カラーマップとは、色に関連付けられた一連の値のことです。カラーマップは、シングルバンド ラスターを常に同じ色で表示するために使用されます。各ピクセル値には、赤、緑、青 (RGB) の値として定義された色が関連付けられます。各値には明確な色が関連付けられるため、カラーマップ付きのラスターを読み取ることができるプログラムで開くたびに、常に値が同じ方法で表示されます。
カラーマップは、FLOAT を除くすべてのビット深度をサポートできます。正と負の値もサポートできます。また、欠落しているカラーマップ値を含めることができます。欠落している値を含むカラーマップを使用してデータセットを表示すると、その値を持つピクセルは表示されません。
デフォルトでは、カラーマップを持つラスター データセットは常に関連するカラーマップを使用して表示されます。ラスター データセットの表示を変更したい場合は、[カラーマップ レンダリング] パネル (ラスター データセットの [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [シンボル] タブからアクセスできます) で色またはカラーマップ ファイルを変更するか、または個別値レンダリングを使用します。さまざまな種類のレンダリングの詳細については、「ラスター データの表示に使用するレンダラー」をご参照ください。
ラスター データセットにカラーマップが関連付けられているかどうかを簡単に確認するには、ArcCatalog の [ラスター データセット プロパティ]、または ArcMap の [レイヤー プロパティ] を開きます。ラスター データセットに関連付けられたカラーマップがある場合は、[ソース] タブにカラーマップ プロパティが存在します。
カラーマップは、ラスター形式に応じて、さまざまな方法でラスター データセットに関連付けられます。*.bil、*.bip、または *.bsq など、一部のラスター形式では、ラスターの補助ファイルにカラーマップ情報を格納します。*.img、*.tif、または ArcSDE など、ラスター データセット内部にカラーマップ情報を格納する形式もあります。
ジオプロセシング ツールを使用して、ラスター データセットのカラーマップのコピーや削除を行うことができます。[カラーマップの追加 (Add Colormap)] ツールを使用すると、既存のラスター データセットのカラーマップ スキーマ (*.clr ファイルまたは *.act ファイル) を別のラスター データセットにコピーすることができます。[カラーマップの削除 (Delete Colormap)] ツールを使用すると、既存のラスター データセットからカラーマップを削除することができます。すべてのラスター形式でこれらのジオプロセシング ツールを適用できるわけではありません。カラーマップをサポートできる形式については、「サポートされているラスター データセット ファイル形式」をご参照ください。
アプリケーションには、ArcGIS によって変更できない方法で内部カラーマップを書き込むものもあります。これは、一部の IMG ファイルや TIFF ファイルで行われます。このため、これらのカラーマップは [カラーマップの削除 (Delete Colormap)] ツールで削除することはできません。
[赤]、[緑]、[青] のフィールドを含むラスター属性テーブルは有効なカラーマップではないため、[カラーマップの削除 (Delete Colormap)] ツールを使用して削除することはできません。