[空間検索] ツールを使用すれば、他のレイヤーのフィーチャとの相対位置に基づいてフィーチャを選択できます。たとえば、最近発生した洪水で被害を受けた家屋数を調査する場合は、洪水発生エリア内にあるすべての家屋を選択できます。
同じレイヤーまたは別のレイヤーのフィーチャに近いまたは重なるレイヤーのポイント、ライン、ポリゴン フィーチャを選択するために、さまざまな選択方法を利用することができます。
[空間検索] の使用手順
次の手順に従って [空間検索] ツールを使用します。ソース レイヤーに属するフィーチャと空間的に関係のあるレイヤー (またはレイヤー セット) のフィーチャを選択することに注意してください。たとえば、Texas レイヤーに属するフィーチャの境界に接触している USA Counties からフィーチャを選択します。ダイアログ ボックスの指示に従って、各選択プロパティを指定します。
- [選択] > [空間検索] の順にクリックして、[空間検索] ダイアログ ボックスを開きます。
- 作成する選択のタイプを指定します。ドロップダウン矢印をクリックすると、選択肢が表示されます。
- フィーチャの選択元となるターゲット レイヤーを確認し、それらのレイヤーをオンにします ()。
- 選択時に使用する空間リレーションシップ ルールを選択します。
選択オプションについては、この後の「サポートされている空間検索のタイプ」をご参照ください。
- ターゲット レイヤーからフィーチャを選択するときに使用するソース レイヤーを指定します。
- 必要であれば、[空間検索] に関する次の条件を指定できます。
- ソース レイヤーで選択したフィーチャを使用して、選択するフィーチャを特定するかどうか
- 検索でバッファー距離を使用するかどうか (バッファー距離は一部の選択オプションでのみ使用されます)
サポートされている空間検索のタイプ
[空間検索] では、次の空間検索方法がサポートされています。この説明では、フィーチャが選択されるレイヤーを「ターゲット レイヤー」と呼んでいます。そのターゲットと、「ソース レイヤー」のフィーチャとの空間的な関係に基づいて空間検索が実行されます。
以下の図では、ソース フィーチャが赤色で示され、そのソース フィーチャと交差、接触、または含有関係にある選択フィーチャが水色で示されています。
「重なる」フィーチャを検索
「重なる」演算子は、ソース フィーチャと完全に重なるフィーチャ、または部分的に重なるフィーチャを返します。次に例を示します。
「一定距離内にある」フィーチャを検索
この演算子は、バッファー距離に基づいてソース フィーチャの周囲にバッファーを作成し、そのバッファー ゾーンと重なるすべてのフィーチャを返します。たとえば、河川または鉄道から 100 m 以内にある都市などを選択できます。
赤色のフィーチャから一定距離内にあるフィーチャ (水色) が選択されます。
「含まれる」フィーチャを検索
ソース フィーチャのジオメトリに含まれているターゲット フィーチャが選択されます。選択されたフィーチャとソース フィーチャは、境界が重なっていてもかまいません。
たとえば、この演算子を使用した場合、アメリカ合衆国と境界を共有するモンタナ州も選択されます。
「完全に含まれる」フィーチャを検索
ターゲット フィーチャのすべての部分がソース フィーチャのジオメトリに含まれており、ソースの境界に接触していないことが選択条件となります。たとえば、ターゲット レイヤーが「郡」だとすると、ダラス郡は「テキサス」ソース ポリゴンに完全に含まれるので、検索結果として選択されます。さらに、テキサスの境界に接していないその他の郡もすべて選択されます。
この演算子は、「完全に含む」の逆演算子です。詳しくは、この後の説明をご参照ください。
ソース フィーチャはポリゴンである必要があります。または、この演算子を使用するために、ポイント フィーチャおよびライン フィーチャの周囲にバッファーを適用する必要があります。
赤色のフィーチャに完全に含まれているフィーチャ (水色) が選択されます。
「含む」フィーチャを検索
ソース フィーチャのジオメトリが、境界を含めたターゲット フィーチャのジオメトリ内に存在することが選択条件となります。たとえば、アメリカ合衆国を表すポリゴンはテキサス州を含んでいるので、南部の境界を共有していてもこのポリゴンが選択されます。
これは、「含まれる」の逆演算子です。
「完全に含む」フィーチャを検索
ターゲット フィーチャのすべての部分がソース フィーチャのジオメトリに含まれていることが選択条件となります。さらに、ソース フィーチャは、ターゲットの境界に接していたり、重なっていたりしてはいけません。たとえば、ソース フィーチャがカンザス州の場合、アメリカ合衆国を表すフィーチャが選択されます。カンザス州を完全に含んでおり、かつ境界が重なっていないためです。しかし、ソース フィーチャがテキサス州の場合、境界が接触していることからアメリカ合衆国は選択されません。これは、「完全に含まれる」の逆演算子です。
ターゲット フィーチャ レイヤーはポリゴンである必要があります。
赤色のフィーチャを完全に含んでいるフィーチャ (水色) が選択されます。
「重心がある」フィーチャを検索
この演算子では、ターゲット フィーチャ ジオメトリの重心がソース フィーチャ ジオメトリ内または境界上にある場合、そのターゲット フィーチャが選択されます。
赤色のフィーチャ内に重心があるフィーチャ (水色) が選択されます。
「線分を共有する」フィーチャを選択
この方法では、ソース フィーチャとターゲット フィーチャのジオメトリが 2 つ以上の隣接する頂点を共有している場合、それらのフィーチャは線分を共有していると見なされます。
ソース フィーチャおよびターゲット フィーチャは、ラインまたはポリゴンのどちらかでなければなりません。
赤色のフィーチャと線分を共有しているフィーチャ (水色) が選択されます。
「境界線に接する」フィーチャを選択
ターゲット フィーチャのジオメトリとソース フィーチャとの交差部分が空でなく、それらの内部の重なりが空の場合に、ターゲット フィーチャが選択されます。これは Clementini Touch 演算子の定義です。したがって、(Clementini の定義に従い) ターゲット フィーチャがソース フィーチャに接している場合、そのターゲット フィーチャが選択されます。
ソース フィーチャおよびターゲット フィーチャは、ラインまたはポリゴンのどちらかでなければなりません。
この演算子は Clementini の演算子を含みますが、拡張してもいます。その他のケースもサポートされています。たとえば、ラインまたはポリゴンがソース ポリゴンに完全に含まれており、ポリゴン境界と線分、頂点、または端点を共有している場合、内部のラインまたはポリゴンが選択されます。
赤色フィーチャの境界と接触しているフィーチャ (水色) が選択されます。
「正確に一致する」フィーチャを検索
2 つのフィーチャのジオメトリが完全に等しい場合、この 2 つのフィーチャは同一です。フィーチャ タイプは同じでなければなりません。たとえば、この演算子を使用して、2 つのポリゴン レイヤーを比較することができますが、ポイント レイヤーとポリゴン レイヤーが同一かどうかを比較すると、常に空の選択セットが返されます。
赤色のフィーチャと正確に一致するフィーチャ (水色) が選択されます。
「境界線が横切る」フィーチャを検索
この演算子の場合、ソース フィーチャとターゲット フィーチャの境界は、1 つ以上のエッジ、頂点、または端点を共有する必要がありますが、線分を共有する必要はありません。
ソース フィーチャおよびターゲット フィーチャは、ラインまたはポリゴンのどちらかでなければなりません。
「含む」 (Clementini) フィーチャを検索
この演算子は、ソース フィーチャが完全にターゲット フィーチャの境界上にあり、ソース フィーチャのどの部分もターゲット フィーチャの内部にない場合を除くと、「含む」と同じ結果になります。この場合、「含む」演算子とは異なり、「含む (Clementini) 」演算子ではターゲット フィーチャが選択されません。Clementini によると、ポリゴンの境界は内部とも外部とも別であると考えられます。
Clementini は、「含まれる」および「含む」のトポロジ関係を次の論文で定義しています。Eliseo Clementini, Paolino Di Felice, and Peter van Oosterom, A Small Set of Formal Topological Relationships Suitable for End-User Interaction. (『Proceedings of the Third International Symposium on Advances in Spatial Databases』 (277 ~ 295 ページ、1993 年 6 月 23 ~ 25 日))
赤色のフィーチャを含んでいるフィーチャ (水色) が選択されます。
「含まれる (Clementini) 」フィーチャを検索
この演算子は、ターゲット フィーチャが完全にソース フィーチャの境界上にあり、ターゲット フィーチャのどの部分もソース フィーチャの内部にない場合を除くと、「含まれる」と同じ結果になります。この場合、「含まれる」演算子とは異なり、「含まれる (Clementini) 」演算子ではターゲット フィーチャが選択されません。Clementini によると、ポリゴンの境界は内部とも外部とも別であると考えられます。
Clementini は、「含まれる」および「含む」のトポロジ関係を次の論文で定義しています。Eliseo Clementini, Paolino Di Felice, and Peter van Oosterom, A Small Set of Formal Topological Relationships Suitable for End-User Interaction. (『Proceedings of the Third International Symposium on Advances in Spatial Databases』 (277 ~ 295 ページ、1993 年 6 月 23 ~ 25 日))