Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
[加重合計 (Weighted Sum)] ツールを使用すると、複数の入力に重みを付けて合計することで、統合解析を実行できます。このツールでは、複数のファクターを表す複数のラスター入力を、重みまたは相対的な重要度を組み込んで簡単に統合できます。
加重合計 (Weighted Sum) と加重オーバーレイ (Weighted Overlay) の比較
[加重合計 (Weighted Sum)] ツールは、まず、各入力ラスターの指定されたフィールド値を、指定された重みで乗算します。次に、すべての入力ラスターを合計して出力ラスターを作成します。
[加重合計 (Weighted Sum)] ツールは、[加重オーバーレイ (Weighted Overlay)] ツールに似ています。これらのツールには、2 つの大きな違いがあります。
- [加重合計 (Weighted Sum)] ツールは、再分類された値を評価スケールに戻しません。
- [加重合計 (Weighted Sum)] ツールでは浮動小数値と整数値を使用できますが、[加重オーバーレイ (Weighted Overlay)] ツールで入力として使用できるのは整数ラスターのみです。
再分類された値を評価スケールに戻さないことで、解析の解像度が維持されます。たとえば、適合性モデルでは、1 ~ 10 のスケール (10 が最適) に再分類された 10 の入力条件があり、重みが割り当てられていない場合、[加重合計 (Weighted Sum)] ツールの出力の値は 10 ~ 100 になります。[加重オーバーレイ (Weighted Overlay)] ツールは、同じ入力について、10 ~ 100 の再分類された解析の範囲を評価スケール (たとえば、1 ~ 10 のスケール) に正規化します。[加重合計 (Weighted Sum)] ツールでモデルの解像度を維持することは、少数のより適性なロケーションのみを特定したい場合や特定の数の候補地のみを特定したい場合に役立ちます。
一般的に、連続ラスターの値はカテゴリ別にグループ化されます。たとえば、傾斜角の値は「平ら」、「中程度」、「急」、および「最大」にグループ化できます。各傾斜角の値をこれらのカテゴリのいずれかに割り当てることができ、そのカテゴリにはオーバーレイ解析の条件を基準とする相対的なクラスの嗜好を示す再分類値を割り当てることができます。そのようなラスターを再分類するには、[再分類 (Reclassify)] ツールを使用できます。
[加重オーバーレイ (Weighted Overlay)] ツールは、適合性モデリングに最も一般的に使用されます。確実に正しい方法論が使用されるようにするためには、このツールを使用する必要があります。[加重合計 (Weighted Sum)] ツールは、モデルの解像度を維持したい場合、または浮動小数点の出力や 10 進数の重みが必要な場合に役立ちます。
ツールの使用
[加重合計 (Weighted Sum)] ツールを実行するためのステップは、次のとおりです。
- ラスターを追加します。
[入力ラスター] 矢印をクリックして入力ラスターをクリックするか、入力ラスターを参照し、[追加] をクリックします。ラスターが加重合計テーブルに追加されます。同じ手順を繰り返して次のラスターを追加し、必要に応じてさらにラスターを追加します。
- フィールドを選択します。
入力ラスターごとに、フィールドの列をクリックして、オーバーレイ解析で使用するフィールドを指定します。入力に対して有効なすべてのフィールドを表示するドロップダウン リストが表示されます。このフィールドは数値フィールドである必要があります。
- 入力ラスターに重みを割り当てます。
各入力ラスターには、その重要度に基づいて、重みを付けたり、影響度を割り当てたりできます。入力ラスターごとに、重みの列をクリックして、値を指定します。重みには、任意の浮動小数値を使用できます (負の値も含む)。
- ツールを実行します。
各入力ラスターのセル値がラスターの重みで乗算されます。結果として得られたセル値が合計され、出力ラスターが生成されます。