Oracle 内で、sde ユーザー以外のユーザーのスキーマに作成したジオデータベースは、必要な機能を完全には備えていません。ユーザー定義タイプなどいくつかの機能は、マスター sde ジオデータベースにのみ備わっています。このため、ユーザーのスキーマ内のジオデータベースを独立した存在として扱うことはできず、次のルールが適用されます。
- マスター sde ジオデータベースとは異なるリリースのジオデータベースを、ユーザーのスキーマ内で作成することはできません。たとえば、マスター ジオデータベースが 10.4 の場合、10.2 ジオデータベースをユーザーのスキーマ内で作成することはできません。
- ユーザーのスキーマ内にあるジオデータベースをアップグレードするには、その前にマスター sde ジオデータベースをアップグレードする必要があります。
- 他のユーザーのスキーマ内にあるジオデータベースをアップグレードしなくても、マスター sde ジオデータベースをアップグレードできますが、マスター sde ジオデータベースをアップグレードせずにユーザーのジオデータベースをアップグレードすることはできません。
- ユーザーのスキーマのみのバックアップを作成しても、完全なジオデータベースにはなりません。マスター sde ジオデータベースにはユーザー定義タイプなどの従属オブジェクトが存在し、これもバックアップに含める必要があります。
- ArcGIS Pro でジオデータベースを作成またはアップグレードする場合、ジオデータベースのバージョンには、ArcGIS Server/ArcMap のバージョン番号と ArcGIS Pro のバージョン番号の両方が含まれています。たとえば、ArcGIS Pro 1.3 を使用してマスター ジオデータベースをアップグレードする場合、マスター ジオデータベースのバージョンは 10.4.1.1.3 になります。このマスター ジオデータベースでユーザースキーマ ジオデータベースを作成したり、既存のユーザースキーマ ジオデータベースをアップグレードする場合、ArcGIS Pro 1.3 も使用する必要があります。
- 接続に ArcSDE サービスを使用する場合、ArcSDE サービスはマスター sde ジオデータベースと同じリリースであることが必要です。ArcSDE サービスは、ArcGIS 10.2.2 以降、使用できません。そのため、ArcSDE サービスを使用して 10.3 以降のバージョンのマスター sde ジオデータベースに接続することはできません。
- ArcSDE サービスを使用してユーザースキーマ ジオデータベースに接続できるのは、ユーザースキーマ ジオデータベースがマスター sde ジオデータベースと同じリリースである場合のみです。ArcSDE サービスは、ArcGIS 10.2.2 以降、使用できません。そのため、ArcSDE サービスを使用して 10.3 以降のバージョンのマスター sde ジオデータベースに接続することはできません。
これらのルールに基づき、ArcGIS 10.1、10.2、10.2.1、10.2.2 のクライアントは、ArcSDE サービスを使用して、次のリリースのユーザースキーマ ジオデータベースに接続できます。
- 10.1 マスター ジオデータベースを使用する 10.1 ユーザー スキーマ ジオデータベース
- 10.2 マスター ジオデータベースを使用する 10.2 ユーザースキーマ ジオデータベース
- 10.2.1 マスター ジオデータベースを使用する 10.2.1 ユーザースキーマ ジオデータベース
- 10.2.2 マスター ジオデータベースを使用する 10.2.2 ユーザースキーマ ジオデータベース
その他すべての接続の組み合わせには、ユーザースキーマ ジオデータベースへのダイレクト コネクションが必要です。