュメントを公開できますが、さらに、結果マップ サービスによって出力レイヤーが描画されるように指定することもできます。
以下では、これら 3 つの方法で ArcGIS 10.1 for Server に作成したサービスの移行について、さらに詳しく説明します。サービスを公開した経験がない場合は、10.1 サーバーへの公開手順について、「ジオプロセシング サービスの公開のクイック ツアー」をご参照ください。
ツールボックスの公開
10.0 では、ArcCatalog または [カタログ] ウィンドウで右クリックすることで、ツールボックスを公開できました。また、ツールボックス内のツールは、すべてジオプロセシング タスクになっていました。
ツールボックスを 10.1 に公開するには、ArcMap セッションを開く必要があります。空のドキュメントで新しいセッションを開始するか、既存のドキュメントを開くことができます。10.0 でのツールのテストに使用したマップ ドキュメントがすでに存在する場合があります。その場合、ツールへの入力に使用できるレイヤーが、その既存のドキュメントに含まれている可能性があるため、それを開きます。
- [カタログ] ウィンドウで、ツール ボックスの場所に移動し、それを展開します。ツールボックスで、各ツールを右クリックして [アイテム説明] を選択します。アイテム説明のコンテンツは、タスクのドキュメントになります。それぞれのツールのアイテム説明部分を確認してください。必要に応じて変更し、それを保存します。
- ツールボックスのそれぞれのツールを実行し、[結果] ウィンドウに新しい結果を作成します。
- [結果] ウィンドウが開かれていない場合、ArcMap メイン メニューから [ジオプロセシング] > [結果] の順に選択して開くことができます。
- いずれかの結果を右クリックし、[共有] > [ジオプロセシング サービス] の順に選択します。[サービスとして共有] ウィザードが開きます。ここで、公開先の 10.1 サーバーと、サービス名を選択します。
- [サービス エディター] ダイアログ ボックスが開きます。10.0 サーバーで公開したときに指定した情報とほぼ同じ内容を、ここで指定します。サービスの設定を確認し、必要に応じて変更します。必要な変更のほとんどは、サービスの [パラメーター] 設定です。この設定で、[同期] または [非同期] を選択し、適切な [メッセージ レベル] を選択し、[サーバーが返すレコードの最大数] の値を入力します。タスク設定を変更する必要はありません。
- サービスに追加するタスクがある場合、[結果の追加] ボタンをクリックして、サービスに追加する別の結果を選択します。それぞれの結果は、サービスのタスクになります。
- すべての結果を追加したら、[分析] ボタンをクリックします。[準備] ウィンドウが開き、サービスについてのエラーおよび警告が表示されます。公開するには、すべてのエラーを修正する必要があります。
- [公開] ボタンをクリックしてサービスを公開します。
ツール レイヤーを含むマップ ドキュメントの公開 (結果マップ サービス以外)
10.0 では、ツール レイヤーを含むマップ ドキュメントを公開できました。マップ内の各ツール レイヤーは、サービスのタスクになりました。マップ ドキュメント内の追加 レイヤーは、すべてタスクで使用できました。
- ツール レイヤーを含むマップ ドキュメントのバックアップ コピーを作成します。以下のうちのいずれかの手順で、マップ ドキュメントから既存のツール レイヤーを削除することをお勧めします。元のマップ ドキュメントのコピーを作成すると、10.1 より前のサーバーを維持して 10.1 より前のサービスを再公開する場合に、後で調べるために、それらのツール レイヤーを保存しておくことができます。
- マップ ドキュメントを開く[カタログ] ウィンドウで、ツール レイヤーの作成に使用するツールを含むツール ボックスの場所に移動し、そのツールボックスを展開します。ツールボックスで、各ツールを右クリックして [アイテム説明] を選択します。アイテム説明のコンテンツは、タスクのドキュメントになります。それぞれのツールのアイテム説明部分を確認してください。必要に応じて変更し、それを保存します。
- マップ ドキュメント内で、ツール レイヤーのサブレイヤーと他のレイヤーを混同しないようにするために、既存のツール レイヤーをマップ ドキュメントからすべて削除することをお勧めします。ただし、既存のツール レイヤーには、ツールの各出力のサブレイヤーが含まれており、それらの出力レイヤーには、ツールを実行して新しい結果を作成した後に適用するシンボルが含まれている場合があります。そのような場合、サブレイヤーをレイヤー (*.lyr) ファイルに保存してから、ツール レイヤーを削除します。これを行うには、サブレイヤーを右クリックして、[レイヤー ファイルとして保存] をクリックします。
- ツールボックスのそれぞれのツールを実行し、[結果] ウィンドウに新しい結果を作成します。
- [結果] ウィンドウが開かれていない場合、ArcMap メイン メニューから [ジオプロセシング] > [結果] の順に選択して開くことができます。
- ツールが新しいレイヤーを [コンテンツ] ウィンドウに追加する場合 (追加することが多い)、出力に対して、カテゴリまたは数量を使用して新しいシンボルを定義することをお勧めします。上記のステップ 3 で、ツール レイヤーのサブレイヤーのシンボルを含むレイヤー ファイル (*.lyr) を保存している場合があります。その場合、このレイヤー ファイルを使用して、以下の手順で新しい出力レイヤーのシンボルを更新できます。
- 出力レイヤーを右クリックして、[プロパティ] を選択します。
- [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [シンボル] タブをクリックします。
- [インポート] ボタンをクリックします。[シンボルのインポート] ダイアログ ボックスが開きます。
- [マップの他レイヤーやレイヤー ファイルからシンボル定義をインポート] を選択します。
- [開く] ボタン をクリックして、保存済みのレイヤー ファイルを選択します。
- [OK] をクリックします。
- 出力シンボルが正しいことを確認したら、いずれかの結果を右クリックし、[共有] > [ジオプロセシング サービス] の順に選択します。[サービスとして共有] ウィザードが開きます。ここで、公開先の 10.1 サーバーと、サービス名を選択します。
- [ジオプロセシング サービス エディター] ダイアログ ボックスが開きます。10.0 サーバーで公開したときに指定した情報とほぼ同じ内容を、ここで指定します。サービスの設定を確認し、必要に応じて変更します。必要な変更のほとんどは、サービスの [パラメーター] 設定です。この設定で、[同期] または [非同期] を選択し、適切な [メッセージ レベル] を選択し、[サーバーが返すレコードの最大数] の値を入力します。
- サービスに追加するタスクがある場合、[結果の追加] ボタンをクリックして、サービスに追加する別の結果を選択します。それぞれの結果は、サービスのタスクになります。
- すべての結果を追加したら、[分析] ボタンをクリックします。[準備] ウィンドウが開き、サービスについてのエラーおよび警告が表示されます。公開するには、すべてのエラーを修正する必要があります。
- [公開] ボタンをクリックしてサービスを公開します。
ツール レイヤーを含むマップ ドキュメントの公開 (結果マップ サービス)
結果マップ サービスを使用しないで、ツール レイヤーを含むマップ ドキュメントを公開する場合は、上記の手順に従ってください。[サービス エディター] ウィンドウの左側のウィンドウで、[パラメーター] をクリックします。[同期] を選択してから、[マップ サービスに結果を表示] チェックボックスをオンにします。