スペクトル変換関数は、マルチバンド イメージにマトリックスを適用して、出力のスペクトル値に影響をおよぼします。たとえば、この関数を使用して、フォルス カラー イメージを疑似カラー イメージに変換できます。
この関数に対する入力は次のとおりです。
- 入力ラスター-モザイク データセットまたはラスター カタログ内にあるラスター データセット、またはモザイク データセットの外部にあるラスター データセットのどちらも使用できます。
- 変換マトリックス
この変換を実行するために使用される式は、次のとおりです。
Output Band_R = Weight_P * Band_C
ここで
- Band_R は出力バンドです (ここで、R は 1 から出力バンド数までの数値)。
- Weight_P は、カンマで区切られたウェイトのリストです (入力バンドごとに 1 つずつ)。各バンドのウェイトの合計が 1 であることが必要です。
- Band_C は入力画像です (ここで、C は 1 から入力画像のバンド数までの数値)。
フォルス カラーと疑似カラーの比較
フォルス カラー イメージは、使用可能な 3 つのバンドを赤、緑、青 (RGB) 表示に組み合わせることによって作成されます。この表示の出力スペクトル値はそれぞれ赤、緑、または青を表します。たとえば、青のバンドがない SPOT イメージを、トゥルー カラー イメージに類似したものに変換できます。このためには、他の使用可能なバンドから青のバンドを生成し、赤と緑のバンドは SPOT イメージ データセットに含まれるものを使用します。
疑似カラー イメージは、カラーのない場所に変換を適用してカラーを作成することによって、シングルバンド イメージ (グレースケール) またはマルチバンド イメージから作成されます。たとえば、連続した 3 色調のカラー ランプを使用して、熱を 3 段階に分類して表示する画像を作成することで、熱分布画像を疑似カラー イメージとして表示できます。マルチスペクトル イメージから疑似カラー イメージを作成するには、スペクトル マトリックス処理を適用して他のバンドからカラー バンドを決定します。
次の行列を使用して、フォルス カラー (近赤外線、赤、緑) イメージを疑似カラー (RGB) イメージに変換できます。
0.1 0.9 0.0 0.3 0.0 0.7 0.1 0.1 0.8
変換式とフォルス カラーから疑似カラーへの変換行列を使用すると、出力バンドは次のようになります。
- 出力バンド 1 = (0.1 * 入力バンド 1) + (0.9 * 入力バンド 2) + (0.0 * 入力バンド 3)
- 出力バンド 2 = (0.3 * 入力バンド 1) + (0.0 * 入力バンド 2) + (0.7 * 入力バンド 3)
- 出力バンド 3 = (0.1 * 入力バンド 1) + (0.1 * 入力バンド 2) + (0.8 * 入力バンド 3)
次に示す画像は、4 つのバンドを含む SPOTView ORTHO 基本画像を使用しています。最初の 3 つのバンドが表示され、右側の赤外線画像が作成されます。前記の行列を指定してスペクトル変換関数を使用すると、この画像を左側に示すようなトゥルー カラー イメージに変換できます。