Network Analyst のライセンスで利用可能。
ルート案内は、ルートを進むためのターンごとの指示です。ネットワーク データセットによってサポートされていれば、ネットワーク解析から生成されたどのルートに対しても作成できます。ルート案内をサポートするネットワーク データセットの最低要件は次のとおりです。
- 長さの値が入力されている属性フィールド (単位はメートルやキロメートルなどの長さ単位)
- 少なくとも 1 つのエッジ ソース
- エッジ ソースに少なくとも 1 つのテキスト フィールドが存在する
ルート案内はルート計算時に生成され、ネットワーク データセット レベルでカスタマイズ可能です。つまり、ルート案内、標識、境界情報の表示に使用される道路名は、ネットワーク データセット スキーマに基づいて格納されます。これらの設定を変更して、ルート案内をカスタマイズできます。
これらの設定は [ルート案内プロパティ] ダイアログ ボックスで変更できます。このダイアログ ボックスにアクセスするには、[新規ネットワーク データセット] ウィザードか、[ネットワーク データセット プロパティ] ダイアログ ボックスの [ルート案内] タブのどちらかで、[ルート案内] ボタンをクリックします。
ルート案内プロパティ ダイアログ ボックス
一般タブ
ルート案内の表示に使用する単位や道路の識別に使用するフィールドは、下の図に示すように [一般] タブで変更できます。
ルート案内設定フレーム
[表示する長さの単位] では、長さの表示に使用される単位を選択します。たとえば、マイルを選択した場合、そのネットワーク データセットで生成されるすべてのルート案内はマイルで表示されます。ArcGIS Network Analyst エクステンションは、5 種類の長さの単位 (フィート、キロメートル、メートル、マイル、ヤード) をサポートします。
[長さ属性] は、ルート案内の対象となるルートの各セグメントの長さの計算に使用されます。長さ属性には、任意のコスト属性を選択できます。ArcGIS は自動的にネットワーク属性を検索し、関連コスト属性の割り当てを試みます。
[時間属性] は、ルート案内の表示時に各セグメントの通過に要する時間を計算するために使用されます。
[標識フィーチャクラス] と [道路標識テーブル] は、運転者がルートに沿って移動する際に、通常、目にする高速道路の標識のテキストを提供します。この高速道路の標識のテキストには、通常、出口番号、道路の名前、および道路の目的地が含まれます。このテキストは、ナビゲーションを助けるためにルート案内のテキストに組み込まれ、たとえば「ランプに入り、US-59 N をスプリングフィールド方面に進む」のように表示されます。
道路名フィールド フレーム
ネットワークに含まれる各エッジ ソースには、道路名のフィールドを設定できます。これは、ルート案内の表示に使用される名前です。たとえば、このフィールドから道路名 (国道 1 号線) が取得され「国道 1 号線を左折」のようにルート案内の表示で使用します。[名前] 列のドロップダウン リストには、ソースのテキスト フィールドが表示され、そこから道路名のフィールドを選択できます。
一部のフィーチャクラスには、方向 (N または S) を変更するためのフィールド、および道路の種類 (国道、通り、街道) を選択するフィールドが別に用意されています。このような場合、3 つの異なるフィールドにより道路の完全名称が設定されます。
一部のフィーチャクラスには、道路の別名が別のフィールドにリストされています。これは、[代替名の数] の値を増加させ、[名前] フィールドに加えてオプションの [接頭辞] および [接尾辞] フィールドを設定することで行えます。
ランドマーク タブ
ランドマークは、ネットワークに沿ってはっきりと見えるオブジェクトを表すように設計されたポイント フィーチャです。ターンごとのルート案内はランドマークを参照し、誰がルートを進んでいても、ターンを識別し、正しいルートをたどっていることを確認できるようにします。
Network Analyst は、[ランドマーク] タブでランドマーク フィーチャクラスがネットワーク データセット上で設定されていて、ルートがランドマーク フィーチャの検索許容値内を通過するときに、ルート案内にランドマークを示します。
ランドマークは、特定のエッジ ソースに関連付けられています。ランドマークは 2 つのエッジ ソースの近くに配置できますが、ランドマークがルート案内で参照されるのは、ルートがそのランドマークに関連付けられたエッジ ソースを通過するときのみです。[ネットワーク ソース] プロパティを使用して、エッジ ソースを選択します。
ランドマーク フィーチャクラスには、ターン ランドマークと確認用ランドマークの 2 種類があります。ターン ランドマークは、ターンを識別しやすくするジャンクション近くのオブジェクトを表します。たとえば、「紫色の壁を右に曲がる。」の紫色の壁はターン ランドマークです。確認用ランドマークは、ナビゲーターが正しいコースを進んでいることを再確認するために使用するエッジに沿ったオブジェクトです。たとえば、「A フレームの建物を通過します。建物は右側にあります。」の A フレームの建物は確認用ランドマークです。ターン ランドマークと確認用ランドマークをそれぞれのフレーム ([ターン ランドマーク] と [確認用ランドマーク]) に設定します。
右側にある [データの追加] ボタン をクリックしてランドマーク フィーチャクラスを追加するか、[削除] ボタン を使用して削除します。[ターン ランドマーク] フレームと [確認用ランドマーク] フレームのテーブルには同じフィールドが表示されます。フィールドとその説明は次のとおりです。
フィールド | 説明 |
---|---|
クラス | ランドマーク ソースとして追加されるポイント フィーチャクラス。 |
ラベル | ランドマークを説明する、ランドマーク フィーチャクラス内のテキスト フィールド。このフィールドに、自動車のルート案内では「アランの金物店」、歩行者のルート案内では「プリンター ステーション」のような値を入れて、ルート案内を「アランの金物店を右に曲がる」や「左側にあるプリンター ステーションを通り過ぎる」のように表示することができます。 |
レベル | このフィールドは通常、歩行者のルート案内で、ランドマークに建物の特定の階を関連付けるために使用します。 |
カスタム許容値 | このはい/いいえのフィールドでは、ランドマーク フィーチャクラスがカスタムの検索範囲を使用するか、デフォルトの検索範囲 (50 フィート) を使用するかを指定します。(50 フィートのデフォルトの検索範囲は ArcObjects で変更できるため、ランドマーク ソースごとに検索許容値を設定することをお勧めします)。 |
許容値 | 検索範囲のサイズ。一般に、ルートが検索範囲内のランドマークを通過すると、ルート案内にレポートされます。このフィールドの単位は、[単位] の下に指定します。 |
単位 | 検索範囲を指定する [許容値] の単位。一般に、ルートが検索範囲内のランドマークを通過すると、ルート案内にレポートされます。 |
道路の詳細タブ
[道路の詳細] タブは、[ネットワーク属性の割り当て] と [フィールドの割り当て] という 2 つのフレームに分かれています。
ネットワーク属性の割り当てフレーム
[道路クラス属性] は、さまざまな道路の種類に対して特定のルート案内を提供します。これは整数型の記述子属性で、以下の値をとります。
道路クラスの値 | 道路クラスの種類 | ルート案内のテキストの例 |
---|---|---|
1 | 一般道路 | メイン道路を左折 |
2 | 高速道路 | I -55 を東へ進む |
3 | ランプ | ランプに入り US-59 N を進む |
4 | フェリー | 湖高速フェリーに乗る |
5 | ロータリー | ロータリーに入りメイン道路を南に進む |
[ManeuverClass 属性] は、ルート案内に対して、道路の交差点の内側にあるまたは隣接する小規模な連絡道路を指定します。これは整数型の記述子属性で、以下の表に示す値をとります。
ManeuverClass 値 | ManeuverClass タイプ | 説明 |
---|---|---|
0 | Default | 道路の交差点の外側の道路に割り当てられるデフォルト値。 |
1 | Intersection Internal | 二重にデジタイズされた道路の交差点内部の道路セグメント。 |
2 | Maneuver | スリップ レーンを形成する道路セグメント (多くの場合、道路が急角度で交差する場所にある)。 |
フィールドの割り当てフレーム
一部のエッジ ソースは、各エッジが属する領域を示す行政区域フィールドを持っています。たとえば、高速道路のソースには、高速道路のセグメントが存在する州を示すため、州フィールドを持つ場合があります。これは、州境を越えたときに、ルート案内で「カリフォルニア州に入りました」のように使用すると便利です。
[From-To フィールド] または [To-From フィールド] 列では、選択したソースフィーチャから任意のテキスト フィールドを選択できます。ルート案内の生成時に、行政区域の値に変更があれば、変更点が表示されます。つまり、ネバダ州を出発して I-15 を南に進み、カリフォルニア州に到達すると、[ルート案内] ウィンドウには「カリフォルニア州に入りました」という値が表示されます。
標識タブ
標識は、高速道路番号を示す記号です。一部のエッジ ソースには、ルート案内の表示に使用できる標識情報 (たとえば、I-15、CA-72、OH-10 など) が含まれます。たとえば、高速道路と都市の高速道路が含まれる高速道路ソースがあれば、このソースの道路の標識の説明を指定できます。たとえば、サンタ アナ高速道路の標識の説明には、I-5 が指定されます。サンタ アナ高速道路という説明が含まれる道路名のフィールドと、I-5 という説明が指定された道路の説明の両方をルート案内の表示に使用できます。
一部のソースでは、道路の標識の説明 (I-10、CA-63 など) が 1 つのフィールドからだけの場合があります。このような場合は、[単一フィールド] を選択し、道路の標識の説明が含まれるフィールドを選択します。
ソースに標識を説明するフィールドが 2 つ含まれる場合もあります。1 つのフィールドには標識の種類 (I、CA、TA などの値が含まれます) が指定され、もう 1 つのフィールドには番号 (5、43 など) が指定されます。両者を組み合わせることで、道路の標識の説明が完成します。このような場合は、[ペア フィールド] を選択して [タイプ フィールド] と [数値フィールド] を設定します。
データをタイプと数値に分けてペア フィールドに入れる場合は、標識の種類 (I、CA、TN) と、標識の説明 (州間、カリフォルニア、テネシーなど) を関連付けることもできます。これは、ルート案内では「高速道路 10 号線を 155 マイル進む」のように使用できます。