[CAD へエクスポート (Export To CAD)] ツールのデフォルト出力を無効化して、特定の標準に従うドローイングを生成することができます。方法としては、基本的にテーブルによる方法とテンプレートによる方法の 2 つがあります。3 つめの方法として、テーブル データと CAD テンプレートを両方使用して、AutoCAD ブロックなどのカスタム オブジェクトを生成する方法もあります。最も適した方法は、ワークフロー、リソース、出力要件の範囲によって異なります。
デフォルト出力の無効化の例としては、以下が挙げられます。
- ISO や U.S. National CAD Standard などの統一規格に従う CAD ドローイングにフィーチャをエクスポートする
- CAD テキストとして属性フィールド値をエクスポートする
- 標準のページ レイアウト エレメント (タイトル ブロックや凡例など) を含める
- AutoCAD ブロックとしてポイント フィーチャと属性値をエクスポートする
予約済み CAD フィールド
予約済み CAD フィールドは、フィーチャクラスに追加することで、[CAD へエクスポート (Export To CAD)] ツールに対して特定の CAD フィーチャの作成方法を指定できる特殊なフィールドです。個別に使用するフィールドや、パラメーターを指定するコンパニオン フィールドを必要とするフィールドがあります。ArcGIS for Desktop には、ジオメトリとテキスト、レイヤー、属性の生成方法を制御できるさまざまなフィールドやキーワードが含まれています。また、個々のフィーチャを特定の CAD ドローイングにリダイレクトすることもできます。
予約済み CAD フィールドを使用するワークフローはすべて、フィールドを追加してから、有効なキーワードを使用してフィールドを計算するという、共通のタスクの流れがあります。一般的に、これの最も効率的な方法は、フィールド演算です。これらのフィールドをフィーチャクラス テーブルに直接追加したり、フィールドをスタンドアロン テーブル内で管理してフィーチャ レイヤーに結合したりできます。フィールドは手動で作成したり、[CAD フィールドの追加 (Add CAD Fields)] ツールで自動作成したりできます。
ドローイング レイヤー
ドローイング レイヤー用に予約されている一連のフィールドを使用すると、名前、色、ライン タイプ、その他の関連プロパティを指定できます。対象のアプリケーションに対して、キーワードは有効なプロパティ値である必要があります。たとえば、AutoCAD ドローイング内の色プロパティは、赤を表す 1 から始まる 250 の整数の固定パレットを使用して定義されます。また、MicroStation ファイルはカスタムの色テーブルをサポートし、あるファイルでは色 1 を赤にしたり、別のファイルでは青にしたりできます。
ジオメトリとテキスト
CADType というフィールドは、さまざまな (DWG) エンティティと (DGN) エレメントを生成します。これを使用すると、AutoCAD ドローイング内で 3D ポリラインをデフォルトの 2D ポリライン LWPOLYLINE の代わりに生成するなど、単純な置換を実行できます。異なるジオメトリ タイプを生成するだけでなく、このカテゴリにある他のフィールドを使用して、色、ライン タイプ、角度位置などのプロパティを制御できます。
また、CADType フィールドを使用して、テキストや AutoCAD ブロックなど、ポイント フィーチャを他の同様に有効な CAD オブジェクトとして再キャストすることもできます。一般的に、このように CADType フィールドを使用するには、必要なパラメーターを指定するために 1 つまたは複数の追加フィールドが必要です。たとえば、キーワード TEXT を使用してポイント フィーチャを CAD テキストとして再キャストする場合、フィールド TxtValue を追加して、実際のテキスト文字列を指定する必要もあります。
シード ファイル
ツールの実行あたり 1 つのシード ファイルを指定し、それを使用して、レイヤー、スタイル、設定、および AutoCAD ブロックなどのネイティブ CAD オブジェクトを定義することができます。シード ファイルの中には、タイトル ブロックや凡例などのページ レイアウト エレメントや、出力 CAD ドローイングに加えたいその他のベース データを入れることもできます。結果は、入力フィーチャをシード ファイルのコピーに追加する場合と同様です。
ドローイング レイヤー
予約済み CAD フィールドの Layer を入力フィーチャクラス テーブルに追加する別の方法として、シード ファイルを使用して、入力フィーチャの対象レイヤーを定義することができます。デフォルトでは、入力フィーチャは、入力フィーチャクラスまたはレイヤー名と同じ名前のシード ファイルのドローイング レイヤーにエクスポートされます。
AutoCAD ブロックとしてのポイント フィーチャのエクスポート
シード ファイルに格納された AutoCAD ブロック定義を使用して、出力 CAD ドローイング内にポイント フィーチャを生成できます。これには、予約済み CAD フィールドの CADType と RefName を入力ポイント フィーチャクラス テーブルに追加し、それらを計算して、それぞれエンティティ タイプ "INSERT" と AutoCAD ブロック名を指定します。デフォルトでは、ブロック属性 (タグ名) と一致する任意のフィールド見出しのフィーチャ属性も、ブロック属性としてブロックにエクスポートされます。ブロックの挿入ポイントは、その座標位置を定義します。