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リレーショナル モデルに基づくジオデータベース格納

  • リレーショナル データベース管理システムにおける高度なオブジェクトおよび振舞いの実装
  • アプリケーション ロジックの実装方法

ジオデータベース格納モデルはデータベース管理システム モデルに基づいており、単純でありながら重要なリレーショナル データベースの一連の概念を利用しています。データベース管理システム (およびファイル ジオデータベースのファイル システム) は、テーブルの情報を格納したり操作する際に、単純かつ正式なデータ モデルを提供します。

これには、次の重要な概念が含まれます。

  • データは、テーブルに整理されます。
  • テーブルには行が含まれます。
  • テーブルの行はすべて同じ列を持ちます。
  • 各列には、整数、小数、文字、日付といったタイプがあります。
  • リレーションシップを使用して、1 つのテーブルの行を別のテーブルの行に関連付けます。各テーブルに共通している列が基準となります。
  • テーブルにはリレーションの完全性に関するルールがあります。たとえば、各行は必ず同じ列を共有したり、ドメインには列に対して有効な値や範囲値が指定されるなどのルールがあります。

リレーショナル データベースに格納されるエンタープライズ ジオデータベースには、他にも数多くの機能が適用されます。

  • テーブルとそれらのデータ エレメントを操作するために、SQL (Structured Query Language) という一連のリレーショナル関数および演算子が用意されています。
  • SQL 演算子は、整数、小数、日付、文字といった汎用性のあるリレーショナル データ タイプを操作できるよう設計されています。

たとえば、フィーチャクラスはデータベース管理システム テーブルとして格納されます。行はそれぞれ 1 つのフィーチャを表します。行の列はそれぞれ、フィーチャのさまざまな特徴やプロパティを表します。また、列の 1 つには、フィーチャ ジオメトリ (たとえば、ポイント、ライン、またはポリゴン座標) が格納されます。

シェープ フィールドでジオメトリ データの格納に使用される列タイプは、データベース管理システムによって異なりますが、通常は拡張空間タイプです。たとえば、ArcGIS がジオデータベースをサポートするすべてのデータベース管理システムでは、フィーチャを格納するために少なくとも 1 つの空間タイプを使用できます。空間タイプの使用により、SQL (空間タイプを定義している ISO (International Organization for Standardization) や OGC (Open Geospatial Consortium, Inc.) 標準に準拠) を使用して、 フィーチャにアクセスできるようになります。

SQL は、テーブル内の行、列、およびタイプに対して動作します。ArcGIS の他のアプリケーション ロジックは、より複雑なオブジェクトの振舞いや完全性の制約を実装するのに対し、データベースは、これらの単純なデータ タイプおよびテーブルを管理します。

リレーショナル データベース管理システムにおける高度なオブジェクトおよび振舞いの実装

開発者はアプリケーション コードを記述して、高度なオブジェクト、振舞い、およびロジックを実装することができます。たとえば、企業では次のように従業員テーブルを実装できます。

Last NameFirst NameHire DateSalary

Brown

Ben

10-10-2001

$10,000.50

Jones

Betty

06-14-1998

$22,000.00

Smith

Jason

08-23-1999

$44,000.75

Employees テーブル

Employees テーブルは、行と列を含んでいる単純なリレーショナル データ テーブルです。各列のデータは、文字、日付、数字などの特定のデータ タイプに準拠しています。データベースは、このレベルで情報を操作します。

ただし、この情報をただテーブルに追加しても、データベースは、給与または従業員の管理システムになりません。また、2 桁の小数位を持つ数字を格納する Salary 列を追加しても、データベースは会計システムになりません。高度なアプリケーション ロジックが必要です。

就業に関する業務のサポートに実装できるロジックの例としては、雇用や、昇給、退職、昇進、および福利厚生の管理の実装などが挙げられます。従業員や、その名前、給料、入社日をモデル化するビジネス オブジェクトはリレーショナル オブジェクトとして実装されません。このようなビジネス オブジェクトに振舞いや完全性を実装するには、より洗練され、特化されたアプリケーション ロジックが必要です。

同様のビジネス オブジェクトは GIS では一般的に適用されます。たとえば、トポロジ、ネットワーク、リニア リファレンス システム、テレインはすべて高度なオブジェクトであり、これらのオブジェクトを使用して、GIS の振舞いを、データベースに格納される単純な空間的な表現の上に実装します。

データベース管理システム アプリケーションと同様、テーブルに空間列タイプがあっても、それだけでは GIS アプリケーションとして十分ではありません。完全な地理情報システムを構築するには、両方のオブジェクト (単純なデータベース列タイプとトポロジなどのジオデータベース アプリケーション オブジェクト) が必要です。

アプリケーション ロジックの実装方法

高度なアプリケーションには、データベース層とは異なるアプリケーション層において、テーブルの行および列タイプを操作する実装が適していることが、多くのデータベース管理システムの実装事例によって示されています。たとえば、広く導入されている CIS (Customer Information System/顧客情報システム)、ERP (Enterprise Resource Planning/企業資源計画) システム、会計パッケージはすべて、高度なアプリケーション ロジックをアプリケーション層で実装しています。それにより、オープン性、拡張性、柔軟性、パフォーマンスの向上およびより充実したツール セットが提供されています。

これらのシステムでは、ユーザーはほとんどの操作でアプリケーション ロジックを通じてトランザクションを実行し、SQL (structured query language) を使用するのは一部の (それが適した) 操作に限られます。

アプリケーション ロジックはデータ層の上に分離して配置されているので、同じロジックをデータベース管理システム、ファイル、XML、その他のデータ格納に適用することもできます。これにより、より柔軟なアーキテクチャが実現されます。たとえば、ArcGIS のジオデータベース アプリケーション ロジックは、その他の多くの空間データ ソース (CAD データ、シェープファイル、MapInfo データ、Intergraph GeoMedia ファイル、Geography Markup Language (GML) ファイルなど) の操作にも使用されます。

この高度なロジックを実装する他の方法としては、データベース管理システムにストアド プロシージャおよびデータベース トリガーとして格納するか、データベースに拡張タイプとして格納する方法があります。

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