Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
ジオデータベース レプリケーションには、チェックアウト/チェックイン、一方向、双方向の 3 種類があります。
どのタイプでも、レプリカの作成のソースとして ArcSDE ジオデータベースのデータを使用する必要があります。3 つのタイプはすべて、接続環境と非接続環境の両方でサポートされます。次のセクションでは、これら 3 つのタイプについて説明します。
チェックアウト/チェックイン レプリケーション
チェックアウト/チェックイン レプリケーションでは、子レプリカのデータを編集した後、これらの編集内容を親レプリカと同期させることができます。
いったんデータの同期が完了したら、追加の編集を同じ子レプリカから同期させることはできません。さらに編集が必要な場合は、新しいチェックアウト レプリカを作成しなければなりません。チェックアウト レプリカを作成する場合、ターゲットは ArcSDE、パーソナル、ファイル ジオデータベースのいずれかとなります。
ArcGIS 8.3 で導入されたディスコネクト編集は、ジオデータベース レプリケーションの一部の機能となり、チェックアウト レプリケーションに相当します。ArcGIS for Desktop で利用可能だったディスコネクト編集ツールは削除され、分散ジオデータベースのフレームワークの一部として組み込まれています。ただし、下位互換性を維持するために、ディスコネクト編集ジオプロセシング ツールは引き続き利用可能です。
一方向レプリケーション
一方向レプリケーションでは、親レプリカから子レプリカへ、または子レプリカから親レプリカへの一方向のデータ変更の送信を繰り返し行うことができます。
親から子への一方向レプリケーションでは、親レプリカのデータの編集は可能ですが、子レプリカのデータは読み取り専用とみなされます。子レプリカ内のデータで編集されたデータが、同期によって適用された編集と競合した場合は同期によって適用された編集で上書きされます。
親から子への一方向レプリカを作成する場合、子レプリカは ArcSDE、ファイル、パーソナル ジオデータベースのいずれかとなります。
子から親への一方向レプリケーションも同じように機能しますが、同期を行う方向が反対になります。この場合、子レプリカのデータは編集可能ですが、親レプリカのデータは読み取り専用と見なされます。親レプリカ内のデータで編集されたデータが、同期によって適用された編集と競合した場合は同期によって適用された編集で上書きされます。
子から親への一方向レプリカを作成する場合、子レプリカと親レプリカはどちらも、ArcSDEジオデータベースを使用する必要があります。
一方向レプリカは同期の後も存続するので、引き続きデータ変更を送信することができます。
双方向レプリケーション
双方向レプリケーションでは、親レプリカから子レプリカへのデータ変更の送信および、子レプリカから親レプリカへのデータ変更の送信の両方の方向の同期処理を繰り返し行うことができます。両方のレプリカ ジオデータベースで同じ行が編集された場合には、レプリカを同期する際に競合として検出されます。競合の処理方法を定義するためにリコンサイル ポリシーが提供されます。
双方向レプリカは同期の後も存続するので、繰り返し、レプリカの編集と同期を行うことができます。双方向レプリカを作成する際、親レプリカと子レプリカはどちらも、ArcSDE ジオデータベースを使用する必要があります。
レプリカ タイプの選択
使用するレプリカ タイプを決定する際には、以下の点について検討します。
- パーソナルまたはファイル ジオデータベースでレプリカを作成する必要がある場合は、チェックアウト、または一方向レプリケーションを使用しなければなりません。ただし、子レプリカのデータの編集に ArcGIS for Desktop Standard ライセンスを使用している場合は、ターゲット ジオデータベースとして ArcSDE Personal ジオデータベースを使用することもできます。パーソナルまたはファイル ジオデータベースの代わりに ArcSDE Personal ジオデータベースを使用すると、双方向レプリカを作成することができます。双方向レプリケーションでは、そのつどレプリカを再作成せずに、同期を繰り返し実行することができます。
- 一方向レプリケーションは、プロダクション サーバーから公開用サーバーへ変更を反映する場合に適しています。一方向レプリケーションでは単方向同期が適用され、また、シンプル モデルを使用する場合は、子レプリカのデータをバージョン対応登録する必要はありません。シンプル モデルでは、高度なデータ構造に準拠する必要がないシンプルなデータ タイプのみを扱うため、データの相互運用が容易になります。
- 子レプリカのデータを定期的に編集しなければならない環境で一方向システムを実装する場合は、双方向レプリケーションを使用することを検討してください。一方向レプリケーションは子レプリカのデータが読み取り専用であることを前提とするため、同期の際に子レプリカのデータに対する編集が上書きされる可能性があります。双方向レプリケーションでは、競合検出ロジックによってこれらの相違点が競合としてマークされ、ユーザーが競合の解決方法を決定できます。双方向レプリケーションではデータを双方向で交換できますが、一方向のみのデータ送信にも使用することができます。