ここでは、ArcGIS Pro 指定ユーザー ライセンスと Portal for ArcGIS で使用するライセンス マネージャーを構成する際に役立つ情報とヒントを記載しています。
指定ユーザー ライセンスでのオプション ファイルのサポート
現段階では、オプション ファイルは指定ユーザー ライセンスでサポートされていません。指定ユーザー ライセンスへのユーザー アクセスはポータルで管理されます。同時使用ライセンスでは、従来どおりオプション ファイルを使用できます。同時使用ライセンスでオプション ファイルを使用する方法の詳細は、「オプション ファイルの使用」をご参照ください。
ライセンス マネージャーからの指定ユーザー ライセンスの認証解除
同時使用ライセンスとは異なり、指定ユーザー ライセンスは、License Server Administrator プログラムを使用してライセンス マネージャーから認証解除することができません。その代わりに、ライセンスに有効期限があり、有効期限が切れると使用できなくなります。この有効期限は通常、ArcGIS for Desktop の保守期間の終了日から 30 日間です。ライセンス サーバーの損失や破損といった特殊な状況が発生した場合は、Esri カスタマー サービスまたはお客様の地域の販売代理店に連絡して、代替ライセンスを入手してください。
ライセンス マネージャーへの新規の指定ユーザー ライセンス ファイルの適用
同じ指定ユーザー認証ファイルをライセンス マネージャーに再適用しても、指定ユーザーが増加したり、複数の指定ユーザーが追加されたりすることはありません。通常、Esri の指定ユーザー ファイル *.lic を適用または再適用すると、ライセンス マネージャー上にすでに存在する指定ユーザー ライセンスが上書きされます。
ArcGIS Pro 指定ユーザー ライセンスに加えた変更や追加の ArcGIS Pro 指定ユーザー ライセンスを ArcGIS License Manager に適用する場合は、My Esri で新規の認証ファイルを作成し、構成手順を繰り返す必要があります。これで、ArcGIS Pro の機能、指定ユーザー数、および有効期限が現在の権利に合わせて更新されます。新規の構成が使用可能な状態になるごとに、ライセンス マネージャーからポータルへのファイルのエクスポートを繰り返す必要がある点にも注意してください。
どの指定ユーザー ライセンスの場合でも、My Esri で指定ユーザー認証ファイルを作成した時点で 30 日間の猶予期間がサブスクリプションの有効期限に適用されます。ArcGIS Pro では、ライセンスの有効期限が近づいていることを知らせる通知を表示します。指定ユーザー ライセンスの有効期限は保守契約によって決まっており、Esri カスタマー サービスまたはお客様の地域の販売代理店経由で再契約すると更新されます。ライセンスが更新されたら、My Esri で新規の ArcGIS Pro 指定ユーザー認証ファイルを作成してライセンス マネージャーに適用し、新規のポータル構成ファイルを Portal for ArcGIS にエクスポートする必要があります。
ライセンス マネージャーの利用可能ライセンス ビューでの指定ユーザー数の確認
使用中の指定ユーザー ライセンスとセッションの合計数は、License Server Administrator の [利用可能ライセンス] ビューに表示されます (License Server Administrator の右上隅にあるドロップダウン リストから [指定ユーザー] オプションを選択する)。
[合計] 列に表示される数は xx/xx という形式で、これはユーザー数/セッション数、または ArcGIS Pro 指定ユーザーの数/許可されているセッションの数を表します。表示されるセッションの数は必ず、実際の指定ユーザー数の 3 倍 (3x) になります。これは、指定ユーザーごとに同時セッションが 3 つまで許可されているからです。残りのセッションの合計数は、[利用可能な指定ユーザー] ビューの [利用可能数] 列に表示されます。
ライセンス マネージャーのポート
ArcGIS 10.3 ~ 10.3.1 License Manager では、27000 ~ 27009 の範囲内にある特定のポートをポータルで使用できるようにするための要件として、そのポートを lmgrd デーモン用に指定する必要があります。ArcGIS License Manager をインストールすると、インストール ディレクトリ (デフォルトでは、..\Program Files\ArcGIS\License10.3\bin) にある service.txt ファイルにポート 27000 がデフォルトで入力されるようになりました。ArcGIS 10.3 License Manager を以前のバージョン (ArcGIS 10.2.2 License Manager など) からのアップグレードとしてインストールした際に、ポート (27004 など) が以前のインストールですでに指定されている場合は、そのポートを最新のインストールに継承することができません。この場合は、該当するポートを手動で service.txt ファイルに入力し直す必要があります。ArcGIS 10.3 License Manager から ArcGIS 10.3.1 License Manager へのアップグレードの場合、Service.txt ファイル内のポート情報は保持されます。エクスポートされたポータル構成ファイル *.json の 1 手順として、lmgrd デーモン用のポートがポータルに通知されます。
ライセンス マネージャー間での指定ユーザー ライセンスの移行
ArcGIS License Manager 間で指定ユーザー ライセンスを移行することはできません。同時使用ライセンスの移行は従来どおり可能です。代替ライセンス マネージャーや副ライセンス マネージャーを設定する場合は、既存のライセンス マネージャーが使用できなくなったため、新規のライセンス マネージャーが必要であることを Esri カスタマー サービスに通知しなければなりません。これで、指定ユーザーの権利の数を My Esri で正確に更新し、新規のライセンス マネージャーを構成できるようになります。Portal for ArcGIS で使用するバックアップ用ライセンス マネージャーに関する次のセクションもご参照ください。
Portal for ArcGIS で使用するバックアップ用ライセンス マネージャー
Portal for ArcGIS で使用するバックアップ用ライセンス マネージャーを構成することができます。これにより、主ライセンス マネージャーが使用できなくなった場合でも、継続してポータルから ArcGIS Pro セッションに指定ユーザー ライセンスを付与できます。バックアップ用ライセンス マネージャーを構成する方法は、Portal for ArcGIS のヘルプ ドキュメントをご参照ください。バックアップ用ライセンス マネージャーのライセンスを取得する場合は、Esri カスタマー サービスまたはお客様の地域の販売代理店にお問い合わせください。