データベース統計情報は、データベース管理システム オプティマイザーが、実行されているクエリに対して最適な実行プランを選択するために使用されます。クエリのパフォーマンスを維持するために、テーブルのコンテンツが大幅に変更された場合に、統計情報を更新する必要があります。たとえば、大量のレコードをテーブルに読み込んだ場合や、テーブルに対して多くの編集を行った場合などです。
以下のタイプのテーブルとインデックスに対して、統計情報を更新できます。
- 分析するために選択したテーブル、およびそれに関連するインデックス
- バージョン対応登録されたテーブルとフィーチャクラスの差分テーブル、および差分テーブルのインデックス
- 履歴管理が有効化されたデータセットの履歴アーカイブ テーブル、およびアーカイブ テーブルのインデックス
- ジオデータベース システム テーブル
- sdebinary ジオメトリ格納を使用するフィーチャクラスを分析する場合、フィーチャ テーブル、空間インデックス テーブル、およびこれらのテーブルのインデックスに関する統計情報も更新されます
ArcGIS では、統計情報の更新方法が複数用意されています。以下は、それらの説明です。
統計情報の更新コマンドの使用
カタログ ツリーで直接選択した特定のデータセットの統計情報を、[統計情報の更新] コマンドを使用して更新できます。統計情報を更新するには、データセットの所有者である必要があります。
- ArcMap または ArcCatalog を起動します。
-
カタログ ツリーの [Database Connections] の下で、統計情報を更新するデータセットが含まれているデータベースまたはエンタープライズ ジオデータベースに接続します。
必ずデータセットの所有者として接続してください。
- カタログ ツリーで、データセットを右クリックします。
右クリックの対象は、フィーチャ データセット、フィーチャクラス、テーブル、ラスター カタログ、ラスター データセット、またはモザイク データセットです。
- [管理] をポイントし、[分析] をクリックします。
このトピックのはじめに説明したように、このデータセットのテーブルおよびインデックスの統計情報が更新されます。
データセットの分析 (Analyze Datasets)ツールの使用
[データセットの分析 (Analyze Datasets)] ジオプロセシング ツール ([データ管理] ツールボックスの [ジオデータベース管理] ツールセットにあります) を使用して、統計情報を更新できます。複数のデータセットに関する統計情報を一度に更新する場合、分析対象の特定のテーブルを選択する場合 (たとえば、差分テーブルに関する統計情報のみを更新する場合)、またはジオデータベース システム テーブルに関する統計情報を更新する場合、[統計情報の更新] コマンドの代わりに、このツールを使用します。
分析対象のテーブルの所有者としてツールを実行する必要があります。ジオデータベース システム テーブルの場合は、ジオデータベース管理者としてツールを実行する必要があります。多くの新しいテーブルまたはフィーチャクラスがジオデータベースに追加された場合、大量のバージョン対応の編集が行われた場合、またはジオデータベースが圧縮された場合は、ジオデータベース システム テーブルに関する統計情報を更新する必要があります。
-
ArcMap または ArcCatalog を起動し、統計情報を更新するテーブルを含むジオデータベースに接続します。
テーブルの所有者として接続します。
- [データセットの分析 (Analyze Datasets)] ジオプロセシング ツールを開きます。
[検索] ウィンドウを使用してツールを検索して開くか、[データ管理] ツールボックスの [ジオデータベース管理] ツールセット内のツールを参照します。
- 手順 1 で作成したデータベース接続ファイルを、入力ワークスペースとして使用します。
- 分析対象のテーブルの以下のチェックボックスをオンにします。
- [OK] をクリックして、このツールを実行します。
選択したテーブルとそれらのインデックスの統計情報が更新されます。
Python スクリプトの実行
Python スクリプトで AnalyzeDatasets_management 関数を呼び出して、ベース テーブル、差分テーブル、アーカイブ テーブル、またはジオデータベース システム テーブルに関する統計情報を更新できます。[データセットの分析 (Analyze Datasets)] ツールと同様に、分析対象のテーブルの所有者として AnalyzeDatasets_management を実行する必要があります。
以下の Python スクリプトを実行するときに、データベース接続ファイル (*.sde ファイル) を指定します。このスクリプトは、接続で指定されたユーザーが所有するすべてのテーブルの統計情報を更新します。
たとえば、データベース接続ファイル entgdb.sde (/usr/connections にあります) を使用して Linux 上でこのスクリプトを実行するには、以下を入力します。
./ AnalyzeDatasets.py /usr/connections/entgdb.sde
このスクリプトを実行してシステム テーブルに関する統計情報を更新するには、ジオデータベース管理者のユーザー名とパスワードを使用する接続ファイルを指定して接続します。
# Name: AnalyzeDatasets.py
# Description: analyzes all datasets in an enterprise geodatabase
# for a given user.
# Import system modules
import arcpy, os
# set workspace
# the user in this workspace must be the owner of the data to analyze.
workspace = arcpy.GetParameterAsText(0)
# set the workspace environment
arcpy.env.workspace = workspace
# NOTE: Analyze Datasets can accept a Python list of datasets.
# Get a list of all the datasets the user has access to.
# First, get all the stand alone tables, feature classes and rasters.
dataList = arcpy.ListTables() + arcpy.ListFeatureClasses() + arcpy.ListRasters()
# Next, for feature datasets get all of the datasets and featureclasses
# from the list and add them to the master list.
for dataset in arcpy.ListDatasets("", "Feature"):
arcpy.env.workspace = os.path.join(workspace,dataset)
dataList += arcpy.ListFeatureClasses() + arcpy.ListDatasets()
# reset the workspace
arcpy.env.workspace = workspace
# Get the user name for the workspace
userName = arcpy.Describe(workspace).connectionProperties.user.lower()
# remove any datasets that are not owned by the connected user.
userDataList = [ds for ds in dataList if ds.lower().find(".%s." % userName) > -1]
# Execute analyze datasets
# Note: to use the "SYSTEM" option the workspace user must be an administrator.
arcpy.AnalyzeDatasets_management(workspace, "NO_SYSTEM", userDataList, "ANALYZE_BASE","ANALYZE_DELTA","ANALYZE_ARCHIVE")
print "Analyze Complete"