Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
ST_Raster は、ラスター データを直接ジオデータベース テーブルに保存できるようにするデータ タイプです。SQL を使用してジオデータベースのラスター データにアクセスする必要がある場合、ST_Raster タイプを使用します。
[ラスター タイプの作成 (Create Raster Type)] ジオプロセシング ツール、またはツールを呼び出す Python スクリプトを使用して、ST_Raster タイプをジオデータベースにインストールします。
ST_Raster タイプをインストールしたら、ジオデータベースに作成された新しいラスターで ST_Raster データ タイプが使用されるようにジオデータベース構成設定を変更する必要があります。
ST_Raster ライブラリの配置
ST_Raster ライブラリ (libst_raster_pg) を PostgreSQL lib/pgsql ディレクトリに配置する必要があります。
libst_raster_pg ライブラリは My Esri からダウンロードするか、<ArcGIS Server or ArcMap installation directory>\DatabaseSupport\PostgreSQL\<Operating System> ディレクトリからコピーできます。必ず、PostgreSQL サーバーのオペレーティング システムに対応する正しいライブラリをコピーしてください。
ST_Raster ライブラリの配置が完了したら、ST_Raster をインストールできます。
ST_Raster のインストール
ArcGIS Desktop (Standard または Advanced) から [ラスター タイプの作成 (Create Raster Type)] ツールを実行するか、ArcGIS Server または ArcGIS Desktop (Standard または Advanced) クライアントから Python スクリプトを実行して、ST_Raster タイプをインストールできます。
ジオプロセシング ツールの実行
ArcGIS Desktop (Standard または Advanced) へのアクセス権を持っている場合は、[ラスター タイプの作成 (Create Raster Type)] ツールを実行して ST_Raster タイプをインストールできます。
- ArcGIS Desktop クライアントを起動します。
- sde ユーザーとしてジオデータベースに接続します。
- [ラスター タイプの作成 (Create Raster Type)] ツールを開きます。
このツールは [データ管理] ツールボックスの [ジオデータベース管理] ツールセットにあります。
- ステップ 2 で作成したデータベース接続を [入力データベース接続] に指定します。
- [OK] (ArcMap) または [実行] (ArcGIS Pro) をクリックします。
- ジオデータベースの現在の構成設定を、[ジオデータベース コンフィグレーション キーワードのエクスポート (Export Geodatabase Configuration Keyword)] ツールを使用してテキスト ファイルにエクスポートします。
- テキスト ファイルを編集し、RASTER_STORAGE を ST_Raster に設定します。
- ユーザーがキーワードを指定する必要なく、すべてのラスター データセットおよびラスター カタログで ST_Raster タイプを使用したい場合は、DEFAULTS キーワードの RASTER_STORAGE パラメーターを変更します。
- 一部のラスター データセットおよびラスター カタログだけで ST_Raster タイプを使用する必要がある場合は、カスタム キーワードを作成し、そのキーワードの RASTER_STORAGE パラメーターを ST_Raster に設定します。
- 変更したテキスト ファイルを、[ジオデータベース コンフィグレーション キーワードのインポート (Import Geodatabase Configuration Keyword)] ツールを使用してジオデータベースにインポートします。
Python の使用
Python スクリプトを実行して、ジオデータベース管理者としてジオデータベースに接続するデータベース接続 (*.sde) ファイルを作成し、ST_Raster タイプをジオデータベースにインストールして RASTER_STORAGE パラメーターを ST_Raster に設定することができます。
- sde ユーザーとしてジオデータベースに接続するデータベース接続 (*.sde) ファイルを作成します。ユーザー名とパスワードが接続ファイルに保存されているか確認してください。
この例では、接続ファイル (adminconnect.sde) を C:\temp に作成します。
import arcpy arcpy.CreateDatabaseConnection_management (r'c:/temp',"adminconnect.sde", "POSTGRESQL", "teamdata", "DATABASE_AUTH", "sde", "Cky00r", "SAVE_USERNAME", "projects")
- ST_Raster タイプをインストールします。
ここで、ジオデータベースに接続し、ST_Raster タイプをインストールするために adminconnect.sde ファイルが CreateRasterType_management 関数で使用されます。
arcpy.CreateRasterType_management (r'c:/temp/adminconnect.sde')
- 現在のジオデータベースの構成をエクスポートします。
この例では、gdbconfig ファイルが C:\temp フォルダーにエクスポートされます。
arcpy.ExportGeodatabaseConfigurationKeyword_management (r'c:/temp/adminconnect.sde', r'c:/temp/gdbconfig.txt')
- テキスト エディターでテキスト ファイルを開き、RASTER_STORAGE を ST_Raster に設定します。
- ユーザーがキーワードを指定する必要なく、すべてのラスター データセットおよびラスター カタログで ST_Raster タイプを使用したい場合は、DEFAULTS キーワードの RASTER_STORAGE パラメーターを変更します。
- 一部のラスター データセットおよびラスター カタログだけで ST_Raster タイプを使用する必要がある場合は、カスタム キーワードを作成し、そのキーワードの RASTER_STORAGE パラメーターを ST_Raster に設定します。
- テキスト ファイルを保存して閉じます。
- 編集済みのファイルをインポートします。
arcpy.ImportGeodatabaseConfigurationKeyword_management (r'c:/temp/adminconnect.sde', r'c:/temp/gdbconfig.txt')
ST_Raster はジオデータベースにインストールされます。新しい構成の設定はデータの作成時に使用可能になります。