ラスター データセット、ラスター プロダクト、モザイク データセットなど、すべてのラスター関連データでは、[プロパティ] ダイアログ ボックスにそれぞれに関連する個別の詳細がリストされます。情報には、次のようなすべてのデータの一般情報とラスター プロダクトおよびモザイク データセットに関連付けられたメタデータ ファイルからの情報があります。
- データ ソース
- ラスター情報
- 範囲
- 空間参照
- 統計情報
- ジオデータ変換
- ラスター メタデータ
- 波長
この情報は、任意のデータセットまたはレイヤーのプロパティ ページからアクセス可能で、[一般] と [キー メタデータ] の 2 つのグループ (2 つのタブ) に整理されています。
ArcCatalog またはカタログ ウィンドウでラスター データセットのプロパティを表示するには、ラスター データセットを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。ArcMap、ArcGlobe、または ArcScene では、[コンテンツ] ウィンドウでラスター データセット レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックして、[ソース] タブをクリックします。メタデータ関連のプロパティを表示するには、[キー メタデータ] タブをクリックします。[ラスター プロパティの取得 (Get Raster Properties)] ツールを使用して、ラスター データセットのプロパティを取得することもできます。
データ ソース タイプや統計情報など一部のプロパティは、[ラスター プロパティを設定 (Set Raster Properties)] ツールを使用して変更できます。
モザイク データセットには、振舞いを制御するためのその他のプロパティがあります。これらは、[モザイク データセット プロパティの設定 (Set Mosaic Dataset Properties)] ツールを使用して変更できます。
一般プロパティ
[一般] プロパティには、格納形式に固有の情報と、形式のサポートやデータの表示に使用されるその他の情報が含まれています。
データ ソース
[データ ソース] セクションには、ラスター データセットの名前、種類、および場所が表示されます。ラスター データセットがデータベース サーバー上にある場合は、パス情報ではなくサーバー情報が表示されます。イメージ サービスの画像の場合、[データ ソース] セクションに「イメージ サービス」と表示され、該当する情報が表示されます。
ラスター プロダクトのプロパティを表示している場合、データ ソース情報は表示されません。
ラスター情報
[ラスター情報] セクションには、以下のラスター関連のプロパティが表示されます。
- カラムとロウの数 (ピクセル数)
- バンド数
- セル サイズ (x、y)
- 非圧縮状態のサイズ
- 形式
- ソース タイプ
- ピクセル タイプ (符号なし/符号付き、整数/浮動小数点)
- ピクセル深度/ビット深度 (1、2、4、8、16、32、64)
- NoData 値
- カラーマップ (あり/なし)
- ピラミッド
- 圧縮タイプ
- 計測機能
[ソース タイプ] は、デフォルトでのデータのレンダリング方法を制御します。これらのオプションは、デフォルトを変更した場合に無効になります。
- 一般 - リサンプリングとストレッチに、アプリケーションのデフォルトを使用します。
- 高度 - 共一次内挿リサンプリングと最小-最大ストレッチを適用します。
- 主題 - 最近隣内挿法リサンプリングと標準偏差ストレッチを適用します。
- 処理済み - ストレッチは適用されません。
- 科学 - 青〜赤のカラー ランプを使用してデータを表示します。
- ベクトル-UV - ベクトル場レンダラーで、U 成分および V 成分を使用します。
- ベクトル-強度と方向 - ベクトル場レンダラーで、強度と方向を使用します。
計測機能は、データ ソースによって決定され、次の 5 つのカテゴリにグループ化されています。
- 基本 - [距離]、[エリア]、[ポイントの位置]、および [重心位置] の測定ツールが使用できます。これらのツールは、[なし] を除く、すべてのオプションと一緒に使用できます。
- 3D - [基本] オプションで使用可能なツールを使用して行われた計測を、DEM を使用して変更できます。
- High (高さ) - モザイク データセット内のデータセットに対して、センサー モデルが存在します。そのため、[高さ: 底面から最上部の高さを使用 (Height: Using Base To Top)] 測定ツールを使用できます。
- Shadow (影) - モザイク データセット内のデータセットに対して、センサー モデルと太陽の角度の情報が存在します。そのため、[高さ: 底面から最上部の高さを使用]、[高さ: 底面から影の高さを使用]、および [高さ: 最上部から影の高さを使用] の計測ツールが使用できます。
- None (なし) - ユーザーは、ArcGIS でこのデータセットを使用して計測ツールを使用できません。
範囲
[範囲] セクションには、ラスター データセットの全データを含む四角形 (境界線) が表示されます。ラスターが格納されているのと同じ空間参照単位で、四角形の上、下、左、右の座標値が一覧表示されます。
空間参照
ラスター データセットの座標系は、[空間参照] セクションに表示されます。すべての空間参照のパラメーターがリストされます。ラスター データセットは、未定義の座標系を持つことができます。
統計情報
[統計情報] セクションには、ラスター データセットの統計情報が一覧表示されます。
- 最小値
- 最大値
- 平均値
- 標準偏差
- クラス数
ジオデータ変換
ラスター データセットの変換では、ピクセルを表示または操作する際の変換方法に加えて、変換を適用 (レクティファイ) した後のラスター データセットの出力空間参照を定義します。 ジオデータ変換は、ピクセルを幾何学的に変換する数学モデルです。それぞれの変換は、ジオデータ変換で使用される一連のパラメーターを使用して定義できます。
キー メタデータ
キー メタデータは、ラスターのメタデータから抽出され、ラスター プロダクト (と NITF データ)、プロダクト説明を使用して作成されたモザイク データセット、または特定のラスター タイプを使用して追加されたモザイク データセット (モザイク データセット内のラスターの場合) と一般に関連付けられています。この情報は、画像に関連付けられたバンド名などの有用情報を提供するなど、一部の処理やレンダリングにおいてアプリケーションを支援するために使用されます。たとえば、波長情報はバンドの順序付けやパンシャープンに使用され、プロダクト情報は強調方法の判定に使用されます。一部のプロパティは、光源方位やセンサー高度など、影を使用するときの計測に使用されます。輝度ゲイン、バイアス値、反射率ゲインなどのプロパティの場合、バイアス値は惑星表面の大気圏上の反射率の計算に使用されるエネルギーの計測値であり、太陽放射は太陽の放射線の影響の計算に使用される太陽放射エネルギーの測定値です。
[キー メタデータ] タブ (利用可能な場合) には、次の情報が表示されます。
- センサー名
- プロダクト名
- 取得日
- 雲量
- 光源方位
- 太陽高度
- センサー方位
- センサー高度
- 入射角度
- バンド名 (バンド毎)
- 最小波長 (バンド毎)
- 最大波長 (バンド毎)
- 輝度ゲイン
- 放射輝度バイアス
- 太陽放射
- 反射率ゲイン
- 反射率バイアス