3D Analyst のライセンスで利用可能。
サーフェスのセルに割り当てられた値は不連続データまたは連続データとして表現できます。ArcGIS では、フィーチャおよびサーフェスを不連続データまたは連続データのいずれかとして表現できます。
分類データまたは非連続データと呼ばれることもある不連続データでは主に、フィーチャおよびラスター データ内のオブジェクトを表現します。不連続オブジェクトには、既知の境界および定義可能な境界があります。つまり、オブジェクトが開始する部分と終了する部分を厳密に定義することが簡単にできます。たとえば、湖は不連続オブジェクトです。その場合は、水域と陸地の境界部分を確実に定義できます。また、ビル、道路、土地区画なども、不連続オブジェクトに入ります。不連続オブジェクトは通常、名詞です。
連続データ、つまり連続サーフェスによって表現されるサーフェス上での各位置の事象は、濃度レベルを表す量であったり、空間内の固定点や放射源との関係であったりします。連続データは、フィールド データ、非離散データ、またはサーフェス データと呼ばれることもあります。
各位置が固定されたポイントから計測されるサーフェスが定義されるとき、その特性から、連続サーフェス データを生成することもできます。これには、標高 (固定ポイントは海抜) や傾斜方向 (固定ポイントは東西南北の方向) があります。
不連続フィーチャと連続フィーチャの違い
多くの場合 ArcGIS アプリケーションでは、土地所有、土壌分類、ゾーン、土地利用などの不連続な地理情報が使用されます。これらのタイプのデータは、名目、等級、間隔、および割合の値によって表されます。サーフェスは、標高、雨量、汚染濃度、地下水位などの連続したデータです。これらのデータは、一般に急激な変化や突然の変化のない連続サーフェスとして表されます。
不連続フィーチャ
不連続フィーチャは、連続ではなく、明確なフィーチャ境界を持っています。たとえば、道路には幅と長さがあり、マップ上にラインとして表されます。土地所有マップは、さまざまな土地区画間の境界線を示します。マップ上の各フィーチャ間の特性 (所有者名、土地区画番号、および行政エリアなど) には、明確な変化があります。
不連続フィーチャの例は、この土地所有マップで説明できます。
不連続マップのフィーチャは、主題データと見なすこともできます。これらのデータやマップのフィーチャは、ポイント、ライン、またはエリアとしてマップに簡単に表現されます。ArcGIS データ構造により 2 次元フィーチャのトポロジカル リレーションシップを表現する方法を学びました。属性がマップ フィーチャに割り当てられ、表現、描画、シンボル化、ラベル化などを行うために使用できます。さらに、詳細な解析を実行して、これらのフィーチャ間の新しい関係を定義したり明確にしたりできます。
連続フィーチャ
対照的に、連続フィーチャは空間的に不連続ではありません。一般に、連続したサーフェス上の点と点の間の変化が突然途切れたり、明確に途切れたりすることはありません。サーフェスの属性は、与えられた X,Y 位置の縦方向のただ 1 つの変数である Z 値として格納されます。たとえば、サーフェスの標高の値は、サーフェス全体にわたって連続しています。サーフェスの表現は、単にサーフェス全体からの値のサンプル (サブセット) です。
次第に変化する連続データ
ソースからサーフェスに沿って移動する過程で次第に変化する事象も、連続サーフェス データのタイプの 1 つです。次第に変化する連続サーフェス データの例としては、流体や気体の動きがあります。これらのサーフェスは、事象の移動タイプまたは方法によって特徴付けられます。
移動タイプには拡散などの移動運動によるものがあり、濃度の高いエリアから濃度の低いエリアに濃度が均一になるまで事象が移動します。この移動タイプのサーフェス特性としては、陸地または水域を通って拡散する塩分濃度、原油流出、森林火災から拡散する熱などがあります。このタイプの連続サーフェスでは、ソースが存在しなければなりません。濃度は、ソース付近が常に高く、距離および該当物質の拡散を仲介する媒体の働きに従って低くなります。
前述のソース集中型サーフェスの場合、各位置における事象の濃度は、該当するイベントが仲介媒体内を移動できる能力の関数として表現できます。
また、移動項目に固有な特性によって、または移動運動の方法によって左右される移動タイプもあります。たとえば、爆発による騒音の移動は、騒音に固有な特性および騒音が移動する際の仲介媒体に固有な特性によって左右されます。植物からの種子の散乱のように、フィーチャのサーフェス濃度が、移動運動の方法によって制約を受けたり、直接影響を受けたりする場合もあります。蜂、人間、風、水のいずれも、移動運動の要因となり、植物から散乱する種子のサーフェス濃度に影響を与えます。
移動運動のその他の例としては、動物の群れの散布、店舗の見込み顧客 (自動車が移動手段、時間が制約ファクター)、病気の蔓延などがあります。
不連続と連続の違い
表現およびモデリングの対象となるフィーチャの数が多いと、境界が連続しているのか不連続なのかが曖昧になります。完全な不連続フィーチャから完全な連続フィーチャまで、さまざまな地理フィーチャを表現する際に、連続体が作成されます。ほとんどのフィーチャは、この 2 つの中間領域に位置します。
連続体に沿って配置されるフィーチャの例としては、土壌のタイプ、森の端点、湿地帯の境界、テレビの広告キャンペーンから影響を受けるマーケットの地理的分散などがあります。連続から不連続までの範囲のどこにフィーチャが配置されるのかは、該当するフィーチャの境界をどのくらい簡単に定義できるかによって決まります。その連続体のどこにフィーチャが配置されても、ラスターでは精度の差こそあれ、それを表現できます。
得られた値に基づいて意思決定を行う場合は、モデリング対象のデータのタイプ (不連続データ、連続データ) を把握しておくことが重要です。たとえば、建物の建設予定地を土壌マップのみに基づいて決断すべきでありません。鹿の生息地として利用できる場所を決定する際、森の面積が主要なファクターにならない場合もあります。テレビの宣伝による地域市場への影響のみに基づいてセールス キャンペーンを実施すべきではありません。入力データの境界の有効性および精度を把握しておく必要があります。