概要
ラスター データを表すバイナリ浮動小数点数値のファイルをラスター データセットに変換します。
使用法
入力ファイルは、IEEE 浮動小数点形式 32 ビットの符号付きバイナリ ファイルです。
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拡張子 *.flt を持つバイナリ浮動小数点ファイル (<in_float_file>.flt) と拡張子 *.hdr を持つ ASCII ヘッダー ファイル (<in_float_file>.hdr) の 2 つの入力が必要です。*.flt ファイルだけを指定することもできますが、その場合は同じディレクトリ内に同じファイル名の *.hdr ファイルがすでに存在している必要があります。
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ASCII ファイルは、一連のキーワードを含むヘッダー情報から構成されます。
ASCII ファイルの構造には 2 つの種類があります。原点は、左下側セルの左下隅の座標によって識別されるか、左下側セルの中心として識別されます。
通常、ファイルの形式は以下のとおりです。
NCOLS xxx NROWS xxx XLLCORNER xxx YLLCORNER xxx CELLSIZE xxx NODATA_VALUE xxx BYTEORDER <MSBFIRST | LSBFIRST>キーワードの定義は以下のとおりです。
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NCOLS と NROWS は、バイナリ ファイルによって定義されるラスターのカラムの数とロウの数です。
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XLLCORNER と YLLCORNER は左下側セルの左下隅の座標です。
XLLCENTER と YLLCENTER を使用して、原点を左下側セルの中心の座標で指定することもできます。
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CELLSIZE はラスターのセル サイズです。
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NODATA_VALUE は NoData セルを表す値です。
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BYTEORDER は、バイナリ ファイルが生成されたシステム上にマルチバイトのバイナリ数値がどのような状態で格納されているかを表します。Intel CPU ベースのシステムでは、バイト オーダーは LSBFIRST(リトル エンディアンとも呼ばれる) になります。その他の大部分のアーキテクチャ (Alpha を除くほとんどの UNIX システム、Motorola CPU 搭載の旧モデルの Macintosh) では、バイト オーダーは MSBFIRST(ビッグ エンディアンとも呼ばれる) になります。
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NODATA_VALUE は、出力ラスター内のどのセルに NoData 値を割り当てるかを判別する、入力ファイル内の値です。NoData は通常、true の値が不明であるセル用に予約されています。
浮動小数点バイナリ ファイル内には、値がバイナリ 32 ビット符号付き浮動小数点数として書き込まれます。このファイルの最初のレコードは、ラスターの最初の行と対応しています。左から右へと順に、最初の 32 ビットは最初のセルに対応していて、次の 32 ビットは 2 番目のセルに対応しています。以降の 32 ビットもそれぞれ末尾のレコード (行) まで同様に対応しています。これは、2 番目のレコード (ラスターの 2 番目の行) から最後のレコード (ラスターの一番下の行) まで繰り返されます。
このツールは、左下側セルの左下隅および中心の両方に対して原点の判別をサポートしています。[ラスター → 浮動小数点ファイル (.flt) (Raster to Float)] は、原点を左下側セルの左下隅としてのみ書き込みます。
出力ラスターが作成されたら、[投影法の定義 (Define Projection)] ツールを使用して適切な座標系を設定します。
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このツールには、特定のラスター格納環境が適用されます。
ピラミッド環境設定では、[ピラミッド構築] の設定のみが使用されます。その他のピラミッド環境の設定は無視されます。以降の手順で [ピラミッド構築 (Build Pyramids)] ツールを使用して、ピラミッドの性質をさらに制御できます。
圧縮環境設定では、圧縮のタイプのみが使用されます。これは、Esri Grid 以外のラスター形式にのみ該当します。
構文
arcpy.conversion.FloatToRaster(in_float_file, out_raster)
| パラメーター | 説明 | データ タイプ |
in_float_file | 入力の浮動小数点バイナリ ファイル このファイルには *.flt 拡張子を付ける必要があります。浮動小数点バイナリ ファイルに関連付けられている *.hdr 拡張子付きヘッダー ファイルが必要です。 | File |
out_raster | 作成する出力ラスター データセット。 ジオデータベースに保存しない場合、TIFF ファイル形式には *.tif、CRF ファイル形式には *.CRF、ERDAS IMAGINE ファイル形式には *.img を指定します。Esri Grid ラスター形式には拡張子を指定しません。 | Raster Dataset |
コードのサンプル
FloatToRaster (浮動小数点ファイル → ラスター) の例 1 (Python ウィンドウ)
ラスター データを表すバイナリ浮動小数点数値のファイルをラスター データセットに変換します。
import arcpy
arcpy.FloatToRaster_conversion("c:/data/elevation.flt", "c:/output/elev")
FloatToRaster (浮動小数点ファイル → ラスター) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)
ラスター データを表すバイナリ浮動小数点数値のファイルをラスター データセットに変換します。
# Name: FloatToRaster_Ex_02.py
# Description: Converts a file of binary floating-point values representing
# raster data to a raster dataset.
# Import system modules
import arcpy
# Set local variables
inASCII = "c:/data/elevation.flt"
outRaster = "c:/output/elev02"
# Execute FloatToRaster
arcpy.FloatToRaster_conversion("c:/data/elevation.flt", "c:/output/elev02")
環境
ライセンス情報
- Basic: はい
- Standard: はい
- Advanced: はい