編集は編集セッションで行われます。編集セッションでは、ベクタ フィーチャまたは表形式の属性情報を作成または修正することができます。編集の際には、編集セッションを開始する必要があり、編集が完了したらセッションを終了します。編集は、特定の ArcMap データ フレーム内の特定のワークスペースに適用されます。この場合、ワークスペースはジオデータベースまたはシェープファイルのフォルダになります。マップが複数のデータ フレームで構成されている場合、すべてのデータが同じワークスペースにあるとしても、1 つのデータ フレームのレイヤだけを編集することができます。さまざまな座標系のデータを編集できますが、一般に、まとめて編集するデータはすべてデータ フレームと同じ座標系を持つのが最も効果的です。
編集セッションを開始する方法には 2 つあります。1 つは [エディタ] ツールバーの [エディタ] メニューをクリックする方法で、もう 1 つはコンテンツ ウィンドウでレイヤを右クリックする方法です。[エディタ] メニューを使用して、複数のワークスペースのデータを含むデータ フレームで編集を開始する場合、編集対象のワークスペースを選択するよう求められます。コンテンツ ウィンドウのレイヤを右クリックすると、そのレイヤを含むワークスペース全体の編集セッションが自動的に開始されます。
編集内容は、保存してデータに永続的に適用するまでは、一時的なものです。変更を保存せずに編集セッションを終了することもできます。マップ ドキュメントを保存しても、編集内容はフィーチャに保存されません。編集セッションで編集結果を明示的に保存する必要があります。編集結果を保存する際には、それらをデータ ソースまたはデータベースに書き込みます。
複数のワークスペースが存在する場合に編集を開始
複数のワークスペースのデータを含むデータ フレームを編集する場合、[編集の開始] ダイアログ ボックスが表示され、編集対象を選択することができます。編集できるデータが格納されているフォルダまたはデータベースがデータ フレーム内に 1 つしかない場合、このダイアログ ボックスが表示されません。ArcMap 編集セッションは、対象のフォルダまたはデータベースに対してしか開始されないためです。
[編集の開始] ダイアログ ボックスには、マップのレイヤとそれらが属するワークスペースが一覧表示され、ワークスペースを構成するその他のレイヤに関する情報も表示されます。このダイアログ ボックスの上部には、アクティブ データ フレーム内の編集可能レイヤの一覧が表示されます。下部には、そのレイヤが格納されているワークスペースが表示されます。ArcMap で編集できるレイヤだけが、一覧に表示されます。
ダイアログ ボックス上部のリストでレイヤをクリックすると、下部のセクションには、そのレイヤが保存されているデータ ソースが表示されます。ダイアログ ボックスの下部でいずれかのデータ ソースをクリックすると、上部のセクションで、それに該当するレイヤがハイライトされます。データソースをクリックしてもレイヤが一覧表示されない場合、そのデータソースには現在編集可能なレイヤがありません。レイヤまたはワークスペースをクリックすると、そのワークスペースのその他のレイヤもハイライト表示されます(データベース シンボルの色が変わります)。
トポロジ レイヤとジオメトリック ネットワークは [編集の開始] ダイアログ ボックスにリスト表示されません。このデータのトポロジを表すトポロジ レイヤがデータ フレーム内に存在する場合、そのトポロジ レイヤは自動的に編集セッションに取り込まれます。対象レイヤに関連するジオメトリック ネットワークも自動的に編集可能になります(トポロジと異なり、ArcMap ではジオメトリック ネットワークはレイヤとして表示されません)。
編集対象としてレイヤとワークスペースを選択した場合、[OK] をクリックするとダイアログ ボックスが閉じて、そのワークスペースの編集セッションが開始されます。また、レイヤやワークスペースをダブルクリックすることで、編集セッションを開始することもできます。
編集開始時に受け取る可能性のあるエラー
選択したデータの編集セッションを開始する際、ArcMap で何らかの問題が見つかった場合は、それに関する情報がダイアログ ボックスに表示されます。エラー、警告、または情報メッセージを受け取る可能性があります。
- エラー : 編集セッションを開始できません。問題を解決するまではデータを編集できません。編集可能なデータ ソースがない場合、ライセンスに問題がある場合(ArcGIS for Desktop Basic の使用時にサポート対象外のジオデータベース フィーチャを編集しようとした場合など)、またはベースマップ レイヤ内に対象外のレイヤがある場合に、エラー メッセージが表示されます。
- 警告 : 編集セッションは開始できます。ただし、マップ内の一部のアイテムを編集できない場合があります。該当するレイヤまたはテーブルで問題を解決してから、アイテムを編集する必要があります。
- 情報メッセージ : データを効率的に編集するための補足的なヒントです。問題を修正しなくてもレイヤやテーブルを編集できますが、メッセージの指示に従うことをお勧めします。たとえば、編集対象として選択したデータがデータ フレームの座標系と異なる場合は、それを知らせる情報メッセージが表示されます。データ フレームの座標系とデータ フレームに表示されている編集対象データの座標系は異なっていてもかまいません。ただし、編集作業によっては、位置合わせや精度で思わぬ結果が生じる可能性があります。
ArcGIS の ArcGIS for Desktop Basic ライセンスを使用している場合、ArcGIS for Desktop Basic で作成し、ファイル ジオデータベースまたはパーソナル ジオデータベースに保存したすべてのデータを編集できます。ただし、接続先 ArcSDE ジオデータベース、ジオメトリック ネットワークまたはジオデータベース トポロジに属しているフィーチャクラス、フィーチャリンク アノテーション、リレーションシップ クラス、ディメンション フィーチャクラス、およびパーセル ファブリック レイヤのデータは編集できません。これらのデータを作成または編集する必要がある場合は、ArcGIS ライセンスを ArcGIS for Desktop Standard または ArcGIS for Desktop Advanced にアップグレードしてください。