このトピックでは、旧バージョンの ArcIMS にホストされているメタデータ サービスで現在のバージョンの ArcGIS for Desktop を使用する方法を説明します。
ArcIMS メタデータ サービスは、GIS リソースの検索に使用するメタデータの検索が可能なオンライン カタログです。メタデータ サービスにアクセスし、検索するインターネットまたはイントラネット サイトは、GIS カタログ ポータルと呼ばれます。
Yahoo! や Google など、さまざまなインターネット検索エンジンを使用できるのと同じように、さまざまな組織がホストしているメタデータ カタログをインターネットまたはイントラネット サイトから検索できます。検索結果には条件に一致したリソースが一覧表示され、それらのメタデータを表示して探しているものが見つかったかどうかを確認できます。リソースをプレビューすることもできます。
どのような組織でもメタデータ カタログを提供し、そのマップ、データ、またはツールへのアクセスを可能にすることができます。他の組織がホストしているカタログにメタデータを公開することもできます。
公開前のメタデータの確認
メタデータを公開する前に、一旦時間を取ってそのコンテンツを確認します。メタデータ カタログの価値は、そこに含まれるメタデータの品質次第です。メタデータについても、それが説明するリソースを作成するときと同じだけの気配りが欠かせません。
メタデータは、検索で見つかるだけの十分な情報を提供する必要があります。ユーザが、メタデータから、それが説明しているリソースを見つけ、利用できるようにしなければなりません。ダウンロード サイトまたはメディアのオンライン注文フォームへのリンクがあり、リソースの使用に関する制約事項がドキュメント化されていることを確認します。この情報は法務部門で確認する必要があります。また、コンピュータ名など、部門外や組織外の人々に漏れてはならない秘密情報は確実に削除しておきます。
最初は、確認作業に時間がかかりますが、長期的に見れば時間の節約になります。経験を積みながらよいテンプレートを作り上げてください。それは将来のメタデータ作成作業の基盤となるでしょう。
メタデータの公開
公開先のメタデータ カタログが ArcIMS メタデータ サービスなら、カタログ ウィンドウからメタデータ サービスへアイテムをコピーして貼り付けることによって、メタデータを公開できます。[メタデータの公開(Metadata Publisher)] ジオプロセシング ツールを使用してメタデータを公開することもできます。まず、サービス管理者から、適切な権限を持つユーザ名とパスワードが付与されます。次に、そのユーザ名とパスワードを使用して、メタデータ サービスをホストしている ArcIMS サーバに接続します。
メタデータが公開されると、メタデータがそのアイテムから取得されます。メタデータのコピーがメタデータ サービスのデータベースに追加され、検索を高速にするためのインデックスが振られます。アイテム自体(ジオデータベース フィーチャクラス、レイヤ ファイル、または ArcMap ドキュメント)は公開されることも、元の場所から移動することもありません。
メタデータがサムネイルを持っておらず、GIF(Graphic Interchange Format)または JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の外部グラフィックス ファイルへの参照を持つ場合、ArcGIS はそれがアクセス可能かどうかチェックします。アクセス可能なら、外部グラフィックス ファイルをドキュメントのサムネイルとしてメタデータ サービスに読み込みます。この機能は、[メタデータの公開(Metadata Publisher)] ツールでは提供されません。
ArcIMS イメージ サービスまたはフィーチャ サービス向けにメタデータを作成する権限を持っている場合は、ArcGIS でメタデータを作成できます。それらのサービスを説明したメタデータが同じ ArcIMS サーバにホストされている場合、そのメタデータは自動的にメタデータ サービスに公開されません。サービスを説明したメタデータを公開するには、ArcIMS イメージ サービスまたはフィーチャ サービスをメタデータ サービスにドラッグ&ドロップします。カタログ ウィンドウでは、これらのアイテムのコピーと貼り付けはサポートされておらず、これらのアイテムはジオプロセシング ツールへの入力としてサポートされていません。
ArcIMS イメージ サービスおよびフィーチャ サービス向けのメタデータを公開するときは、同じログイン情報を使用してそのサービス向けのメタデータを作成し、公開します。
公開されたドキュメントを一意に識別
メタデータを ArcIMS メタデータ サービスに公開すると、メタデータに一意の識別子が含まれていなければ、一意の識別子が生成されます。この識別子は、元のメタデータと公開されたコピーの両方に追加されます。ArcIMS メタデータ サービスでは、メタデータ コンテンツで提供済みの他の識別子とは別の GUID 識別子が使用されます。
メタデータを公開した後に更新する必要が生じた場合は、ArcGIS アイテムのメタデータを編集し、再度公開します。メタデータ サービスの既存のドキュメントは、一意の識別子を使用して位置付けられ、置き換えられます。メタデータの公開されたコピーを直接更新すると、元のアイテムのメタデータには変更が反映されないため、後で誰かが元のアイテムを再公開するとその変更内容は失われます。
元のメタデータにある一意の識別子を削除せずに、ある ArcGIS アイテムから別のアイテムにメタデータをコピーすると、複数のアイテムが 1 つの識別子を共有することになり、その識別子は一意ではなくなります。そのような状態になると、ArcGIS メタデータ サービスはドキュメントを区別できません。識別子を共有したドキュメントを公開すると、最初のドキュメントは 2 番目のドキュメントに置き換えられ、2 番目以降もさらに次のドキュメントに置き換えられます。
<ArcGIS インストール フォルダ>\Metadata\Stylesheets\gpTools\add unique identifier.xslt ファイルで [XSLT 変換(XSLT Transformation)] ツールを実行すると、公開前のアイテムのメタデータに一意の識別子を追加できます。メタデータに一意の識別子が含まれていない場合は、一意の識別子が追加されます。メタデータに一意の識別子が含まれている場合は、何も変更されません。
メタデータの既存の一意の識別子を変更するときは、[XSLT 変換(XSLT Transformation)] ツールの XSLT パラメータ引数に文字列 overwrite を設定します。これは、既存のデータ製品の新しいエディションをリリースする場合などに行います。既存の識別子を変更することによって、メタデータ カタログに、データ製品の各エディションを別々に説明した適切なメタデータが含まれるようにします。
overwrite パラメータを使用するときは注意が必要です。アイテムの一意の識別子を誤って置き換えると、次にメタデータを公開したときに、メタデータ サービスはメタデータのコピーを取り込みます。古いコピーを見つけて削除するのが困難になる場合があります。