サマリー
[エンタープライズ ジオデータベースの作成 (Create Enterprise Geodatabase)] ツールは、データベース、格納場所、およびジオデータベースの管理者またはジオデータベースの所有者としての役割を果たすデータベース ユーザーを作成します。機能は、使用されるデータベース管理システムによって異なります。このツールは、まずジオデータベース管理者にジオデータベースの作成に必要な権限を与えます。次にデータベースにジオデータベースを作成します。
使用法
次の表は、各データベース管理システム (DBMS) におけるツールの機能を示しています。
関数 DBMS データベースの作成
PostgreSQL および Microsoft SQL Server
表領域の作成
Oracle
データベースにジオデータベース管理ユーザーを作成
Oracle、PostgreSQL、SQL Server
sde スキーマのジオデータベースを作成する場合、ツールは SQL Server のユーザーのみを作成するので注意してください。
ジオデータベースの作成、ジオデータベースのアップグレードおよびデータベース接続の切断に必要なジオデータベース管理者権限を付与します。
Oracle および PostgreSQL
ジオデータベースの作成およびデータベース接続の切断に必要なジオデータベース管理者権限の付与
SQL Server (sde スキーマ ジオデータベースを作成する場合)
Oracle Data Pump を使用してデータをインポートするために必要な権限をジオデータベース管理者に付与します。
Oracle 12c
指定されたデータベースにジオデータベースを作成
Oracle、PostgreSQL、SQL Server
ジオデータベースを作成するコンピューターには、ArcGIS Desktop (Standard または Advanced)、ArcGIS Engine Runtime と Geodatabase Update エクステンション、または ArcGIS Server をインストールしておく必要があります。また、Oracle または SQL Server を使用する場合は、ArcGIS クライアントがインストールされているコンピューターで、データベース管理システム クライアントをインストールおよび構成する必要もあります。
Oracle でジオデータベースを作成する前に、st_geometry ライブラリを構成する必要があります。詳細については、「Oracle でのジオデータベースの作成」をご参照ください。
PostgreSQL でジオデータベースを作成するには、まず st_geometry ライブラリを PostgreSQL サーバーに配置する必要があります。詳細については、「Linux での PostgreSQL のジオデータベースの作成」または「Windows での PostgreSQL のジオデータベースの作成」をご参照ください。
このツールは、Amazon Relational Database Service for PostgreSQL、Amazon Relatioinal Database Service for SQL Server、Microsoft Azure SQL Database ではサポートされていません。
ジオデータベースの作成後、そのジオデータベースが格納されているデータベースの名前を変更することはできません。データベース名は、ジオデータベース システム テーブルに格納され、テーブル名とフィーチャクラス名を完全修飾するために使用されます。そのため、データベース ツールを使用してデータベース名を変更すると、ジオデータベースのデータにアクセスできなくなります。
構文
CreateEnterpriseGeodatabase_management (database_platform, instance_name, {database_name}, {account_authentication}, {database_admin}, {database_admin_password}, {sde_schema}, {gdb_admin_name}, {gdb_admin_password}, {tablespace_name}, authorization_file)
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
database_platform | ジオデータベースを作成するために接続する、データベース管理システムの種類を指定します。
| String |
instance_name | SQL Server の場合、SQL Server のインスタンス名を指定します。大文字/小文字が区別される照合順序またはバイナリ照合順序の SQL Server インスタンスはサポートされていないことに注意してください。 Oracle の場合、TNS 名または Oracle 簡易接続文字列を指定します。 PostgreSQL の場合、PostgreSQL がインストールされているサーバー名を指定します。 | String |
database_name (オプション) | このパラメーターは、PostgreSQL と SQL Server の場合に有効です。すでに構成されている既存のデータベースの名前を入力したり、ツールによって作成されるデータベースの名前を入力したりできます。 ツールを利用して SQL Server にデータベースを作成する場合、ファイル サイズは SQL Server のモデル データベースに対して定義したのと同じサイズか、MDF ファイルの場合は 500 MB、LDF ファイルの場合は 125 MB のどちらか大きい方になります。MDF と LDF ファイルは、データベース サーバー上のデフォルトの SQL Server の場所に作成されます。 ツールを利用して PostgreSQL にデータベースを作成する場合は、template1 のデータベースがテンプレートとして使用されます。データベース名には小文字を使用します。小文字を入力しなかった場合でも、ツールは小文字に変換します。 | String |
account_authentication (オプション) | データベース接続に使用する認証の種類を指定します。
| Boolean |
database_admin (オプション) | データベース認証を使用する場合は、データベース管理者ユーザーを指定します。Oracle の場合、sys ユーザーを使用します。PostgreSQL の場合、スーパーユーザー ステータスを持つユーザーを指定します。SQL Server の場合、sysadmin 固定サーバー ロールのメンバーを指定します。 | String |
database_admin_password (オプション) | データベース認証を使用する場合、データベース管理者のパスワードを入力します。 | Encrypted String |
sde_schema (オプション) | このパラメーターは SQL Server の場合のみ該当し、ジオデータベースがデータベースの sde という名前のユーザーのスキーマに作成されるか、または dbo スキーマに作成されるかを指定します。dbo スキーマのジオデータベースを作成する場合、SQL Server インスタンスの dbo であるユーザーで接続します。
| Boolean |
gdb_admin_name (オプション) | PostgreSQL を使用する場合は、この値は sde である必要があります。sde ログイン ロールが存在しない場合、このツールはロールを作成し、それにデータベース クラスターのスーパーユーザー ステータスを付与します。sde ログイン ロールが存在する場合、このロールにスーパーユーザー ステータスが付与されていない場合は付与します。また、このツールは、データベース内に sde スキーマも作成し、スキーマでの使用権限を一般ユーザーに付与します。 Oracle を使用する場合は、デフォルトの値は sde です。ユーザー スキーマのジオデータベースを既存のマスター sde ジオデータベースの中に作成する場合には、新しいジオデータベースを所有するユーザーの名前を指定します。sde またはその他のユーザーが DBMS 内に存在しない場合は、[エンタープライズ ジオデータベースの作成 (Create Enterprise Geodatabase)] ツールによって作成され、ジオデータベースの作成およびアップグレードとユーザー接続の切断に必要な権限が付与されます。このツールを Oracle 12c データベースで実行する場合、ツールによって Oracle Data Pump を使用したデータのインポートを許可する権限も付与されます。指定したユーザーがすでに存在する場合は、ツールによって同じ権限が付与されます。 SQL Server を使用し sde スキーマのジオデータベースを指定した場合、この値は sde である必要があります。ツールは、sde ログイン、データベース ユーザーおよびスキーマを作成し、ジオデータベースの作成および SQL Server インスタンスへの接続の切断のための権限を付与します。dbo スキーマを指定した場合、このパラメーターに値を指定しないでください。 | String |
gdb_admin_password (オプション) | ジオデータベース管理者ユーザーのパスワードを指定します。ジオデータベース管理者ユーザーがすでに DBMS に存在する場合、入力するパスワードは既存のパスワードと一致する必要があります。ジオデータベース管理者ユーザーがまだ存在していない場合、新規ユーザーのための有効なデータベース パスワードを入力します。パスワードは、DBMS が設定するパスワード ポリシーを満たしている必要があります。 パスワードは、暗号化された文字列です。 | Encrypted String |
tablespace_name (オプション) | このパラメーターは DBMS タイプが Oracle および PostgreSQL である場合に有効です。Oracle の場合は、次のいずれかを実行します。
このツールは PostgreSQL に表領域を作成しません。既存の表領域の名前を指定してデータベースのデフォルトの表領域として使用するか、このパラメーターを空白にしておく必要があります。パラメーターを空白のままにした場合、ツールによって pg_default 表領域にデータベースが作成されます。 | String |
authorization_file | ArcGIS Server を認証したときに作成されたキーコード ファイルのパスとファイル名を指定します。このファイルは、Windows の場合は \\Program Files\ESRI\License<release#>\sysgen フォルダー、Linux の場合は /arcgis/server/framework/runtime/.wine/drive_c/Program Files/ESRI/License<release#>/sysgen ディレクトリにあります。このファイルをまだ作成していない場合には、ArcGIS Server を認証して作成します。 キーコード ファイルを ArcGIS Server コンピューターからツールがアクセスできる場所にコピーする必要がある場合があります。 | File |
派生した出力
名前 | 説明 | データ タイプ |
out_result |
コードのサンプル
CreateGeodatabase (ジオデータベースの作成) の例 1
次のスクリプトは Oracle データベースにジオデータベースを作成します。sde ユーザーを作成し、sde ユーザーに対してデフォルトの表領域である sdetbs を作成します。キーコード ファイルは、リモート Linux サーバー上にあります。
#Import arcpy module
import arcpy
arcpy.CreateEnterpriseGeodatabase_management("ORACLE", "ora11g:1521/elf", "", "DATABASE_AUTH", "sys", "manager", "", "sde", "supersecret", "sdetbs",
"//myserver/mymounteddrive/myaccessibledirectory/keycodes")
CreateGeodatabase (ジオデータベースの作成) の例 2
このスクリプトは SQL Server のインスタンス (tor\ssinstance) に接続し、sp_data という名前のデータベースを作成し、その中に sde スキーマのジオデータベースを作成します。オペレーティング システム認証を使用して接続します。キーコード ファイルは、リモート Windows サーバー上にあります。
#Import arcpy module
import arcpy
arcpy.CreateEnterpriseGeodatabase_management("SQL_SERVER", "tor\ssinstance1", "sp_data", "OPERATING_SYSTEM_AUTH", "", "", "SDE_SCHEMA", "sde", "sde",
"", "//myserver/myaccessibledirectory/keycodes")
CreateGeodatabase (ジオデータベースの作成) の例 3
このスクリプトは feldspar という名前のサーバー上の PostgreSQL データベース クラスターに接続します。既存の表領域 gdbspace に sde ユーザーとデータベース pggdb が作成されます。キーコード ファイルは、ローカル Linux サーバー上にあります。
#Import arcpy module import arcpy
arcpy.CreateEnterpriseGeodatabase_management("POSTGRESQL", "feldspar", "pggdb", "DATABASE_AUTH", "postgres", "averturis", "", "sde", "nomira", "gdbspace",
"//arcgis/server/framework/runtime/.wine/drive_c/Program Files/ESRI/License/sysgen/keycodes")
CreateGeodatabase (ジオデータベースの作成) の例 4 (スタンドアロン スクリプト)
次のスタンドアロン Python スクリプトにより、オプションを使用して各サイトに固有の情報を提供できます。
"""
Name: create_enterprise_gdb.py
Description: Provide connection information to a DBMS instance and create an enterprise geodatabase.
Type create_enterprise_gdb.py -h or create_enterprise_gdb.py --help for usage
"""
# Import system modules
import arcpy
import os
import optparse
import sys
# Define usage and version
parser = optparse.OptionParser(usage = "usage: %prog [Options]", version="%prog 1.0 for " + arcpy.GetInstallInfo()['Version'] )
#Define help and options
parser.add_option ("--DBMS", dest="Database_type", type="choice", choices=['SQLSERVER', 'ORACLE', 'POSTGRESQL', ''], default="", help="Type of enterprise DBMS: SQLSERVER, ORACLE, or POSTGRESQL.")
parser.add_option ("-i", dest="Instance", type="string", default="", help="DBMS instance name")
parser.add_option ("-D", dest="Database", type="string", default="none", help="Database name: Do not specify for Oracle")
parser.add_option ("--auth", dest="Account_authentication", type ="choice", choices=['DATABASE_AUTH', 'OPERATING_SYSTEM_AUTH'], default='DATABASE_AUTH', help="Authentication type options (case-sensitive): DATABASE_AUTH, OPERATING_SYSTEM_AUTH. Default=DATABASE_AUTH")
parser.add_option ("-U", dest="Dbms_admin", type="string", default="", help="DBMS administrator user")
parser.add_option ("-P", dest="Dbms_admin_pwd", type="string", default="", help="DBMS administrator password")
parser.add_option ("--schema", dest="Schema_type", type="choice", choices=['SDE_SCHEMA', 'DBO_SCHEMA'], default="SDE_SCHEMA", help="Schema type applies to geodatabases in SQL Server only. Type SDE_SCHEMA to create geodatabase in SDE schema or type DBO_SCHEMA to create geodatabase in DBO schema. Default=SDE_SCHEMA")
parser.add_option ("-u", dest="Gdb_admin", type="string", default="", help="Geodatabase administrator user name; Must always be sde for PostgreSQL, sde-schema geodatabases in SQL Server, and master sde geodatabase in Oracle")
parser.add_option ("-p", dest="Gdb_admin_pwd", type="string", default="", help="Geodatabase administrator password")
parser.add_option ("-t", dest="Tablespace", type="string", default="", help="Tablespace name; For PostgreSQL, type name of existing tablespace in which to store database. If no tablespace name specified, pg_default is used. For Oracle, type name of existing tablespace, or, if tablespace with specified name does not exist, it will be created and set as the default tablespace for the sde user. If no tablespace name is specified, SDE_TBS tablespace is created and set as sde user default. Tablespace name not supported for SQL Server.")
parser.add_option ("-l", dest="Authorization_file", type="string", default="", help="Full path and name of authorization file; file created when ArcGIS Server Enterprise authorized, and stored in \\Program Files\ESRI\License<release#>\sysgen on Windows or /arcgis/server/framework/runtime/.wine/drive_c/Program Files/ESRI/License<release#>/sysgen on Linux")
# Check if value entered for option
try:
(options, args) = parser.parse_args()
#Check if no system arguments (options) entered
if len(sys.argv) == 1:
print("%s: error: %s\n" % (sys.argv[0], "No command options given"))
parser.print_help()
sys.exit(3)
#Usage parameters for spatial database connection
database_type = options.Database_type.upper()
instance = options.Instance
database = options.Database.lower()
account_authentication = options.Account_authentication.upper()
dbms_admin = options.Dbms_admin
dbms_admin_pwd = options.Dbms_admin_pwd
schema_type = options.Schema_type.upper()
gdb_admin = options.Gdb_admin
gdb_admin_pwd = options.Gdb_admin_pwd
tablespace = options.Tablespace
license = options.Authorization_file
if (database_type == "SQLSERVER"):
database_type = "SQL_SERVER"
if( database_type ==""):
print(" \n%s: error: \n%s\n" % (sys.argv[0], "DBMS type (--DBMS) must be specified."))
parser.print_help()
sys.exit(3)
if (license == ""):
print(" \n%s: error: \n%s\n" % (sys.argv[0], "Authorization file (-l) must be specified."))
parser.print_help()
sys.exit(3)
if(database_type == "SQL_SERVER"):
if(schema_type == "SDE_SCHEMA" and gdb_admin.lower() != "sde"):
print("\n%s: error: %s\n" % (sys.argv[0], "To create SDE schema on SQL Server, geodatabase administrator must be SDE."))
sys.exit(3)
if (schema_type == "DBO_SCHEMA" and gdb_admin != ""):
print("\nWarning: %s\n" % ("Ignoring geodatabase administrator specified when creating DBO schema..."))
if( account_authentication == "DATABASE_AUTH" and dbms_admin == ""):
print("\n%s: error: %s\n" % (sys.argv[0], "DBMS administrator must be specified with database authentication"))
sys.exit(3)
if( account_authentication == "OPERATING_SYSTEM_AUTH" and dbms_admin != ""):
print("\nWarning: %s\n" % ("Ignoring DBMS administrator specified when using operating system authentication..."))
else:
if (schema_type == "DBO_SCHEMA"):
print("\nWarning: %s %s, %s\n" % ("Only SDE schema is supported on", database_type, "switching to SDE schema..." ))
if( gdb_admin.lower() == ""):
print("\n%s: error: %s\n" % (sys.argv[0], "Geodatabase administrator must be specified."))
sys.exit(3)
if( gdb_admin.lower() != "sde"):
if (database_type == "ORACLE"):
print("\nGeodatabase admin user is not SDE, creating user schema geodatabase on Oracle...\n")
else:
print("\n%s: error: %s for %s.\n" % (sys.argv[0], "Geodatabase administrator must be SDE", database_type))
sys.exit(3)
if( dbms_admin == ""):
print("\n%s: error: %s\n" % (sys.argv[0], "DBMS administrator must be specified!"))
sys.exit(3)
if (account_authentication == "OPERATING_SYSTEM_AUTH"):
print("Warning: %s %s, %s\n" % ("Only database authentication is supported on", database_type, "switching to database authentication..." ))
# Get the current product license
product_license=arcpy.ProductInfo()
# Checks required license level
if product_license.upper() == "ARCVIEW" or product_license.upper() == 'ENGINE':
print("\n" + product_license + " license found!" + " Creating an enterprise geodatabase requires an ArcGIS Desktop Standard or Advanced, ArcGIS Engine with the Geodatabase Update extension, or ArcGIS Server license.")
sys.exit("Re-authorize ArcGIS before creating enterprise geodatabase.")
else:
print("\n" + product_license + " license available! Continuing to create...")
arcpy.AddMessage("+++++++++")
try:
print("Creating enterprise geodatabase...\n")
arcpy.CreateEnterpriseGeodatabase_management(database_platform=database_type,instance_name=instance, database_name=database, account_authentication=account_authentication, database_admin=dbms_admin, database_admin_password=dbms_admin_pwd, sde_schema=schema_type, gdb_admin_name=gdb_admin, gdb_admin_password=gdb_admin_pwd, tablespace_name=tablespace, authorization_file=license)
for i in range(arcpy.GetMessageCount()):
arcpy.AddReturnMessage(i)
arcpy.AddMessage("+++++++++\n")
except:
for i in range(arcpy.GetMessageCount()):
arcpy.AddReturnMessage(i)
#Check if no value entered for option
except SystemExit as e:
if e.code == 2:
parser.usage = ""
print("\n")
parser.print_help()
parser.exit(2)
環境
このツールは、ジオプロセシング環境を使用しません。
ライセンス情報
- ArcGIS Desktop Basic: いいえ
- ArcGIS Desktop Standard: はい
- ArcGIS Desktop Advanced: はい