ArcGIS クライアントから SAP HANA データベースに接続できます。この接続を実行するには、ArcGIS クライアント コンピューターに SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをインストールして構成します。既存の SAP ユーザーは、ソフトウェア ダウンロードの SAP Support Portal から SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを入手できます。
クライアントの構成が終了したら、データベース接続ファイルを作成します。ArcMap から ArcGIS Server サイトに SAP HANA データを公開する場合は、そのサイトにデータベース接続ファイルを登録します。
ArcGIS Server からの接続
ArcMap から ArcGIS Server サイトに公開し、結果として生成されたサービスで SAP HANA のデータを使用する場合は、ArcGIS Server サイトの各コンピューターに 64 ビットの SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをインストールして構成し、データベースをそのサイトに登録します。
SAP HANA クライアントのインストールと ODBC ドライバーの構成
SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをダウンロードしてインストールし、データ ソース名を構成します。ArcGIS Server のオペレーティング システム (Windows または Linux) に適した手順を実行します。
Windows の ArcGIS Server の場合
ArcGIS Server Windows コンピューターで SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを構成するには、以下の手順を実行します。
- SAP Support Portal からサポートされている 64 ビット SAP HANA クライアントをダウンロードして、ArcGIS Server サイトの各コンピューターにインストールします。
- ODBC Data Source Administrator (64 ビット) を使用し、システムのデータ ソース名 (DSN)を設定します。
ArcGIS からデータベースに接続するときに、データ ソース名を使用します。この同じデータベースに接続する SAP HANA ODBC クライアントを構成するときには、すべて同じ名前を使用します。たとえば、ArcMap コンピューター上で SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを構成するときには、ArcGIS Server コンピューター上で ODBC ドライバーに対するデータ ソース名を構成するときに使用する名前と同じ名前を使用します。同じ名前を使用しない場合、公開時に問題が発生します。これは、ArcGIS が、公開対象のデータの接続文字列と、登録されるデータベースとを比較するためです。
- ODBC Data Source Administrator (64 ビット) の [System DSN] タブをクリックし、[Add] をクリックします。
[Create New Data Source] ダイアログ ボックスが開きます。
- SAP HANA ODBC クライアントを選択して [Finish] をクリックします。
- データベースの [Data Source Name]、[Description]、[Server:Port] 情報を入力します。
- [Settings] をクリックして [ODBC Advanced Setup] ダイアログ ボックスを開きます。
- [Special property settings] セクションで、キー値を SPATIALTYPES=1 に設定します。
この主な値を使用すると、ODBC 接続を使用して空間タイプのサポートを有効化できます。
- [OK] をクリックして変更内容を適用し、[ODBC Advanced Setup] ダイアログ ボックスを閉じます。
- ODBC クライアント設定および ODBS Data Source Administrator で [OK] をクリックして閉じます。
- ODBC Data Source Administrator (64 ビット) の [System DSN] タブをクリックし、[Add] をクリックします。
- Windows システムの PATH 環境変数に、SAP HANA クライアントのインストール ディレクトリを追加します。
たとえば、SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを C:\Program Files\sap\hdbclient に追加した場合は、それを PATH 環境変数に追加します。
ArcGIS Server の Linux の場合
ArcGIS Server Linux コンピューターで SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを構成するには、以下の手順を実行します。
- SAP Support Portal からサポートされている 64 ビット SAP HANA クライアントをダウンロードして、ArcGIS Server サイトの各コンピューターにインストールします。
- 各 ArcGIS Server コンピューターに Linux ODBC ドライバー マネージャーがインストールされていない場合は、インストールします。
- SAP HANA ODBC 接続ファイルを編集します。これらのファイルに、「.odbc.ini」および「.odbcinst.ini」という名前を付ける必要があります。
.odbc.ini ファイルで等号 (=) の前後にスペースがないことを確認します。たとえば、次のエントリでは等号の前後にスペースがありません。
[<HANA_DNS>] Driver=/<usr>/sap/hdbclient/libodbcHDB.so Description=SAP Hana ODBC ServerNode=<HANA_Server_IP>:<SAP_HANA_port> UID=<user_name> Password=<user_password> SPATIALTYPES=1 [ODBC] IANAAppCodePage=4 InstallDir=/<usr>/sap/hdbclient Trace=0 TraceDll=/opt/odbc64v51/lib/odbctrac.so TraceFile=/tmp/odbctrace.out UseCursorLib=0
以下の例に示すように、.Odbcinst.ini ファイルでは、このようなスペースは不要です。
Description =SAP HANA ODBC Driver64 = /<usr>/sap/hdbclient/libodbcHDB.so
- ODBC データ ソース名を設定します。ArcGIS からデータベースに接続するときに、この名前を使用します。
この同じデータベースに接続する SAP HANA ODBC クライアントを構成するときには、すべて同じ ODBC データ ソース名を使用します。たとえば、ArcGIS Desktop コンピューター上のデータ ソース名は、ArcGIS Server サイトのコンピューター上の SAP HANA クライアント ODBC ドライバーのデータ ソース名と同じ名前に設定します。同じ名前を使用しない場合、公開時に問題が発生します。これは、ArcGIS が、公開対象のデータの接続文字列と、登録されるデータベースとを比較するためです。
init_user_param.sh スクリプトの変更 (Linux のみ)
データベース クライアント ファイルをインストールしたら、ArcGIS Server にインストールされている init_user_param.sh スクリプトを、それらのクライアント ファイルを参照するように変更します。このスクリプトにアクセスするには、<ArcGIS Server installation directory>/arcgis/server/usr ディレクトリを参照します。
- 各コンピューターの ArcGIS Server のインストール所有者がデータベース クライアント ライブラリに対する読み取りおよび実行以上の権限を持っていることを確認します。
- テキスト エディターで init_user_param.sh スクリプトを開きます。
- これらの行からコメント マーク (#) を削除し、<usr> 情報を置き換えます。
export SAPHANADIR=/<usr>/sap/hdbclient export LIB_ODBC_DRIVER_MANAGER==$SAPHANADIR:$LD_LIBRARY_PATH
- スクリプトを保存して閉じます。
- ArcGIS Server サイトの各コンピューターで init_user_param.sh を構成したら、startserver.sh スクリプトを実行して ArcGIS Server を再起動します。
./startserver.sh
データベースの登録
SAP HANA を使用して Web サービスを公開するには、そのデータベースを ArcGIS Server サイトに登録します。詳細な手順については、ArcGIS Server に関するヘルプの「ArcGIS Server への SAP HANA の登録」をご参照ください。
ArcMap からの接続
ArcMap から SAP HANA に接続するには、SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをすべての ArcMap コンピューターにインストールして構成し、ArcMap からデータベースへの接続を作成します。
SAP HANA クライアント ODBC ドライバーのインストールと構成
ArcMap が使用する SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを構成するには、次の手順を実行します。
- SAP Support Portal からサポートされている 32 ビット SAP HANA クライアントをダウンロードして、各 ArcMap コンピューターにインストールします。
- ODBC Data Source Administrator (32 ビット) を使用し、システムのデータ ソース名 (DSN)を設定します。
ArcGIS からデータベースに接続するときに、データ ソース名を使用します。この同じデータベースに接続する SAP HANA ODBC クライアントを構成するときには、すべて同じ名前を使用します。たとえば、ArcMap コンピューター上で SAP HANA ODBC ドライバーを構成するときには、ArcGIS Server コンピューター上で ODBC ドライバーに対するデータ ソース名を構成するときに使用する名前と同じ名前を使用します。同じ名前を使用しない場合、公開時に問題が発生します。これは、ArcGIS が、公開対象のデータの接続文字列と、登録されるデータベースとを比較するためです。
- ODBC Data Source Administrator (32 ビット) の [システム DSN] タブをクリックし、[追加] をクリックします。
[Create New Data Source] ダイアログ ボックスが開きます。
- SAP HANA ODBC クライアントを選択して [完了] をクリックします。
- データベースの [Data Source Name]、[Description]、[Server:Port] 情報を入力します。
- [Settings] をクリックして [ODBC Advanced Setup] ダイアログ ボックスを開きます。
- [Special property settings] セクションで、キー値を SPATIALTYPES=1 に設定します。
この主な値を使用すると、ODBC 接続を使用して空間タイプのサポートを有効化できます。
- [OK] をクリックして変更内容を適用し、[ODBC Advanced Setup] ダイアログ ボックスを閉じます。
- ODBC クライアント設定および ODBS Data Source Administrator で [OK] をクリックして閉じます。
- ODBC Data Source Administrator (32 ビット) の [システム DSN] タブをクリックし、[追加] をクリックします。
- Windows システムの PATH 環境変数に、SAP HANA クライアントのインストール ディレクトリを追加します。
たとえば、SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを C:\Program Files\sap\hdbclient に追加した場合は、それを PATH 環境変数に追加します。
データベースへの接続
データベース接続を追加するには、[データベース接続] ダイアログ ボックスまたは [データベース接続の作成 (Create Database Connection)] ジオプロセシング ツールを使用します。[データベース接続] ダイアログ ボックスを使用する場合の手順を次に示します。
- ArcMap または ArcCatalog の [カタログ] ツリーの [データベース接続] を展開して、[データベース接続の追加] をダブルクリックします。
- [データベース プラットフォーム] ドロップダウン リストで [SAP HANA] を選択します。
- [データ ソース] テキスト ボックスに、ODBC ドライバーに設定したデータ ソース名を入力します。
- [認証タイプ] として [データベース認証] を選択します。
- 有効なユーザー名とパスワードを [ユーザー名] テキスト ボックスと [パスワード] テキスト ボックスにそれぞれ入力します。
- 接続の一部としてログイン情報を保存しない場合は、[ユーザー名とパスワードを保存する] チェックボックスをオフにします。そうすると、データベースのセキュリティの保持に役立ちます。ただし、オフにした場合、接続時にユーザー名とパスワードを入力するよう求められます。また、データベースへのアクセス権を ArcGIS サービスに付与する接続ファイルの場合または [カタログ] 検索を使用してこの接続ファイル経由でアクセスするデータを検索する場合は、[ユーザー名とパスワードを保存する] をオンにする必要があります。
- [OK] をクリックして接続します。
ファイルが \\<computer_name>\Users\<user_name>\AppData\Roaming\ESRI\Desktop<release#>\ArcCatalog に作成されます。
接続を別の場所に移動することができます。ただし、接続ファイルを置くディレクトリに対して、接続する必要のあるユーザーおよびアプリケーションが読み取り権限を持っていることを確認してください。
この接続からのデータを、ジオプロセシングやジオコード サービスなどのサービスのソースとして使用する場合は、ネットワーク上の共有の場所に接続ファイルを置くことが必要な場合があります。接続ファイルの共有の詳細については、「データを ArcGIS Server でアクセス可能にする」をご参照ください。