ここでは、[住所ロケーターのプロパティ] ダイアログ ボックスの [パフォーマンス] セクションに表示される各プロパティを説明します。
データ キャッシュ サイズ
これは、ロケーターの参照データをキャッシュするために、ロケーターが割り当てることのできる RAM の量 (メガバイト) です。データ キャッシュ サイズが大きくなり、メモリ内にキャッシュされるデータが多くなるほど、ジオコーディングの処理速度が上がります。
参照データのキャッシュに割り当てられるメモリの量を変更するには、次の手順に従います。
- [住所ロケーターのプロパティ] ダイアログ ボックスで [パフォーマンス] セクションを展開します。
- [データ キャッシュ サイズ] オプションの横にあるテキスト ボックスをクリックして、新しい数値をメガバイト単位で入力します。
- [OK] をクリックして設定を保存します。
入力テーブルの事前並べ替え (フィールド別)
これは、フィールド名による入力テーブルの並べ替え順序を決定します。ロケーターが大きい場合、ロケーター内にある参照データの一部は、アクセスを高速化するためにコンピューターのメモリにキャッシュされます。そのため、住所のテーブルを州名や郵便番号、都市名などのジオグラフィで並べ替えておくと、入力された住所を現在キャッシュ内にあるデータと高速に比較できるため、ジオコーディングの効率性が高まります。逆に、入力テーブル内のレコードを並べ替えず、住所が広いエリアにわたり散在している場合、ジオコーディングに時間がかかります。[入力テーブルの事前並べ替え (フィールド別)] オプションを使用すると、ジオコーディング プロセスは、指定されたフィールドに基づいてリアルタイムでレコードを並べ替えることができます。
- 事前並べ替えフィールドの設定を変更するには、[入力テーブルの事前並べ替え (フィールド別)] オプションの末尾にある [...] ボタン をクリックします。
[入力テーブルの事前並べ替え] ダイアログ ボックスが開きます。
- [入力住所フィールド] リストから並べ替えに使用するフィールドを選択し、[右矢印] ボタン をクリックして、そのフィールドを [並べ替え順] リストに追加します。
[並べ替え順] リスト内のフィールド名は、レコードが並べ替えられる順序に表示されます。フィールドの並び順序を変更するには、リスト内のフィールド名をクリックし、上矢印 ボタンまたは 下矢印 ボタンを使用して、リスト内で名前を上下に移動させます。
- [OK] をクリックして、[入力テーブルの事前並べ替え] ダイアログ ボックスを閉じます。
事前並べ替え用キャッシュ サイズ (レコード数)
これは、事前に並べ替えるためのキャッシュ内のレコード数です。このオプションは、[入力テーブルの事前並べ替え (フィールド別)] オプションに入力テーブルのフィールドが指定されている場合のみ適用されます。事前並べ替え用キャッシュ サイズによって、入力テーブルのデータのサブセットが定義され、コンピューター メモリ内にキャッシュされます。これらのレコードが並べ替えられ、ジオコーディングされます。テーブルを完全に処理するまで、このプロセスがデータのサブセットに対して繰り返されます。
[住所ロケーターのプロパティ] ダイアログ ボックスで事前並べ替え用キャッシュ サイズを変更するには、次の手順に従います。
- [キャッシュ サイズの事前並べ替え (レコード数別)] オプションの横にあるテキスト ボックスをクリックして、事前並べ替え用にキャッシュするレコード数を入力します。
- [OK] をクリックして設定を保存します。
スレッド数
この設定は、バッチ ジオコーディングに使用されるスレッド数を表します。ジオコーディングのパフォーマンスを向上させるには、複数のスレッドを使用することをお勧めします。能力は、利用可能なプロセッサの数によって決まります。プロパティを [自動] に設定すると、自動的に決定されます。
コンポジット ロケーターのマルチスレッディングは、参加する各ロケーターの設定によって決定されます。参加するロケーターとコンポジット ロケーターは同じファイル フォルダー内に存在する必要があります。参加する各ロケーターは、事前に定義された独自の数のスレッドを作成します。
マルチスレッディング オプションは、ArcGIS Server 上で実行されるジオコーディング サービスとして公開されたロケーターにも適用されます。
候補の最大数
これは、対話型の照合または再照合で返される候補の最大数です。最大数の候補が返されると、検索が停止します。
完全一致候補の最大数
これは、対話型の照合または再照合で返される完全一致候補 (スコア 100) の数です。最大数の完全一致候補が返されると、検索が停止します。
検索タイムアウト
この値は、候補の検索のタイムアウトを秒単位で設定します。非常に広いエリアをカバーし、類似コンテンツの候補が多数含まれているロケーターの場合、「100 Main Street」など特定のゾーン情報がない一般的な住所は、検索に時間がかかります。検索タイムアウトを設定すると、結果を取得するまで待機する時間を制限できます。ただし、タイムアウトによって検索が完了前に停止する場合があるため、潜在的な候補が見落とされ、最適な場所が見つからない可能性があります。検索の効率性を高めるために、住所情報をより明確に入力することをお勧めします。
表示される候補の最大数
ジオコーディング REST API でmaxSuggestions操作の suggest パラメーターを使用している際に、ユーザーからのリクエストが多い場合でも返される、表示される候補の最大数です。このプロパティは、この機能が有効になっているジオコード サービスとして公開された、候補の表示をサポートしているロケーターの場合にのみ使用できます。