権限によって、データおよびデータベースに対してユーザーが許可される操作を決定します。権限は、 このユーザーがジオデータベースの管理に関与するか、 データを編集または作成できる必要があるか、 データを検索できれば十分かといった、組織内でのユーザーの職務に基づいて割り当てる必要があります。
ユーザー権限は、さまざまなレベルで設定されます。このトピックでは、一般的なユーザー (データ参照者、データ編集者、データ作成者、およびジオデータベース管理者) に必要なデータベース権限およびデータセット権限を説明します。
PostgreSQL の個々のデータベース ユーザーは、ログイン ロールと呼ばれます。ユーザーが実行する共通のタスクに基づいてログイン ロールをグループ化するには、グループ ロールを作成し、そのグループ ロールにログイン ロールを追加してから権限を割り当てるという方法があります。
ユーザー権限の管理には、pgAdmin III など、PostgreSQL データベースに接続する管理アプリケーションを使用できます。あるいは、SQL ステートメントを使用して、権限の追加と削除を行うこともできます。
データセットに対する権限は、ArcGIS を使用して、データベース所有者によって付与または削除されます。手順については、「データセット権限の付与と取り消し」をご参照ください。
最小限の権限
以下の表に、一般的な 3 つのグループ (データ参照者、データ編集者、データ作成者) に付与される権限と、日常的な操作にジオデータベース管理者 (sde ログイン ロール) が最低限必要な権限をまとめます。
ユーザーの種類 | データベースの権限 | データセットの権限 | 注意事項 |
---|---|---|---|
データ参照者 |
| 特定のデータセットの SELECT | PostGIS ジオメトリ格納を使用するフィーチャクラスにアクセスする場合、ユーザーには、public.geometry_columns および public.spatial_ref_sys テーブルに対する SELECT 権限を付与する必要があります。 |
データ編集者 |
| 他のユーザーのデータセットに対する SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE | ArcGIS を使用して、バージョン対応登録されたフィーチャクラスまたはテーブルに対する SELECT、INSERT、UPDATE、および DELETE 権限を付与すると、関連するバージョン対応ビューに対してこれらの権限が自動的に付与されます。これらは、ユーザーがバージョン対応ビューを介して編集する際に必須の権限です。 PostGIS ジオメトリ格納を使用するフィーチャクラスにアクセスする場合、ユーザーには、public.geometry_columns および public.spatial_ref_sys テーブルに対する SELECT 権限を付与する必要があります。 |
データ作成者 |
| PostGIS ジオメトリ タイプを使用している場合は、public.geometry_columns テーブルの SELECT、INSERT、UPDATE、および DELETE も割り当てる必要があります (構文 = GRANT SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE ON TABLE public.geometry_columns TO <ロール名>)。また、public.spatial_ref_sys テーブルの SELECT も割り当てます (構文 = GRANT SELECT ON TABLE public.spatial_ref_sys TO <ロール名>)。 | |
ジオデータベース管理者 (sde ログイン ロール) | 他のすべてのユーザー スキーマの USAGE | この権限が割り当てられていない場合、sde はジオデータベースを圧縮またはアップグレードできません。 |
ジオデータベースの作成またはアップグレードに必要な権限
ジオデータベースを作成するには、sde ログイン ロールにスーパーユーザー ステータスを付与する必要があります。ジオデータベースをアップグレードするには、sde ログイン ロールが、他のすべてユーザーのスキーマにアクセスでき、ジオデータベース内のすべてのデータセットを選択できる必要があります。
また、sde ユーザーは、ArcGIS ツールを使用してデータベース接続を削除するためにスーパーユーザー ステータスも必要とします。そのため、スーパーユーザー権限を削除できるのは、ジオデータベースを作成した後に、sde ユーザーが接続を削除できないようにする場合だけに限られます。