ArcGIS 10.x クライアントおよび ArcGIS Pro クライアントを 10.x エンタープライズ ジオデータベースに接続することはできますが、使用しているデータベース管理システムのバージョンが接続元の ArcGIS クライアントのバージョンと互換性がある必要があります。使用している ArcGIS クライアントのバージョンに関する Db2 データベース要件をご参照ください。
クライアントを ArcGIS for iOS や ArcPad などの ArcGIS Server サービスに接続して使用する場合、実際には ArcGIS Server がジオデータベースのクライアントになる点に注意してください。この場合は、ArcGIS Server とジオデータベースのバージョンに互換性があることを確認してください。
新しいクライアントから古いリリースのジオデータベースへ接続することにより、クライアントのアップグレードと同時にジオデータベースをアップグレードすることなく、ジオデータベースを使用することができます。お使いの環境で、クライアント インストールのリリースを混在させることもできます。たとえば、ある部門が最新バージョンの ArcGIS クライアントで使用できるように更新されていないカスタム アプリケーションを使用する場合、ジオデータベースを 10.4 リリースで維持し、この部門のユーザーを古いリリースのクライアントで維持したまま、組織の他のクライアントを現在のリリースにアップグレードすることができます。ただし、ジオデータベースがアップグレードされるまで、現在のリリースのクライアントは最新のジオデータベースの機能を使用できないことに注意してください。
ジオデータベースを ArcGIS Pro から作成またはアップグレードする場合、ジオデータベースに格納されるバージョン番号に、ArcGIS のバージョンおよび ArcGIS Pro のバージョンの両方が含まれるということに注意してください。たとえば、エンタープライズ ジオデータベースを ArcGIS Pro 1.3 から作成する場合、そのジオデータベースのバージョンは 10.4.1.1.3 になります。
混在したバージョンの接続に関するルール
混在したバージョンの接続を使用するかどうかを判断する際は、次の点に留意してください。
- 新しいバージョンのクライアントから以前のバージョンのエンタープライズ ジオデータベースに接続する場合は、使用するバージョンのジオデータベースが提供している機能しか利用できません。これは API の機能にも当てはまります。接続するジオデータベースのバージョンにその機能が存在しない場合、新しい API 関数を使用できません。
- ArcGIS クライアントから古いリリースのエンタープライズ ジオデータベースに接続するには、ジオデータベースを最新のサービス パックまたはそのリリースのパッチにアップグレードする必要があります。たとえば、ArcGIS Server 10.4.1 から 10.2.2 エンタープライズ ジオデータベースに接続する場合は、最新の 10.2.2 パッチをジオデータベースに適用する必要があります。
- 古いバージョンの ArcGIS クライアントでも、新しいバージョンのジオデータベースを表示、検索、編集、および保存することはできますが、新しい機能が含まれたデータセットを開くことはできません。この種のデータセットを開こうとすると、次のいずれかのエラー メッセージが表示されます。
- このデータセットは、このバージョンのジオデータベース クライアントとの互換性がないため開くことができません。
- データを追加できませんでした。データ タイプがサポートされていません。
- ArcGIS Pro に固有の機能を ArcMap 内で開くことはできません。たとえば、ArcMap からは SAP HANA のジオデータベースにもユーティリティ ネットワークにもアクセスできません。