ArcGIS で作成されるメタデータは、ArcGIS のメタデータ形式で格納されます。これに含まれる情報は、現在の ArcGIS のメタデータのスタイルに関連付けられているメタデータ標準のガイドラインに従って作成されます。
ArcGIS のメタデータは、ArcGIS 以外で使用できるように設計されていません。ArcGIS 以外でメタデータを提供する必要がある場合は、アイテムのメタデータを標準のメタデータ XML 形式にエクスポートし、エクスポートした XML ファイルを共有します。さまざまなジオプロセシング ツールを使用して、さまざまな方法で ArcGIS のメタデータをエクスポートできます。
XSLT 変換 (XSLT Transformation)
[XSLT 変換 (XSLT Transformation)] を使用すると、XSLT 1.0 スタイルシートを使用する XML ファイルを変換できます。このツールは、メタデータの処理に使用できるだけではなく、XML ファイルでも使用できます。
エクスポート ツールとしては、このツールは、一般的に、GIS リソースを示す外部の Web サイトに掲載できる HTML ファイル、または参考のために印刷できる HTML ファイルに ArcGIS メタデータをエクスポートするために使用されます。XSLT スタイルシートでテキスト ファイルを生成することもできますが、メタデータをこの方法でエクスポートすることは、あまり一般的に行われていません。
XSLT を使用して、ArcGIS メタデータをフィルターまたは変更し、その結果を ArcGIS 以外で使用できる XML ファイルとしてエクスポートすることも、他のメタデータ ジオプロセシング ツールでエクスポートすることもできます。たとえば、メタデータ カタログに公開する前に、組織の外部で共有されることが望ましくないコンテンツを除外できます。これにより、アイテムの元の情報ではなくフィルターしたメタデータが公開されます。
ArcGIS Desktop では、さまざまな形式でメタデータをエクスポートするために使用できるいくつかの XSLT スタイルシートが用意されています。
メタデータのエクスポート (Export Metadata) とメタデータのエクスポート (マルチプル) (Export Metadata Multiple)
[メタデータのエクスポート (Export Metadata)] ツールと [メタデータのエクスポート (マルチプル) (Export Metadata Multiple)] ツールは、ArcGIS のメタデータをスタンドアロンのメタデータ XML ファイルにエクスポートします。これらのツールは、一般的に、エクスポートしたファイルをメタデータ カタログに公開するために使用されます。これらのツールにより、ArcGIS アイテムのメタデータがエクスポートされる前に処理および更新されます。エクスポートされたファイルの構造は、メタデータ標準の XML スキーマまたは DTD に基づいて決定されます。
[メタデータのエクスポート (Export Metadata)] は 1 つの ArcGIS アイテムのメタデータをエクスポートするために使用し、[メタデータのエクスポート (マルチプル) (Export Metadata Multiple)] は複数の ArcGIS アイテムのメタデータを一度にエクスポートするために使用します。
これらのツールのダイアログ ボックスを開く方法にはいくつかあります。ツールで使用されるデフォルト値は、ツールを開いた方法によって異なることがあります。
- 各ツールは、[System Toolboxes] フォルダー内の [変換] ツールボックスを開いて、直接 「[カタログ] ウィンドウで実行される」と言います。から開くことができます。この方法で開く場合、[トランスレーター] パラメーターはあらかじめ定義されていません。
- 各ツールは、[変換] ツールボックスを開いて [ArcToolbox] ウィンドウから開くことができます。この方法で開く場合、[トランスレーター] パラメーターはあらかじめ定義されていません。
- [検索] ウィンドウで、「export metadata」という検索条件を使用してツールを検索すると、検索結果には [メタデータのエクスポート (Export Metadata)] ツールと [メタデータのエクスポート (マルチプル) (Export Metadata Multiple)] ツールが含まれます。検索結果にあるツール名をクリックして、ツールを開きます。[トランスレーター] パラメーターはあらかじめ定義されていません。
- アイテムのメタデータを表示し、[説明] タブの [エクスポート] ボタンをクリックします。[トランスレーター] パラメーターは、現在の ArcGIS メタデータのスタイルに対応する値に設定されます。
- ArcCatalog の [メタデータ] ツールバーで [メタデータのエクスポート] ボタンをクリックします。[トランスレーター] パラメーターは、現在の ArcGIS メタデータのスタイルに対応する値に設定されます。
Esri メタデータ トランスレーター (Esri Metadata Translator)
[Esri メタデータ トランスレーター (Esri Metadata Translator)] ツールは、ArcGIS のメタデータをメタデータ標準の XML スキーマに準拠するようにフォーマットされている XML ファイルにエクスポートします。追加の処理は実行されません。一般的に、最適な結果を得るには、[Esri メタデータ トランスレーター (ESRI Metadata Translator)] ツールを直接使用する代わりに [メタデータのエクスポート (Export Metadata)] ツールを使用してください。
USGS MP メタデータ トランスレーター (USGS MP Metadata Translator)
[USGS MP メタデータ トランスレーター (USGS MP Metadata Translator)] ツールは、mp と呼ばれるメタデータ構文解析プログラム ユーティリティを使用してメタデータを変換します。mp ユーティリティは、USGS によって作成および管理されています。mp は Esri のユーティリティではありません。ArcGIS Desktop には、このユーティリティの 1 つのバージョンが付属しています。
このツールが入力として受け入れるメタデータは、Federal Geographic Data Committee (FGDC) Content Standard for Digital Geospatial Metadata (CSDGM) の XML 形式に従う XML エレメントを含むメタデータだけです。このコンテンツがアイテムのメタデータにある場合は、アイテムのメタデータにフル アクセス可能なメタデータ スタイルを使用しているときに、[説明] タブの [FGDC メタデータ (読み取り専用)] の見出しの下に表示されます。
たとえば、ArcGIS アイテムに ArcGIS Desktop 9.3.1 またはそれ以前の ArcGIS Desktop で FGDC メタデータ エディターを使用して作成されたメタデータがあり、このアイテムのメタデータが ArcGIS のメタデータにアップグレードされている場合、その ArcGIS のメタデータには引き続き元の FGDC メタデータの XML エレメントが含まれます。この例では、このツールは、アップグレードされた ArcGIS メタデータ コンテンツではなく、アイテムの元の FGDC メタデータだけをエクスポートします。
同様に、このツールは、ArcGIS 以外で FGDC CSDGM のメタデータ形式に従って作成されたスタンドアロンのメタデータ XML ファイルを変換するために使用できます。
ツールの [変換タイプ] パラメーターによって、メタデータがエクスポートされる形式が決定されます。この情報は、2 つの異なる HTML 形式、2 つの異なるテキスト形式、SGML (Standard Generalized Markup Language) 形式、および XML 形式でエクスポートできます。このツールによってエクスポートされる XML ファイルには、FGDC CSDGM の XML エレメントしか含まれません。したがって、アイテムのメタデータに存在する FGDC XML エレメントは、別の XML ファイルにコピーされます。このツールを使用して、FGDC テキスト ファイルを FGDC XML ファイルに変換することはできません。