Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
パーセル ファブリック アジャストは、選択したパーセルに対して実行されます。アジャスト エンジンは、パーセル ライン上のディメンションおよびコントロール ポイントを併用して、ネットワーク内のすべてのパーセル ポイントに対して統計的に最も可能性の高い座標位置を特定します。
アジャストの過程で、各土地区画ラインのライン ジオメトリについてより正確な位置を測定し、より正確に表現できるようになります。元の土地区画ライン ディメンション(属性)は変更されません。ディメンションのジオメトリック空間表現(パーセル ライン形状)は、新規にアジャストされた座標に基づいて更新されます。
パーセル ファブリック アジャストを実行するには、最低 2 つのアクティブ コントロール ポイントが必要です。コントロール ポイントは、パーセル ファブリックへインポートしたり、編集セッションで手動で挿入したりすることができます。
アジャストを実行する前に、コントロール ポイントの適合確認を実行することをお勧めします。適合確認の残差は、パーセル ネットワークがコントロール ネットワークとどのように適合しているかを示します。パーセル ラインは、アジャストで少なくとも適合確認の残差の量だけはアジャストする必要があります。そのため、適合確認の残差は、[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスでアジャスト許容値を設定するときの指針として利用できます。たとえば、コントロール ネットワークをパーセル ネットワークから 20 フィートだけオフセットすることがありますが、正しくアジャストを行うために 20 フィートのアジャスト許容値は必要ありません。
アジャスト許容値
ファブリックの最小二乗アジャストを実行する前に、[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスでアジャスト許容値を指定する必要があります。
アジャスト許容値により、パーセル ファブリック アジャストで許される移動量(アジャスト)が決まります。一般に、データの正確性と信頼性が高いほど、必要とされるデータのアジャストは少なくなりますので、許容値を小さくすべきです。
[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [方位角残差] 許容値と [距離残差] 許容値によって、アジャストが成功するかどうかが決まります。残りの許容値は、情報提供のために設定されます。
方位角残差
アジャストされたライン形状から計算された方位角と、元の記録されたラインの方位角の間の許される最大の差(残差)。ラインの方位角残差が指定した許容値よりも大きい場合、そのラインはアジャスト サマリに表示されます。方位角残差が指定した許容値の 3 倍を上回る場合、そのアジャストは失敗します。
距離残差
アジャストされたライン形状から計算された長さと、元の記録されたラインの距離の間の許される最大の差(残差)。ラインの距離残差が指定した許容値よりも大きい場合、そのラインはアジャスト サマリに表示されます。距離残差が指定した許容値の 3 倍を上回る場合、そのアジャストは失敗します。
ライン ポイントのオフセット
ライン ポイントとそれに隣接するパーセル ラインの間の許される最大距離。ライン ポイントとそれに隣接するパーセル ラインの距離が指定した許容値よりも大きい場合、そのライン ポイントはアジャスト サマリに表示されます。
範囲内の近接ポイント
相互に接続されていない、つまり間にラインがない 2 つのポイント間の許される最大距離。2 つのポイント間の距離が指定した許容値よりも小さい場合、それらのポイントはアジャスト サマリに表示されます。
この許容値は、1 つのポイントにマージすべき重なったポイントを識別するときに便利です。
ライン ポイントの使用
このオプションをオンにしている場合、ライン ポイントの位置はアジャストの結果に影響を与えます。ライン ポイントに接続したラインと隣接する直線間の角度差から式が生成され、アジャストで使用されます。
エラーのあるライン ポイント、つまりライン ポイントによって許容値の範囲外でアジャストしているラインを検出するために、このオプションをオンにすることをお勧めします。解析の目的で、このオプションをオフにしておくこともできます。このオプションをオフにすると、ライン ポイントは隣接するパーセル ライン上に強制的に配置されないため、スリバーとギャップが生じる可能性があります。さらに、このオプションをオフにすると、[範囲内にあればライン ポイントをライン上に配置] オプションが使用できなくなるため、アジャスト処理の間に隣接するラインからドリフト オフしたライン ポイントをライン上に戻すことができなくなります。
結合の間に、ライン ポイントの位置に合わせて直線を曲げていた場合、そのラインは元のディメンションまで直線に戻されます。ライン ポイント(およびそのライン ポイントに接続されたライン)は、ラインのアジャストが許容値内にあれば、直線に対してアジャストされます。ライン ポイントまでラインを曲げたままにしておくには、[オフセットを超えるライン ポイントに合わせてラインを曲げる] オプションをオンにします。ライン ポイントとの距離が、曲げられるラインに対して指定された許容値よりも離れているラインは、ライン ポイントまで曲げられます。
アジャストでの依存ラインの使用
多くの場合、依存ラインはパーセル境界に依存するパーセル ラインのタイプ(たとえば、地役権を示すラインなど)を表すために使用されます。ほとんどの場合、依存ラインはパーセルの境界線に従い、これらに依存します。このオプションをオフにしている場合、依存ラインのディメンションはアジャスト処理に関与せず、影響をおよぼしません。アジャストの完了後、依存ラインはパーセルに適用されたアジャストと同じ量だけアジャストされます。このオプションをオンにしている場合、依存ラインのディメンションはアジャストに関与し、アジャストの結果に影響をおよぼします。
アジャストの後処理
アジャストが完了した後、ジオメトリの制約を適用するために後処理が施される場合があります。これには、ライン ポイントおよび直線の強化が含まれます。
範囲内ならライン ポイントをラインに戻す
アジャスト処理の間に、ライン ポイントが隣接するパーセル ラインからずれるようにラインをアジャストすることがあります。ライン ポイントがライン ポイントの強制に対する許容値の範囲内にあるときは、アジャスト処理の完了後に、パーセル ライン上に戻されます。許容値の範囲外である場合、警告メッセージがアジャスト レポートに書き込まれます。
間口の直線化
区画計画の中で複数の区画が隣り合わせで一列に並んでいる場合、すべての区画の道路側ライン(あるいは奥側ライン)が一直線上に揃っていることが、しばしば要求されます。一連のラインが間口(カテゴリ 5)に分類される場合は、この許容値を使用して、それらのラインが同一線上であることを保証できます。間口ラインは、方位角の差が指定された許容値(長さと秒)を下回れば、一直線上に揃えられます。
アジャストの実行
パーセル ファブリック アジャストは、最大および平均の座標シフトが 0.0 になるか、変わらなくなるまで繰り返し実行してください。
アジャストを繰り返し実行するたびに、アジャストの反復が実施されます。アジャストの反復は [座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [実行] をクリックするか、[最小二乗アジャスト サマリ] ダイアログ ボックスの [了解] をクリックして実行します。[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [実行] をもう一度クリックすると、アジャストをもう一度反復できます。[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスで [OK] をクリックすると、アジャストが完了し、それ以上反復されません。アジャストが最適な解に収束すると、最大および平均の座標シフトが 0.0 になるか、変化しなくなります。
パーセル ファブリック アジャストを実行するには、次の手順に従います。
- 編集セッションでアジャストしたいパーセルを選択し、[パーセル エディタ] > [アジャスト] の順に選択して [座標のアジャスト] ダイアログ ボックスを開きます。
- 適切な許容値を入力し、[実行] をクリックします。後処理のオプションはオフのままにします。
- アジャスト サマリに問題がなければ、[最小二乗アジャスト サマリ] ダイアログ ボックスで [了解] をクリックします。
- アジャストが収束しない場合は、再度アジャストを実行し、[了解] をクリックして、アジャストを反復します。
- アジャストが収束したら、もう一度アジャストを実行し、後処理の許容値を指定します。
- [座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [OK] をクリックし、アジャストを適用します。