Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
選択したパーセルに対してパーセル ファブリック アジャストの実行が完了すると、[最小二乗アジャスト サマリ] ダイアログ ボックスにアジャスト結果のサマリが表示されます。アジャストが正常に完了すると、[最小二乗アジャスト サマリ] ダイアログ ボックスの最上部に「調整が完了しました」というメッセージが表示されます。
アジャストが正常に完了しなかった場合は、アジャスト レポートに「アジャストに失敗しました」というメッセージが出力されます。アジャストに失敗した理由は、統計レポートの下に示されます。
[結果ファイル] クリックして、アジャスト サマリを表示し、テキスト ファイルとして保存します。
アジャストの設定
アジャストが正常に完了すると、アジャストの入力パラメータに関する情報が [アジャスト設定] の下に表示されます。これらのパラメータには、データの座標系、方位角と距離に使用される許容値などがあります。
アジャストの統計サマリ
アジャストが正常に完了すると、アジャストに関する統計情報が [アジャストの統計サマリ] の下にリスト表示されます。このリストには、使用されたコントロール ポイントの数、アジャストされたパーセルの数、座標の残差、およびネットワークの冗長性に関する情報が含まれます。
指定された許容値の範囲外でアジャストが行われたラインの数、および見つかった近接ポイントとライン ポイントの数について、概要を手早く確認することもできます。[最小二乗アジャストのサマリ] ダイアログ ボックスで下方に進むと表示されるパーセル ライン レポート、近接ポイント レポート、およびライン ポイント レポートには、許容値を超えるデータに関する詳細が示されます。
不明の数および冗長性
不明の数として示される値は、アジャストによって処理する必要がある実際の作業の指標です。ファブリック内のポイントごとに、不明な要素は 2 つあります(X 座標の補正と Y 座標の補正)。ファブリック ポイント座標の補正の他に、パーセル回転補正も存在し、この補正も不明な要素です。
パーセル ラインの方位角と距離は、アジャストにおいては既知の要素です。それぞれの方位角、それぞれの距離に対して、式が生成されます。パーセル ライン上にライン ポイントが存在する場合は、そのラインに対して 2 つの方位角が生成されます。これが、方位角の数が距離の数よりも多い理由です。次に示す例では、この特定のアジャストに対する方位角の数は 1,832、距離の数は 1,482、未知の数は 1,177 です。
冗長性は、方位角の数と距離の数の和から未知の数を引いた値です。たとえば、前述の例では、冗長性は 1,832 + 1,482 - 1,177 = 2,137 です。冗長性が未知の数より大きい場合は、最小二乗アジャストによって最適解を決定でき、これらのラインには統計的に推測されたものとしてフラグが立てられます。冗長性が未知の数以下である場合、最小二乗アジャストを適切に実行することはできず、最適解は決定できません。前述の例では、パーセル ネットワークの条件は良く、冗長性は未知の数のほぼ 2 倍です。
座標の残差
[アジャストの統計サマリ] には、座標シフトの統計も表示されます。最大の座標シフトが生じたポイントが、すべてのポイントの平均座標シフトとともにリストされます。
アジャストは、最大および平均の座標シフトが 0.0 になるか、変わらなくなるまで繰り返し実行してください。
アジャストを繰り返し実行するたびに、アジャストの反復が実施されます。アジャストの反復は [座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [実行] をクリックするか、[最小二乗アジャスト サマリ] ダイアログ ボックスの [了解] をクリックして実行します。[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [実行] をもう一度クリックすると、アジャストをもう一度反復できます。[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスで [OK] をクリックすると、アジャストが完了し、それ以上反復されません。アジャストが最適な解に収束すると、最大および平均の座標シフトが 0.0 になるか、変化しなくなります。
近接ポイントのレポート
近接ポイント サマリは、指定された許容値よりも互いに接近していて、相互間にディメンション(ライン)が存在しないポイントを示します。近接ポイントは、単一の共通ポイントにマージできる可能性が高いポイントを適切に示す指標です。
ライン ポイントのレポート
ライン ポイント サマリは、ラインからずれている距離が、指定された [ライン ポイントのオフセット] の許容値を超えているライン ポイントを示します。隣接したパーセル ラインから大幅にずれているライン ポイントは、データが不正確であることや、パーセルの結合が不適切であることを示しています。
ライン ポイント処理
ライン ポイント処理は、アジャスト処理の間にライン ポイント(およびそのライン)がどのように処理されるかを報告します。これは、アジャスト処理後のライン ポイントの処理(後処理)とは異なります。ライン ポイント処理は、[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスで [オフセットを超えるライン ポイントに合わせてラインを曲げる] オプションを選択している場合に報告されます。
ライン ポイントとラインの距離が、曲がったラインに指定された許容値よりも近い場合、そのライン ポイントはライン上に移動され、ライン ポイントまで曲げられていたラインはすべて直線化されます。ラインとライン ポイントの距離が、曲がったラインに対して指定された許容値よりも離れている場合、そのラインはライン ポイントまで曲げられます。
パーセル ラインの残差レポート
このレポートは、方位角または距離のアジャスト結果が指定された許容値の範囲外にあるラインをすべて示します。アジャストを実行すると、ネットワーク内のすべてのパーセル ポイントに対して最適な位置が検出され、パーセル ポイントの新しい座標が計算されます。パーセル ラインは新しい座標の間で再計算され、再計算されたライン形状がライン ディメンションと比較されます。再計算されたライン形状とライン ディメンションの差が、方位角および距離残差に対して指定された許容値よりも大きい場合、そのラインはパーセル ラインの残差レポートに示されます。
パーセル ラインの残差レポートには、アジャスト結果が許容値の範囲外にあるラインだけが示されます。ネットワーク内のすべてのラインに対するアジャストを確認するには、[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [レポート タイプ] ドロップダウン リストから [拡張レポート] を選択します。
レポートされたラインのパーセルを選択するには、そのラインにマウス ポインタを置き、[パーセルの選択] をクリックします。選択したパーセルに画面移動またはズームするには、[マップ位置] > [パーセルにズーム] の順に選択するか、[マップ位置] > [パーセルに移動] の順に選択します。
アジャストの後処理
[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [後処理] で、ライン ポイントを強制するオプションまたは間口を直線化するオプションをオンにしている場合、最小二乗アジャストのサマリには、移動されたポイントを示すレポートが表示されます。後処理オプションは、アジャストの完了後に実行されます。
ライン上に必ず配置されるライン ポイント
隣接するパーセル ラインに移動されたライン ポイントのリストが、[ライン上に必ず配置されるラインポイント] の下に表示されます。ライン ポイントが移動した距離もレポートに示されます。ライン ポイントがラインからずれている距離が、[座標のアジャスト] ダイアログ ボックスの [範囲内にあればライン ポイントをライン上に配置] に指定された許容値よりも大きいことが検出された場合は、これらのライン ポイントもこのレポートに示されます。
直線レポート
直線の制約を適用するときには、アジャストの後処理で一連のポイントが検討されます。これらのポイントは、同じプランに含まれる隣接したパーセル上にあり、同じ方位角を持つラインによって接続されます。一連のポイントのベクトルが計算され、これら一連のポイント間の距離とベクトルが測定されます。距離が直線に対して指定された許容値を下回る場合は、ポイントがベクトル ライン上に移動され、同一直線上に配置されます。
推測されるポイントとライン
アジャストの後、ネットワーク内にあるすべてのポイントおよびラインの標準偏差が計算されます。アジャスト対象のネットワーク全体の標準偏差の 3 倍を超える標準偏差を持つポイントとラインが、[推測されるポイントとライン] レポートに報告されます。