ArcGIS でラスターを使用する際、ラスターまたは関連する補助ファイルから補助情報 (統計情報、ヒストグラム、ピラミッドなど) が見つからなければ、ArcGIS がそれらを作成して格納します。通常、補助情報は、ラスターの形式がそれに対応していればラスター内に格納されますが、ラスター外に補助ファイルとして書き出すこともできます。ラスターまたはラスター フォルダーが読み取り専用である場合、これらの補助ファイルは書き込み可能な他の場所に保存され、プロキシ ファイルとなります。
プロキシ ロケーションに配置可能なファイル
プロキシ ロケーションには、次の 3 種類のファイルを書き込むことができます。
- プロキシ非制限アクセス イメージ (UAI) ファイルは、読み取り専用のラスター データセットであり、データのパスが含まれたファイル名と拡張子「.UAI」からなる一意な名前を使用します。このファイルは、元の読み取り専用データを指します。この命名規則は、別のフォルダーにある 2 つ以上のラスターが似たような名前を持つ場合に、AUX ファイルが上書きされるのを防ぐために使用されます。
- プロキシ AUX ファイルは、UAI ファイルと関連する主要な補助ファイルです。このファイルは、UAI ファイルのファイル名の命名規則に従いますが、拡張子は AUX または AUX.XML です。通常の AUX ファイルと同様に、プロキシ AUX ファイルには ArcGIS によって作成された追加情報が含まれます。ラスター (またはそのフォルダー) は読み取り専用なので、このファイルをラスター内またはラスターと同じフォルダーに格納することはできません。
- プロキシ OVR ファイルまたは RRD ファイルには、通常の OVR ファイルまたは RRD ファイルと同様にピラミッド データが含まれますが、ラスター (またはそのフォルダー) は読み取り専用なので、それらはプロキシ ロケーションに保存されます。プロキシ ロケーションには、元のラスター データは含まれません。
プロキシの保存先
ラスター プロキシ ファイルは、各ユーザーのテンポラリ ディレクトリにある rasterproxies フォルダーに保存されます。このディレクトリの場所はコンピューターによって異なります。この場所を変更する必要がある場合は、レジストリ設定を変更します。
プロキシ ファイルが書き込まれる場所を制御するには、ArcMap Advance Settings ユーティリティ (AdvancedArcMapSettings.exe) を使用します。このユーティリティは、ArcGIS Desktop ディレクトリの Utilities フォルダーにあります。ユーティリティを起動して、[ラスター] タブをクリックし、プロキシ ファイルの適切な場所を入力します。環境変数は展開されないので、このキーに環境変数を使用することはできません。
ラスター プロキシ ファイルを複数のユーザーで共有したい場合は、次の点を考慮してください。
- ラスター プロキシ フォルダーは、ディスク上の同じ物理的な場所に設定する必要があります。
- ラスター プロキシ フォルダーに対して、すべてのユーザーが書き込み権限を持つ必要があります。
- すべてのユーザーが、読み取り専用ラスターの場所に同じ名前 (つまり、同じドライブ文字とパス指定) を持つパスを指定する必要があります。
ArcCatalog を使用して、読み取り専用ラスター (読み取り専用メディアに保存されているラスターを含む) を削除することはできません。このため、必要のないプロキシ ファイルはこのフォルダーから定期的に手動で削除して、使用しないファイルをハード ドライブに保持しないようにしてください。UAI ファイルと AUX ファイルは、通常は小さなファイルですが、特に入力ラスターの圧縮率が高い場合は、OVR ファイルと RRD ファイルがかなり大きくなることがあります。