タイル パッケージを使用すると、お使いのマップを高速に実行できるようになります。タイル パッケージを作成する際、アプリケーションはマップ全体を複数の縮尺で描画し、マップ イメージのコピーを格納します。アプリケーションは、マップのリクエストがあると、これらの画像を配布します。リクエストがあるたびにアプリケーションにマップを描画させるよりも、キャッシュされた画像を渡すほうがはるかに高速です。タイル パッケージのもう 1 つの利点は、サーバーがコピーを配布するスピードが画像の詳細度による影響をあまり受けないことです。
タイル パッケージを作成する理由
タイル パッケージでは、パッケージを作成するときだけマップ描画のパフォーマンスが低下します。このため、パッケージの作成には時間がかかることがあります。ただし、たとえパッケージの作成に時間がかかっても、パッケージを作成するメリットのほうが大きいと言えます。以下に、タイル パッケージの主なメリットを示します。
- パフォーマンス: タイル パッケージを配置すると、マップが描画されるのを待つ時間が短くなるので、ユーザーの作業がはかどります。
- 品質: タイル パッケージの使用時に、マップの詳細度がパフォーマンスに影響を与えることはありません。パッケージを作成するために陰影起伏、透過表示、Maplex ラベル エンジンなどを使用したかどうかは関係ありません。タイル パッケージは画像の集まりにすぎず、アプリケーションはキャッシュされた画像をどれも同じくらいの時間で返すことができます。
- 業界標準: 広く使用されているインターネット マッピング サイトにアクセスすると、画面移動やズームのときに小さな正方形のタイルが表示されます。ほとんどの場合、すべてのタイルが瞬時に表示されます。これは、キャッシュが使用されているためです。タイル パッケージを使用すると、これに匹敵するマップ パフォーマンスを実現できます。
キャッシュ プロセスの仕組み
タイル パッケージの作成は自動的に開始されるわけではありません。タイル パッケージを作成するには、まずマップを設計し、それをタイル パッケージとして共有する必要があります。次に、キャッシュ プロパティを設定し、タイルの作成を開始します。
タイル パッケージを作成する際には複数の縮尺で描画し、ユーザーがマップを拡大表示または縮小表示できるようにします。パッケージのプロパティを選択するときに、キャッシュに使用する縮尺を決定する必要があります。タイル フォーマットを最初に試してみたいだけの場合は、コンピューターに縮尺をいくつか選択させることができます。ただし通常は、縮尺を事前に選択するほうが、複数の縮尺で適切に表示されるマップを設計しやすくなります。縮尺を記録し、ArcMap で製図を行うときにそれらを使用します。パッケージを作成する際には、縮尺セクションに縮尺を入力します。
キャッシュを作成するときに理解しておく必要のある重要なプロパティは他にもあります。詳細については、「タイル パッケージについて」をご参照ください。
キャッシュのために選択する縮尺と設定するプロパティがタイル スキーマです。パッケージはそれぞれタイル スキーマ ファイルを持つため、新しいキャッシュを作成するときにタイル スキーマ ファイルをインポートすると、すべてのキャッシュが同じタイル サイズと縮尺を使用するようになります。これにより、複数のタイル パッケージまたはキャッシュ サービスを含むアプリケーションのパフォーマンスが向上します。必要に応じて、ArcGIS Online、Google マップ、Bing Maps といった一般的なタイル スキーマを使用して、これらのオンライン マッピング サービスをキャッシュと簡単にオーバーレイすることができます。
すべてのマップをキャッシュできるか
タイル パッケージは、ある時点でのマップのスナップショットを表します。このため、キャッシュは頻繁に変化しないマップに使用するのが最も効果的です。これには、道路地図、衛星画像/航空写真、地形図などが含まれます。
データを変更することが多い場合は、タイル パッケージを再作成してデータを更新することになります。以下の項目を検討すると、頻繁に変化するマップでもキャッシュできるかどうかを判断するのに役立ちます。
どれくらい新しいマップが必要か
マップにライブ データを表示する必要があり、時間の遅延を容認できない場合、タイル パッケージは適していません。ただし、わずかな遅延なら容認することができ、タイル パッケージを許容時間内に更新できる可能性が高い場合は、タイル パッケージを使用できます。
タイル パッケージの大きさとデータの変更範囲はどれくらいか
この 2 つの質問は相互に関係しています。タイル パッケージが大きいほど、作成に時間がかかります。通常、大きなタイル パッケージを更新する場合、変更された部分を分離して、その部分だけを更新するのが現実的です。タイル パッケージが小さい場合は、パッケージ全体を短時間で再構築できます。
許容時間内に変更を更新できない場合、そのマップはタイル パッケージに適していません。
上記の項目を検討した上で、必要に応じてタイル パッケージを使用してください。ほとんどの場合、パッケージの作成と更新への投資に見合うようなパフォーマンスの向上が得られます。