編集操作では、計測値と距離の表示と入力にデータ フレームのマップ単位が使用されます。マップ単位は、データ フレーム内の空間データの描画単位です。マップ単位は、データ フレームの座標系によって決定されます。編集では、入力する値はすべてデフォルトでマップ単位になります。座標系で使用されるマップ単位は、[データ フレーム プロパティ] ダイアログ ボックスの [一般] タブで確認できます。
フィーチャを作成する際、データの座標系とは異なる距離単位で記録された値を入力しなければならないことがあります。多くの場合、値に単位の略号を付けることにより、マップ単位以外の単位で計測値を入力できます。
たとえば、データが州平面座標系で、線形単位が米国サーベイ フィートである場合です。計測値はメートルで与えられます。すべての計測値を米国サーベイ フィートに変換する代わりに、計測値の後にメートルの略号「m」を入力すると、ツールが距離を正しく変換します。
編集ツールのいずれかに距離を入力する際には、使用する線形単位を指定する方法や、単に数値を入力して、その数値をツールにマップ単位として解釈させる方法があります。単位の略号を使用できるのは、データ フレームが地理座標系ではなく投影座標系を使用している場合のみです。
次に、編集時にサポートされるすべての単位の略号とその実装方法について説明します。
メートル法の単位
距離単位 | 略号 | 単位あたりのメートル数 | 説明 |
---|---|---|---|
キロメートル | km | 1,000 | 1,000 メートル |
メートル | m | 1 | 国際メートル |
センチメートル | cm | .01 | 1/100 メートル |
ミリメートル | mm | 0.001 | 1/1000 メートル |
インペリアルまたは国際単位
距離単位 | 略号 | 単位あたりのメートル数 | 説明 |
---|---|---|---|
フィート | ft | 0.3048 | 米国で使用されている標準フィート。国際フィートまたはインペリアル フィートとも呼ばれ、メートル法システムの前に米国以外のほとんどの国々で使用されていました。 |
マイル | mi | 1,609.344 | 法定マイルとも呼ばれます。5,280 国際フィートと同じです。 |
海里 | nm | 1,852 | 海里は主に航海や航空で使用する距離単位です。1 海里は緯度 1 分の長さです。1929 年に、1 海里は 1,852 メートル(6,076.11549 フィート)と定義されました。この距離は国際海里と呼ばれます。 |
チェーン | ch | 20.1168 | 66 国際フィート。 |
ヤード | yd | 0.9144 | 3 国際フィート。 |
ロッド | rd | 5.0292 | 1/4 チェーンまたは 16.5 国際フィート。 |
リンク | lk | 0.201168 | 1/100 国際チェーンまたは 66/100 国際フィート。 |
インチ | in | 0.0254 | 1/12 国際フィート。 |
米国測量単位
距離単位 | 略号 | 単位あたりのメートル数 | 説明 |
---|---|---|---|
測量 フィート | ftUS | 0.3048006096 | 米国サーベイ フィートは州平面座標系で使用します。米国では、ロッド、チェーン、法定マイル、エーカー、セクション、タウンシップなどの基礎測量単位はすべて米国サーベイ フィートに基づいています。メートルへの変換は、米国サーベイ フィートに 1,200/3,937 を掛けて求められます。 |
測量 マイル | miUS | 1,609.3472186944 | 5,280 サーベイ フィート。 |
測量 チェーン | chUS | 20.1168402337 | 66 サーベイ フィート。 |
測量 ロッド | rdUS | 5.0292100584 | 1/4 サーベイ チェーン。 |
測量 リンク | lkUS | 0.2011684023 | 1/100 サーベイ チェーン。 |
測量 ヤード | ydUS | 0.9144018288 | 3 サーベイ フィート。 |
特定の位置の入力(DD、DMS、DDM、MGRS、USNG、および UTM)
編集中に特定の場所を入力する必要のあるコマンドで場所を指定するには、経度と緯度の座標、Military Grid Reference System(MGRS)、U.S. National Grid(USNG)、またはユニバーサル横メルカトル(UTM)を使用できます。マップ単位がデフォルトですが、[単位] ボタン をクリックして、座標を入力する際の単位を選択することができます。
これらは、[XY へ移動] コマンドで使用されている形式と同じです。次に、これらの値を指定する際のガイドラインを紹介します。これらは、絶対 X、Y および、頂点やトポロジ エレメントを正確な位置に移動できる [絶対移動] などのコマンドに適用されます。
- X は経度 (東西)、Y は緯度 (南北) を表します。ステータス バーの座標もこれと同じ順序で表示されます。極座標は必ずしもこの順序で指定されるとは限らないため、このダイアログ ボックスでは必ず最初に経度を入力してください。たとえば、マップに「17.1325 -60.666」をプロットするように依頼された場合は、それらの座標が経度/緯度と緯度/経度のどちらの順序で指定されているか確認してください。座標値から順序を判断できるのは、半球を示す E、W、N、S の文字が座標値に含まれている場合だけです。
- 10 進度 (DD)、度分秒 (DMS)、または度分 (DM) を使用している場合は、西経または南緯を示すために数値の前にマイナス記号 (-) を使用するか、あるいは数値の前後に E、W、N、S を使用して、座標値を入力することができます。
- DMS 座標値と DM 座標値は、スペース、° ' " 特殊文字 (これらの文字を使用する他のダイアログ ボックスやアプリケーションからコピーした座標値を貼り付ける場合など)、またはその両方で区切ることができます。
- ダイアログ ボックスで DD、DMS、DM のどれを使用するかにかかわらず、座標値はこれら 3 つの経緯形式のいずれかで入力することができ、選択した形式と一致するように自動的に変換されます。
- DD や DM を使用すると、入力した座標値は常にマイナス記号 (-) を使用して W または S を示すように変換されます。
- DMS を使用すると、入力した座標値は、常に半球を示す E、W、N、S を使用するよう変換され、° ' " 特殊文字が追加されます。
- MGRS または USNG の場所を使用するときは、座標文字列にスペースが含まれないようにしてください。
経度/緯度の有効な入力形式
-45 | -45 |
45 W | 45 S |
45.50W | 45.50S |
W45 | S45 |
45 30.5W | 44 30.5S |
45°30'30"W | 45°30'30"N |
45 30 30 W | 45 30 30 N |
-45 30 30 | 45 30 30 |
45 30.50W | 45 30.50 |
-45.50833 | 45.50833 |
MGRS および USNG の有効な入力値
18SUH | 100,000 平方メートル | 0 桁座標 |
18SUH64 | 10,000 平方メートル | 2 桁座標 |
18SUH6743 | 1,000 平方メートル | 4 桁座標 |
18SUH678432 | 100 平方メートル | 6 桁座標 |
18SUH67894321 | 10 平方メートル | 8 桁座標 |
18SUH6789043210 | 1 平方メートル | 10 桁座標 |
UTM 座標の有効な入力値
17R 419230 2714967 | 1 平方メートル | 13 桁座標 |
変換定数
変換定数を使用して、ある計測システムを別の計測システムに変換することができます。変換する計測システムに関連する変換定数を掛けます。たとえば、フィートをセンチメートルに変換するには、フィートに変換定数 30.48 を掛けます(27 フィート x 30.48 = 822.96 センチメートル)。リストについては、このPDF をご参照ください: conversion constants.
このリンクをクリックしても表示されない場合は、ArcGIS をインストールしたディレクトリの \Documentation フォルダから conversion_constants.pdf を開くことができます。このドキュメントを表示するには、Adobe Reader が必要です。
米国サーベイ フィートについて
1959 年、米国商務省標準局と米国沿岸測地測量局の責任者は、インチ-センチメートル関係の再定義について合意しました。この再定義により、1 インチは 2.54 センチメートル、1 フィートは 0.3048 メートルと定義されました。ただし、この合意では、米国サーベイ フィートを識別するために、1 メートル = 39.37 インチという古い値も存続させることが明文化されました。
古い値を存続させる理由の 1 つは、測地基準点網から派生した州平面座標系が 1 メートル = 39.37 インチに基づいているためです。
フィートに関するこれら 2 つの値の差異は 2 ppm と非常に小さく、ほとんど測定不能ですが、計算の整合性が要求される場合は、その差異は決して小さいものではありません。ロッド、チェーン、法定マイル、エーカー、セクション、タウンシップなどの基礎測量単位はすべて、1 メートル = 39.37 インチに基づいています。
米国サーベイ フィート テーブルには、39.37 インチ変換値を使用した修正値(米国サーベイ値)が表示されています。