サマリー
[インテグレート (Integrate)] を使用すると、所定の X,Y 許容値内に収まるフィーチャを一致させることができます。これにより、共有フィーチャ境界の整合性を維持できます。所定の X,Y 許容値内に収まるフィーチャは、同一であり一致していると見なされます。
たとえば、5 単位 (たとえば、フィートやメートル) の X,Y 許容値を指定した場合、データに含まれる区画の境界は、隣接する区画の境界と共有されている必要がありますが、区画の境界同士は 4 単位だけ離れています。このツールを実行し終えると、2 つの区画の境界はそれぞれ 5 単位の X,Y 許容値内に収まるため、一致するようになります。
[インテグレート (Integrate)] では、次のタスクが実行されます。
- 所定の X,Y 許容値内に収まるフィーチャを見つけます。
- 所定の X,Y 許容値内に収まるフィーチャによって共有される座標頂点を挿入し、フィーチャ セグメント同士が交差する頂点を追加します。
図
使用法
このツールは、選択されている入力フィーチャに対してのみ実行されます。
このツールで実行される処理内容は、トポロジとほぼ同じです。両方とも、X,Y 許容値内に収まるフィーチャを移動し、フィーチャ同士が交差する頂点を挿入する処理を実行します。この種の操作を実行する際には、その操作にトポロジを使用することを検討してください。トポロジを使用することにより、フィーチャ同士の相互関連の仕方についてのルールと条件を指定できるからです。トポロジの使用に関する詳細については、「トポロジの基本」をご参照ください。
トポロジよりも [インテグレート (Integrate)] を使用したほうが望ましいのは、次のような場合です。
- フィーチャの移動の仕方についてのルールを指定する必要がなく、すべてのフィーチャを所定の許容値内に収めたい場合。
- ラインの交差する各場所に頂点を挿入したい場合。
- ジオデータベース以外のフィーチャ (シェープファイルなど) を処理している場合、または数種類のジオデータベースからフィーチャを処理している場合 (トポロジ内のフィーチャはすべて同じフィーチャ データセット内にある必要があります)。
[XY 許容値] の値は、極めて重要です。許容値が大きすぎると、ポリゴンまたはラインが破壊、削除される場合や、動かしてはならない頂点が動いてしまう場合があります。エラーを最小限に抑えるには、可能な限り小さい値を X,Y 許容値として選択する必要があります。
[インテグレート (Integrate)] で入力 (ポイント、マルチポイント、ライン、またはポリゴン) として使用できるのは、シンプル フィーチャクラスのみです。
入力フィーチャに対して行った変更を元に戻すには、編集セッションで [インテグレート (Integrate)] を使用します。
処理対象データセット内に格納されている個々のフィーチャに、極めて多数の頂点がある場合 (たとえば、1 つのフィーチャ内に数十万から数百万もの頂点があるとき)、一部のジオメトリック処理操作でメモリ不足が発生することがあります。詳細については、「大きなデータセットのジオプロセシング」をご参照ください。
このツールの出力データ エレメントは、派生した複数値出力です。このツールの出力を別のツールで使用するには、このツールの入力を直接使用し、その出力を他のツールの前提条件として設定します。前提条件の設定の詳細
構文
Integrate_management (in_features, {cluster_tolerance})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
in_features [[Feature Layer, Long],...] | インテグレート対象のフィーチャクラス。フィーチャ間の距離が許容値と比較して小さい場合、頂点またはポイントがクラスタリング (移動して一致) します。下位ランクのフィーチャクラスまたはレイヤーが上位ランクのフィーチャクラスまたはレイヤーのフィーチャにスナップします (1 は、2 よりも上位ランクです)。大きい X,Y 許容値を使用すると、ランク 1 のフィーチャクラス内のフィーチャが動いてしまうことがあるため、注意してください。 | Value Table |
cluster_tolerance (オプション) | フィーチャの頂点が一致すると見なされる距離範囲です。頂点の不必要な動きを最小限に抑えるには、X,Y 許容値にかなり小さい値を指定する必要があります。値を指定しないと、入力リスト内の最初のデータセットからの XY 許容値が使用されます。 | Linear Unit |
コードのサンプル
Integrate (インテグレート) の例 1 (Python ウィンドウ)
次の Python ウィンドウ スクリプトは、イミディエイト モードで Integrate 関数を使用する方法を示しています。
import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/data"
arcpy.CopyFeatures_management("Habitat_Analysis.gdb/vegtype", "C:/output/output.gdb/vegtype")
arcpy.Integrate_management("C:/output/output.gdb/vegtype", 0.01)
Integrate (インテグレート) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)
次のスタンドアロン スクリプトは、Integrate 関数をスクリプティング環境で適用する方法の例を示しています。
# Description: Run Integrate on a feature class
# Import system modules
import arcpy
# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/data/Habitat_Analysis.gdb"
# Set local variables
inFeatures = "vegtype"
integrateFeatures = "C:/output/output.gdb/vegtype"
xyTolerance = "0.1 feet"
# Execute CopyFeature (since Integrate modifies the original data
# this ensures the original is preserved)
arcpy.CopyFeatures_management(inFeatures, integrateFeatures)
# Execute Integrate
arcpy.Integrate_management(integrateFeatures, xyTolerance)
環境
ライセンス情報
- ArcGIS Desktop Basic: はい
- ArcGIS Desktop Standard: はい
- ArcGIS Desktop Advanced: はい