ArcPress を使用して印刷する

ArcPress プリンター エンジンは、大きく複雑なマップを処理するのに十分なリソースがないプリンターで、そのようなマップを印刷するために設計されています。また、Windows プリンター エンジンで処理できないマップを印刷するときにも役に立ちます。

プリンター エンジンとしての ArcPress の選択

マップを印刷するときは、次に示すように [印刷] ダイアログ ボックスで ArcPress を印刷エンジンとして選択することができます。

プリンターに適した ArcPress ドライバーの選択

ArcPress には、さまざまな業界標準プリンターをサポートする特定のドライバーが搭載されています。ArcPress プリンター エンジンは、サポートできるプリンターのセットを用意しており、お使いのプリンター モデル名に基づいて ArcPress プリンター ドライバーを自動的に選択します。ArcMap がプリンターに一致する ArcPress ドライバーを自動的に検出できない場合は、ArcPress ドライバーの選択画面が表示されます。ただし、最も大判のプリンターに適した ArcPress ドライバーが、自動的に選択されています。

どのドライバーを選択すればよいかわからない場合は、プリンター ベンダーのマニュアルでサポートされているラスター言語を確認してください。たとえば、多くのメーカのプリンターは HP RTL 言語をサポートしているので、ArcPress HP RTL ドライバーを選択できます。また、[ArcPress プロパティ] ダイアログ ボックスからドライバーを選択するときに表示されるヒントは、適切なドライバーを判断するのに役立ちます。

ベンダーは新しいプリンターとドライバーを定期的にリリースします。Esri は、それに合わせてプリンターとドライバーのサポートに関する技術情報記事の索引を「Which printers are supported with ArcGIS Desktop and the ArcPress Printer Engine」のページで提供しています。

色パラメーターの変更

ほとんどの場合、ArcPress は最初の印刷時に適切な色を選択しますが、ArcPress の [色調整] ダイアログ ボックスのオプションを使用して、マップ出力の外観を変更することもできます。マップ ドキュメントを保存するときに [プリンターの用紙設定を使用] オプション ([ページ設定/印刷設定] ダイアログ ボックスで設定します) をオンにした場合、これらの設定はマップ ドキュメントとともに保存されます。

ArcPress の [色調整] ダイアログ ボックスには、一般的に使用されている色補正パラメーターのスライダーがあります。

• ガンマ - 中間トーンの強度に影響しますが、黒や白には影響しません。ガンマ値を増加すると、色が全体的に明るくなります。2.2 のデフォルト設定では何も変化しません。
• 明るさ - 画像の全体的な強度に影響し、中間トーンだけでなく、黒と白にも影響します。デフォルト設定の 0% では何も変化しません。
• コントラスト - 画像の明るい部分と暗い部分の差に影響します。コントラストの値を増やすと、フィーチャがよりくっきりとしますが、色や影の小さな変化が失われることがあります。デフォルト設定の 100% では何も変化しません。
• 彩度 - 色の鮮明さに影響します。彩度を上げると、より活気のある仕上がりになりますが、彩度を上げすぎると色がひどく誇張されることがあります。デフォルト設定の 100% では何も変化しません。

ArcPress の出力解像度を設定する

解像度 (ドット/インチまたは dpi で測定) は、印刷ジョブを構成するために使用するドットのサイズです。一般に、解像度を上げると出力の鮮明さが (最終的には 1 つのポイントまで) 向上します。高い出力解像度の使用は、次のような重要なトレードオフを伴います。

• 高い dpi 値を選択すると、通常、印刷の処理時間および印刷に要する時間が長くなります。
• 指定した dpi よりもプリンターの dpi の方が低い場合があるため、解像度を高めても印刷の質が上がるとは限りません。

[出力画像の品質] コントロールで示されているリサンプリング率は、プリンターの選択されている解像度に対する、出力でのラスター コンテンツの有効解像度を決定します。

HP Universal ドライバーと Epson Universal ドライバーに対するプリンターの設定

高度のプリンターとドライバーでは多くの場合、解像度を設定し、プリンターのドライバーごとに色を個別に設定することができます。これらのオプションは、印刷の目的や内容に最適な印刷品質オプションを使用して、変更することができます。以下に、調整できるいくつかのアイテムの概要を示します。

• メディア タイプ: サポートされているプリンター モデルでは、プリンターにロードされるメディア タイプを選択することができます。一部のプリンターでは、このオプションを ArcPress から設定できず、プリンターのフロント パネルで選択した設定が使用されます。
• 印刷品質(HP Universal ドライバーの場合) : 印刷品質、モード、メディア タイプ設定は、プリンター ジョブのラスターライザーの解像度や出力解像度に影響します。CAD モードは、線画やベクター データ用です。グラフィックス モードは、ラスター データに使用されます。
• 印刷品質(HP Universal ドライバーの場合) : 印刷品質、モード、メディア タイプ設定は、プリンター ジョブのラスターライザーの解像度や出力解像度に影響します。最善の結果を得るために、プリンターにロードされたメディアの種類に応じて、適切なメディア タイプを選択してください。
• インク タイプ (Epson Universal ドライバーの場合のみ) : サポートされているプリンター モデルでは、プリンターにロードされるインク タイプをここで選択することができます。プリンターにロードされたメディアの種類に応じて、適切なインク タイプを選択してください。不適切な設定を行うと、プリンターの出力時にエラーが発生することがあります。

ArcPress 印刷のためのコンピューターの設定

次に示す環境設定は、ArcMap からうまく印刷するのに役立ちます。

• 大きいマップまたは複雑なマップを印刷できない場合は、コンピューターを再起動して、ページファイル システムを削除してください。ページファイル システムを専用ドライブまたは専用パーティションに配置していない場合は、ドライブが最適化 (デフラグ) されているか確認してください。
• %TEMP% が配置されるドライブ上に、10 GB 以上の空きスペースが必要です。ArcPress プリンター エンジンが印刷のためにマップを処理するときに、大きな一時ファイルがこのドライブに書き込まれます。