CAD ファイル内のユーザーが作成した属性は、非空間情報をジオメトリに関連付けます。DWG/DXF および DGN 形式は、ユーザーが作成した属性をそれぞれ異なる方法を使用して格納します。
このトピックでは、これらのデータセットで実際に使用されている、ユーザーが作成した属性のタイプについて説明します。
DWG/DXF 形式
ブロック参照とブロック属性
DWG ブロック参照は、グラフィック エレメントとユーザーが作成した属性の名前付きのコレクションで、1 つのエレメントまたはオブジェクトとして処理されます。1 つ以上のブロック参照のインスタンスを、ドローイングに挿入 (またはコピー) することができます。一般的には、ArcMap のマーカー シンボルと同様に、ポイント フィーチャをシンボル表示するために使用されます。
ブロック属性は、ブロック定義のネストした構成要素です。ドローイングに挿入された各ブロックとともに情報を格納するために使用されるテキスト エレメントです。ブロック属性は、属性の格納方法と表示/非表示を定義する属性定義により作成されます。データベース テーブルのフィールド スキーマと同様に、名前と値を持ちます。
拡張エンティティ データ (Xdata)
DWG 拡張エンティティ データ (Xdata) には、ブロック属性と同様のユーザーが作成した情報が格納されます。ただし、Xdata は直接ジオメトリに関連付けられます。Xdata を使用するには、AutoLISP または .NET で記述されたカスタム プログラミングが必要です。プログラムによってジオメトリに関連付けるか、ユーザーがカスタム ダイアログ ボックスまたはコマンド プロンプト インターフェイスを使用して対話的に関連付けを行います。
Xrecord
DWG の Xrecord は Xdata に似ていますが、これらはオブジェクト ベースであり、ソフトウェア開発者に対する制限は少なくなります。情報をドローイング レベルで格納できるだけでなく、情報をジオメトリにリンクすることもできます。
DWG ファイルに格納されたフィーチャクラス
DWG ファイルに格納されたフィーチャクラスは、標準 DWG ジオメトリと、同じプロパティおよび同じ属性フィールドを共有するネイティブの CAD オブジェクトの名前付きのコレクションです。これらのスキーマとエンコーディング構造は、CAD の Esri マッピング仕様 (CAD と GIS の相互運用性に関する仕様) で定義されます。
これらのタイプのフィーチャクラスは、空 (スキーマのみ) のフィーチャクラス定義として、ドローイング レベルで格納されます。これらは、ArcGIS Desktop が特定のジオメトリのサブセットをフィーチャクラスとして識別するために使用するフィルター条件を定義します。同様に、ジオメトリに関連付けられた属性とそれに対応するスキーマも、構成属性としてフィルター処理されます。
エンコーディング レベルでは、これらのフィーチャクラスは DWG Xrecord を構成し、DWG オブジェクト ディクショナリの標準化されたフレームワークに格納されます。
DGN 形式
タグ
DGN タグは、情報をジオメトリにリンクするためのテキスト エレメントです。タグはジオメトリの一意の ID を使用してリンクされます。タグ セットの定義は、タグを格納する方法とタグを表示するかどうかを定義します。データベース テーブルのフィールド スキーマと同様に、名前と値を持ちます。
MSLink
DGN の MSLink は、DGN ファイル内のジオメトリを外部データベース テーブルにリンクする、グラフィックス以外のデータ エレメントです。Intergraph の MGE (Modular GIS Environment) ソリューションなど、DGN 形式を使用する他のソフトウェア アプリケーションも MSLink を使用しています。