ArcMap

住所テーブルのジオコーディングについて

多くの組織では、顧客、企業、患者、住宅所有者などの位置座標や場所の名前、住所が含まれる情報のレコードをデータベースで管理しています。これらのレコードは、ArcMap、ArcCatalog、あるいはジオプロセシング ツールを使用して住所のテーブルを照合することにより、位置および空間のジオメトリを含むフィーチャに変換することができます。住所のテーブルをジオコーディングするには、ロケーターを使用して、各住所の位置を表現するポイント フィーチャを作成します。

住所テーブルのジオコーディング

住所テーブルをジオコーディングした後は、住所テーブルの住所フィールドのコピーが出力フィーチャクラスに含まれます。住所フィールドを継承する目的の 1 つは、再照合に使用することです。このような各住所フィールドの名前の先頭には ARC_ が付きます。再照合中に住所が変更されると、これらのフィールドに新しい住所が保存されます。

代わりに、入力住所テーブルと出力フィーチャクラスとの間にリレーションシップ クラスを作成して、入力住所テーブルの住所を編集すると、出力フィーチャクラスで自動的に更新されるようにすることもできます。このオプションは、入力住所テーブルと出力フィーチャクラスが同じジオデータベースのワークスペース内にある場合のみサポートされます。

Esri World Geocoder、または General および US Address スタイル テンプレートで作成されたロケーターを使用する場合、ジオコーディング結果の出力フィーチャクラスに、他にも次のようなフィールドが作成されます。

  • Loc_name - 住所の照合に使用される関係するロケーターの名前。このフィールドは、テーブルの照合に使用するロケーターがコンポジット ロケーターである場合のみ選択できます (デフォルト)。
  • Status - 住所が一致したかどうかを示すコード (デフォルト)。この属性の値は次のいずれかです。
    • M - 一致。住所が一致しました。
    • U - 不一致。住所が一致しませんでした。
    • T - 複数の候補あり。この住所には、最適一致スコアは同じであるが、位置が異なる候補が複数あります。
  • Score - 住所が一致した候補の一致スコア。スコアは 0 ～ 100 の範囲で、100 は候補が完全に一致していることを示します (デフォルト)。
  • Match_type - 住所の照合方法を示すコード。この属性に基づいて結果をグループ化して住所の照合方法を示したり、このグループを使って再照合するレコードを選択したりすることができます (デフォルト)。次のようなコードがあります。
    • A - 自動的な照合または再照合。
    • M - 手動による一致または不一致。ジオコーディングされたフィーチャクラスを、[対話的に再照合] ダイアログ ボックスを使用して再照合する場合に、[一致] ボタンまたは [不一致] ボタンを使用して手動で一致または不一致にすると、フィールドにコード M が表示される場合があります。
    • PP - ポイントで取得 (Pick by Point)。住所は、ArcMap の [対話的に再照合] ダイアログ ボックスの [住所をマップから取得] ツールを使用して、クリックしたポイントに結び付けられました。
    • PA - 住所で取得 (Pick by Address)。住所は、[対話的に再照合] ダイアログ ボックスの [住所をマップから取得] ツールを使用して、最も近い住所に結び付けられました。
  • Match_addr - 一致した候補の情報に基づいて、一致した位置が実際に存在する住所。たとえば、入力住所の「123 Main St N」が一致した候補は、方向の接尾辞が NW ですが、それ以外のすべてのコンポーネントは正しく一致しているとします (デフォルト)。[Match_addr] フィールドには、一致した実際の住所として「123 Main St NW」が表示されます。
  • Addr_type - ジオコーディングされた住所の種類。この属性は、住所が一致したフィーチャの種類を示します。値に基づいて、一致した住所の精度と一致のパターンを調査できます (デフォルト)。この属性は、次の値を取ります。
    • SubAddress - 家屋または建物のサブアドレスの位置を表す PointAddress のサブセット (団地内のアパートの部屋、階、個々の建物など)。[UnitName]、[UnitType]、[LevelName]、[LevelType]、[BldgName]、および [BldgType] フィールドの値は、同じ PointAddress に関連付けられるサブアドレスを区別するために役立ちます。参照データは、関連する番地、道路名、サブアドレス エレメント、行政区画、および郵便番号 (オプション) で構成されます (「3836 Emerald Ave, Suite C, La Verne, CA, 91750」など)。これは、住所の正確な位置です。
    • PointAddress - 家屋および建物の位置を表すポイントに基づくストリート住所。通常、これは空間的に最も正確な一致レベルです。参照データは、関連する番地、道路名、行政区画、および郵便番号 (オプション) で構成されます。PointAddress 一致の X と Y およびジオメトリ出力値は、その住所の道路への入口の位置を示します。これは、ルート検索操作に使用される位置です。DisplayX および DisplayY の値は、屋根、つまりその住所の実際の位置を表します (「783 Rolling Meadows Ln, Rickman, TN 38580」など)。
    • BuildingName - 建物名 (「CN Tower」など)
    • StreetAddres - ストリート住所 (「320 Madison St」など)。住所範囲内の番地が指定された道路に沿って内挿された場所を表します。
    • StreetInt - 道路の交差点と市、州 (オプション)、および郵便番号で構成されるストリート住所。これは、StreetAddress 参照データから取得されます (「Redlands Blvd & New York St, Redlands, CA, 92373」など)。
    • StreetName - 道路名のみ (「Orchard Road」など)。道路名フィーチャは、名前に基づいて連結された多くの道路セグメントからなるフィーチャの場合があります。ジオコーディングされた位置は通常、道路フィーチャの中央に位置します。
    • Admin - 国の上位レベルの行政区域 (「州」や「地方」など)
    • State - 国の上位レベルの行政区域 (「州」や「地方」など)
    • DepAdmin - 次のレベルの行政区域 (「州内の郡」など)
    • SubAdmin - 国の地域の行政区域 (「市」や「自治体」など)
    • City - 国の地域の行政区域 (「市」や「自治体」など)
    • Locality - 居住域を表す場所名 (市や区など)。これは、通常、国の中で最も小さな行政区画です。
    • PostLoc - 郵便区域を表す都市または土地
    • PostalExt - 拡張番号を含む郵便番号全体 (ZIP+4 コード (91765-4383) など)
    • Postal - 基本郵便番号 (「60610」など)
    • POI - 対象地域またはランドマーク
    • Zone - 土地の街区または区画 (「日本の街区地番」など)。現時点では、日本でのみ使用されます。
    • SingleField - フィーチャクラスで表わされる一意のフィーチャ (場所名、対象ポイント、課税パーセル、国勢調査区、メートル、場所の識別に使用される英数字文字列 (たとえば、「N1N115」) など)
    • Coordinates - 地理的な x,y 座標の組 (「-84.392 32.722」など)
    • LatLong - x,y 座標の組。x,y 座標の組 (117.155579,32.703761 など) を検索で入力すると、LatLong Addr_type が返されます。
    • SpatialOperator - 見つかった住所からのオフセット距離が含まれる位置 (「30 yards south from 342 Main St.」など)
    • MGRS - MGRS (Military Grid Reference System) に基づく位置 (「46VFM5319397841」など)
    • RoadKM - 距離マーカー。現時点では、プエルトリコでのみ使用されます。
  • Type - 検索で返される結果のフィーチャ タイプ。findAddressCandidates リクエストに対して、WorldGazetteer ロケーターによって返されます (たとえば、スターバックスの場合は Type = 「Coffee Shop」)。
  • PlaceName - ジオコード一致候補の正式名。これは、findAddressCandidates リクエストに対して WorldGazetteer ロケーターによってのみ返されます (「Paris」や「Starbucks」など)。
  • Place_addr - 道路、市、および地域を含む、場所の完全なストリート住所。これは、POI 検索に対して WorldGazetteer ロケーターによってのみ返されます。
  • Phone - 場所の主要電話番号。findAddressCandidates リクエストに対して、WorldGazetteer ロケーターによって返されます。他の検索 (住所、交差点、郵便番号など) では、このフィールドは空になります (Knott's Berry Farm の Phone = 「(714)220-5200」など)。
  • URL - 場所の主要 Web サイトの URL。findAddressCandidates リクエストに対して、WorldGazetteer ロケーターによって返されます。
  • Rank - 同じ名前の結果の中での相対的な重要性を示す数のテキスト値。たとえば、フランスとテキサスには、パリという名前の都市があります。フランスのパリはテキサスのパリより人口が多いため、ランクが高くなります。ランクは、「Lincoln」など、追加情報 (州) がない曖昧なクエリの結果を並べ替えるために使用されます。この値は、DepAdmin、SubAdmin 、City、Locality、および POI Addr_type の一致のみに返されます (デフォルト)。
  • AddBldg- 建物の名前 (「Empire State Building」など)。
  • AddNum - 通常は番地や建物番号として知られる住所の一部を表す英数字の値 (住所の「380 New York Street」、「AddNum = 380」など)。この値は、PointAddress および StreetAddress Addr_type の一致のみに返されます (デフォルト)。
  • AddNumFrom - 住所範囲の開始番号を表す値。これは、フィーチャのデジタイズの方向を基準にしており、その範囲で常に最小の数値というわけではありません。この値は、StreetAddress Addr_type の結果に指定されます (デフォルト)。
  • AddNumFrom - 住所範囲の終了番号を表す値。これは、フィーチャのデジタイズの方向を基準にしており、その範囲で常に最大の数値というわけではありません。この値は、StreetAddress Addr_type の結果に指定されます (デフォルト)。
  • Side - 住所が一致した道路の側。このフィールドは、テーブルの照合に使用した住所ロケーターに、道路の両側の住所情報が含まれている場合に使用することができます (デフォルト)。この属性は、次の値にすることができます。
    • L - 住所は道路の左側に一致しました。
    • R - 住所は道路の右側に一致しました。
    • 値なし - 住所が一致しない、または道路のどちら側になるかをロケーターが判断できませんでした。
  • StPreDir - 道路の方向を定義する住所エレメントで、プライマリ道路名の前に配置されます (「North Main Street」の「North」など) (デフォルト)。
  • StPreType - 道路の主要タイプを定義する住所エレメント (スペイン語の Avenida Central の「Avenida」や、フランス語の Rue Lapin の「Rue」) (デフォルト)。
  • StName - 道路のプライマリ名を定義する住所エレメント (North Main Street の「Main」など) (デフォルト)。
  • StType - 道路の末尾のタイプを定義する住所エレメント (Main Street の「Street」など) (デフォルト)。
  • StDir - 道路の方向を定義する住所エレメントで、プライマリ道路名の後に配置されます (Main Street North の「North」など) (デフォルト)。
  • StAddr - 都市や州などのゾーンを除く場所の住所 (デフォルト)。
  • Nbrhd - 国の最も小さな行政区域 (通常は都市の区または他のサブセクション) (デフォルト)。
  • City - 国の 2 番目に小さな行政区域 (通常は都市または自治体) (デフォルト)。
  • Subregion - 国の 2 番目に大きな行政区域 (通常は郡または地域) (デフォルト)。
  • County - 国の 2 番目に大きな行政区域 (「州内の郡」など) (デフォルト)。
  • Region - 国の最も大きな行政区域 (通常は州または地方) (デフォルト)。
  • State - 国の最も大きな行政区域 (州や地方など) (デフォルト)。
  • StateAbbr -国の上位レベルの行政区域 (州や地方など) の略語 (デフォルト)。
  • Postal - 基本の郵便番号を定義する英数字の住所エレメント (カナダの郵便番号の「V7M 2B4」や米国の郵便番号の「92374」など) (デフォルト)。
  • Zip - 基本の郵便番号を定義する英数字の住所エレメント (カナダの郵便番号の「V7M 2B4」や米国の郵便番号の「92374」など) (デフォルト)。
  • PostalExt - 郵便番号の拡張番号を定義する英数字の住所エレメント (米国の郵便番号 92373-8110 の「8100」など) (デフォルト)。
  • Zip4 - 郵便番号の拡張番号を定義する英数字の住所エレメント (米国の郵便番号 92373-8110 の「8100」など) (デフォルト)。
  • Zip4Low - 郵便番号の拡張番号範囲の開始番号を表す英数字の値。この値は、PostalExt Addr_type の結果に指定されます (デフォルト)。
  • Zip4High - 郵便番号の拡張番号範囲の終了番号を表す英数字の値。この値は、PostalExt Addr_type の結果に指定されます (デフォルト)。
  • Country - 国を表す 3 桁の ISO 3166-1 コード (米国 = 「USA」など) (デフォルト)。
  • LangCode - 住所の言語を表す 3 桁の MARC 言語コード (「ENG」 = 英語など) (デフォルト)。コードのリストをご参照ください。
  • Distance - 候補から指定した場所までの物理的な距離 (メートル単位) (デフォルト)。Location の入力パラメーターが findAddressCandidates REST 操作を使用するリクエストに渡されるとき、Distance の出力値が各候補に対して計算されます。
  • DisplayX - ロケーターの空間参照で返される住所の表示 X 座標。PointAddress ロケーターの場合、この値は住所の実際の位置 (建物や区画の重心) を表します。これは、道路に沿った場所や住所の道路エントリから求められた X 値とは異なります。その他すべてのロケーターの場合、この値は X 値と等しくなります (デフォルト)。
  • DisplayY - ロケーターの空間参照で返される住所の表示 Y 座標。PointAddress ロケーターの場合、この値は住所の実際の位置 (建物や区画の重心) を表します。これは、道路に沿った場所や住所の道路エントリから求められた Y 値とは異なります。その他すべてのロケーターの場合、この値は Y 値と等しくなります (デフォルト)。
  • Xmin - ロケーターによって返されるフィーチャの表示範囲の X 座標の最小値。Xmin、Xmax、Ymin、および Ymax の各値を組み合わせて、ジオコード結果を表示するマップ範囲を設定できます。範囲の座標は、ロケーターの空間参照を使用します (デフォルト)。
  • Xmax - ロケーターによって返されるフィーチャの表示範囲の X 座標の最大値。Xmin、Xmax、Ymin、および Ymax の各値を組み合わせて、ジオコード結果を表示するマップ範囲を設定できます。範囲の座標は、ロケーターの空間参照を使用します (デフォルト)。
  • Ymin - ロケーターによって返されるフィーチャの表示範囲の Y 座標の最小値。Xmin、Xmax、Ymin、および Ymax の各値を組み合わせて、ジオコード結果を表示するマップ範囲を設定できます。範囲の座標は、ロケーターの空間参照を使用します (デフォルト)。
  • Ymax - ロケーターによって返されるフィーチャの表示範囲の Y 座標の最大値。Xmin、Xmax、Ymin、および Ymax の各値を組み合わせて、ジオコード結果を表示するマップ範囲を設定できます。範囲の座標は、ロケーターの空間参照を使用します (デフォルト)。

ジオコーディング中に住所ロケーターのプロパティで [出力フィールド] オプションがオンになっていた場合は、次のオプション フィールドも表示されます。

  • Pct_along - ポリライン ジオメトリを含むフィーチャクラスを参照データとして使用する住所ロケーターの場合は、一致した住所を参照フィーチャに沿って配置する場所をフィーチャの全長に占める割合として [Pct_along] (割合) に指定します。割合は、ライン フィーチャのデジタイズ方向に沿って測定されます。
  • Ref_ID - 一致したフィーチャの参照 ID
  • StreetID - StreetID は、一戸建てフィーチャを特定の道路セグメントに関連付けるために使用できます。PointAddress 一致の屋根の位置が、そこへのルートを検索するときに、関連付けられていないまたは正しくない別の道路セグメントに近いという状況が発生する場合があります。
  • Stan_addr - 標準化住所
  • X - ロケーターの空間参照で一致した住所の X 座標 (デフォルト)
  • Y - ロケーターの空間参照で一致した住所の Y 座標 (デフォルト)

ArcMap での住所テーブルのジオコーディングの詳細

ジオプロセシング ツールを使用した住所テーブルのジオコーディングの詳細

ArcGIS Online ジオコード サービスを使用した住所テーブルのジオコーディングの詳細

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