分布の稠密度を計測すると、中心からのフィーチャの分散を表す 1 つの値が得られます。この値は距離なので、1 組のフィーチャの稠密度は、半径が標準距離と等しい円をマップに描画して表すことができます。[標準距離の算出 (Standard Distance)] ツールは、円ポリゴンを作成します。
計算
![[標準距離の算出 (Standard Distance)] ツールで使用される数式 [標準距離の算出 (Standard Distance)] ツールで使用される数式](GUID-7D5AE7B1-8D35-4571-B6E4-650C2857CBA2-web.png)
出力
[標準距離の算出 (Standard Distance)] ツールは、平均中心を中心とする円ポリゴン ([ケース フィールド] が指定されている場合は、ケースごとに 1 つの中心と 1 つの円) を含む新しいフィーチャクラスを作成します。円ポリゴンはそれぞれ、標準距離と値が等しい半径で描画されます。それぞれの円ポリゴンの属性値は、円の平均中心の X 座標、平均中心の Y 座標、標準距離 (円の半径) です。
![[標準距離の算出 (Standard Distance)] ツールの図 [標準距離の算出 (Standard Distance)] ツールの図](GUID-0BAAF403-CB99-4ED9-A29A-A2FC0F364AF3-web.gif)
適用例
- 複数の分布の値を使用して比較できます。たとえば、犯罪分析の専門家が暴行と自動車窃盗の稠密度を比較できます。犯罪の種類によって分布がどのように異なるかが分かると、警察が犯罪対策を立てるのに役立つことがあります。特定のエリアの犯罪分布が稠密である場合、そのエリアの中心部近くにパトカーを 1 台配備するだけで十分かもしれません。分布が分散している場合は、数台のパトカーでエリアをパトロールしたほうが犯罪対策としては効果的になる可能性があります。
- 同じ種類のフィーチャを時間帯別に比較することもできます。たとえば、犯罪分析の専門家が昼間と夜間の強盗件数を比較して、昼と夜とで強盗事件は分散しているか稠密かを確認できます。
- 固定フィーチャに対するフィーチャの分布を比較することもできます。たとえば、ある地域にあるすべての消防署に対する緊急通報の分布を数か月にわたって計測して、処理する地域が広いのはどの消防署かを確認できます。
参考資料
Mitchell, Andy 著、『The Esri Guide to GIS Analysis, 』 (Volume 2、Esri Press、2005)