データ ドリブン ページを使用すると、レイアウト ページのシリーズを単一のマップ ドキュメントからすばやく簡単に作成できます。フィーチャ レイヤー (インデックス レイヤー) が、レイヤー内の各インデックス フィーチャに基づいてマップを複数のセクションに分割し、インデックス フィーチャごとに 1 つのページを生成します。
![データ ドリブン ページの概念図 データ ドリブン ページの概念図](GUID-842B0448-7931-4829-9E5B-63BA60238E63-web.png)
マップ ブックを構築するためにデータ ドリブン ページを使用するには、arcpy.mapping を使用する必要があります。arcpy.mapping は、ArcPy サイトパッケージの一部である Python スクリプト モジュールです。このモジュールは、エクスポートと印刷を自動化する機能を提供します。arcpy.mapping では、地図製作の自動化が可能です。arcpy.mapping はデータ ドリブン ページの機能を拡張し、PDF ドキュメントへのエクスポートや、PDF ドキュメントの作成と管理に必要な機能を持っているため、完全なマップ ブックの構築に必要とされます。
![Python を使用したマップ ブックの構築の概念図 Python を使用したマップ ブックの構築の概念図](GUID-9248A37B-F62E-469E-BF6D-21BEF9DD198A-web.png)
標準のポリゴンのグリッドをデータ ドリブン ページのベースにすることができます。たとえば、都市区画のマップ ブック (マップ シリーズ) を作成するとします。グリッドを表すインデックス レイヤーを使用することで、下に示すように、その都市をカバーする正積のページのシリーズを簡単に作成できます。
![グリッドのインデックス レイヤーで作成されたデータ ドリブン ページ グリッドのインデックス レイヤーで作成されたデータ ドリブン ページ](GUID-937CECFB-EF7E-4F3B-8D51-514066D14360-web.png)
高速道路などのルートに基づいて、または下のストリップ マップの例のように河川に沿って、データ ドリブン ページを作成すると効果的な場合があります。
![ストリップ マップのインデックス レイヤーで作成されたデータ ドリブン ページ ストリップ マップのインデックス レイヤーで作成されたデータ ドリブン ページ](GUID-ACDEB485-5AA3-41BA-BAF8-8E7A3627A52D-web.png)
[インデックス フィーチャ (格子状) の作成 (Grid Index Features)] および [インデックス フィーチャ (帯状) の作成 (Strip Map Index Features)] ジオプロセシング ツールを使用して、インデックス レイヤーを作成できます。これらのツールは、[データ ドリブン ページ] ツールセットに含まれています。このツールセットには、マップ ブックを作成するために使用できるその他のツールも含まれています。これらには、マップ ブックの隣接ページのラベリングに使用できるフィールドをインデックス レイヤーに作成するために使用される [隣接図郭情報の追加 (Calculate Adjacent Fields)] ジオプロセシング ツール、インデックスの各フィーチャに固有の空間参照文字列を計算するための [中央子午線と緯線の計算 (Calculate Central Meridian and Parallels)] および [UTM ゾーンの計算 (Calculate UTM Zone)] ジオプロセシング ツール、および各データ ドリブン ページを真北に回転するために使用できる [磁気偏角の計算 (Calculate Grid Convergence Angle)] ツールが含まれます。
詳細については、「データ ドリブン ページの作成」をご参照ください。
インデックス レイヤーはグリッドである必要はありません。マップ フィーチャであってもかまいません。たとえば、米国の州のポリゴン レイヤーを使用してデータ ドリブン ページを作成できます。この場合、ページは州ごとに作成されます。
![ポリゴン フィーチャ レイヤーで作成されたデータ ドリブン ページ ポリゴン フィーチャ レイヤーで作成されたデータ ドリブン ページ](GUID-56EFC911-882E-4A13-A420-0D17EEA28B48-web.png)
![ポリゴン フィーチャ レイヤーで作成されたデータ ドリブン ページ ポリゴン フィーチャ レイヤーで作成されたデータ ドリブン ページ](GUID-C9487FF3-A3F1-43C9-9B03-5A0A0ACA84AC-web.png)
必ずしもポリゴン レイヤーをインデックス レイヤーとして使用する必要はありません。フィーチャ レイヤーであれば、ポイントおよびラインを使用することもできます。ラスター レイヤーなどのフィーチャ レイヤー以外のレイヤーをインデックス レイヤーとして使用することはできません。
単一のレイアウトが各データ ドリブン ページのマップの構成を定義します。レイアウトの動的なエレメントのみがページごとに異なります。静的なエレメントは同じです。レイアウトの静的なエレメントに加えた変更は、マップ シリーズのすべてのページに反映されます。
動的なエレメント
- マップの地理範囲
- マップ縮尺
- 方位記号 (マップの回転が設定されている場合)
- 縮尺記号
- 縮尺テキスト
- ダイナミック テキスト (ページ名やページ番号など)
- 動的なクエリを含んでいるレイヤー
静的なエレメント
- レイアウト ページのサイズと方向
- データ フレームのサイズと位置
- 静的テキスト
- 図郭線
データ ドリブン ページは、個々のグラフィック ファイルにエクスポートしたり、複数のページで構成されている PDF に統合したりできます。ページのシリーズ全体を印刷またはエクスポートすることも、サブセットを選択して印刷またはエクスポートすることもできます。
多くのプロジェクトにおいて、複数のページ サイズや複数のインデックス レイヤーを使用したり、一部のページにマップ以外の情報を掲載したりする必要があります。たとえば、州のマップ ブックには、タイトル ページ、概観図ページ、およびその州の郡ごとのページが含まれていたりします。さらに、大都市が所在する郡については、差し込みマップも含まれている場合があります。マップ ブックは、概観図ページ、インデックス マップ ページ、差し込みマップが含まれているページ、および残りのページについて、個別の *.mxd ファイルを使用して作成できます。