ジオデータベースをアップグレードする目的は、ジオデータベースのシステム テーブルを更新して、最新バージョンの ArcGIS に用意されている機能を利用できるようにすることです。ジオデータベースが ArcGIS 10 以前のクライアントで作成されている場合は、アップグレードすることが推奨されます。ファイル ジオデータベースまたはパーソナル ジオデータベースのアップグレードは多くの機能において必須ではありませんが、アップグレードしない場合、新しい機能は利用できません。
[ジオデータベースのアップグレード (Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを使用して、ファイル ジオデータベースまたはパーソナル ジオデータベースをアップグレードできます。このツールは、ArcGIS Desktop の [データベース プロパティ] ダイアログ ボックスまたは [データ管理ツール] ツールボックスから開くことができます。このツールまたはスクリプトを実行するには、アップグレードを実行するコンピューターに最新の ArcGIS Desktop、ArcGIS Engine、または ArcGIS Server をインストールしておく必要があります。
以下の手順に従って、ArcGIS Desktop から 9.3.1 以前のバージョンのファイル ジオデータベースまたはパーソナル ジオデータベースをアップグレードします。
- ArcMap を起動して [カタログ] ウィンドウを表示するか、ArcCatalog を起動します。
- アップグレード対象のファイル ジオデータベースまたはパーソナル ジオデータベースが格納されているフォルダーに接続します。
- データのバックアップをまだ作成していない場合、続行する前にジオデータベースのバックアップ コピーを作成します。
- ジオデータベースを右クリックし、[コピー] をクリックします。
- バックアップの格納先となるフォルダーを右クリックして、[貼り付け] をクリックします。
ジオデータベースのバックアップ コピーが取ってあれば、必要に応じて以前のバージョンのジオデータベースに戻すことができます。
- アップグレードするジオデータベースを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [General (一般)] タブをクリックします。
アップグレードが必要な場合には、[ジオデータベースのアップグレード] ボタンが有効になります。
[ジオデータベースのアップグレード] ボタンがアクティブになっていない場合は原因として、接続元クライアントがジオデータベースと同じバージョンであるか、ジオデータベースがアップグレード可能バージョンとしてサポートされていないことが考えられます。
- [ジオデータベースのアップグレード] ボタンをクリックします。
[ジオデータベースのアップグレード (Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールが開きます。[入力ジオデータベース] テキスト ボックスに、ジオデータベース ファイルの場所が入力されます。
- [前提条件を確認] および [ジオデータベースをアップグレード] をオンのままにし、[OK] をクリックします。
前提条件のチェックとアップグレードの進行を示すダイアログ ボックスが表示されます。処理中に何らかのエラーが発生した場合、そのエラーはこのダイアログ ボックス、およびシステムの GDBUpgrade<n>.log ディレクトリ内の TEMP に出力されます。
このツールで、ジオデータベースが読み取り専用であること、ジオデータベースに他のユーザーが接続していないこと、すべてのデータセットがオープン可能であることがチェックされます。ジオデータベースがこれらの要件を満たしている場合、アップグレードに進みます。ジオデータベースが要件を満たしていない場合、ツールは終了するので、前提条件を満たすように修正を行ってから [ジオデータベースのアップグレード (Upgrade Geodatabase)] ツールを再び実行する必要があります。
- アップグレードが完了したら、[閉じる] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。
以上の手順によりジオデータベースがアップグレードされます。
ジオデータベースに、ネットワーク データセットやパーセル ファブリックなどのアップグレードが必要なデータセットが含まれている場合は、個別にアップグレードする必要があります。これらのデータセットは必ずしもアップグレードする必要はありませんが、アップグレードしなかった場合、そのデータセットでは最新の機能にアクセスできなくなります。