Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
サマリー
各セルへの累積する流量のラスターを作成します。オプションで、ウェイト ファクターを適用できます。
図
使用法
[累積流量ラスターの作成 (Flow Accumulation)] の結果は、各セルに流れこむ累積された流量です。これは、下り勾配にある各セルに流れこむすべてのセルのウェイトを累計することで算出されます。
[累積流量ラスターの作成 (Flow Accumulation)] ツールは、累積流量の計算時に 3 つのフロー モデリング アルゴリズムをサポートします。それは D8、多重流向 (MFD) および D-Infinity (DINF) フロー メソッドです。
入力流向ラスターが [流向ラスターの作成 (Flow Direction)] ツールで作成されていない場合、定義されたフローがループする可能性があります。フロー方向がループする場合、[累積流量ラスターの作成 (Flow Accumulation)] は無限サイクルに陥り、完了しません。
入力流向は、D8、多重流向 (MFD)、または D-Infinity (DINF) のいずれかのメソッドで作成できます。これら 3 つの入力流向ラスターのタイプは、[累積流量ラスターの作成 (Flow Accumulation)] ツールが各セルでフローを分割および累積する方法に影響を与えます。[入力流向タイプ] を使用して、流向ラスターの作成時に使用されたメソッドを指定します。
フロー方向が定義されていないセルは、フローのみを受け取ります。これらのセルは、下流に寄与しません。
D8 入力流向ラスターの場合、流向ラスターの値が 1、2、4、8、16、32、64、128 以外の場合、そのセルのフロー方向は未定義と見なされます。
D-Infinity 入力流向ラスターの場合、流向ラスターの値が -1 であれば、そのセルのフロー方向は未定義と見なされます。
累積流量は、出力ラスターの各セルに流れ込むセルの数の合計または一部に基づきます。処理セル自体は、この累積に考慮されません。
累積流量が大きい出力セルはフローが集中するエリアで、流路の特定に使用できます。
累積流量が 0 の出力セルは局所的な高地で、尾根の特定に使用できます。
[累積流量ラスターの作成 (Flow Accumulation)] ツールは、[圧縮] 環境設定を使用しません。出力ラスターは、常に未圧縮です。
このツールは、並列処理をサポートしています。お使いのコンピューターに、複数のプロセッサや、複数のコアを持つプロセッサが搭載されている場合は、特に対象となるデータセットが大きいときにパフォーマンスが向上します。「Spatial Analyst による並列処理」ヘルプ トピックには、この機能と設定方法の詳細が記載されています。
並列処理を使用する場合、処理中のデータ チャンクを処理するために一時データが書き込まれます。デフォルトの一時フォルダーの場所は、ローカルの C ドライブ上です。このフォルダーの場所は、TempFolders という名前のシステム環境変数を設定し、使用するフォルダーへのパスを指定することで変更できます (例: E:\RasterCache)。コンピューター上で管理権限を持っている場合は、レジストリ キー (例: [HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\ESRI\Desktop10.6\Raster]) を使用することもできます。
デフォルトでは、このツールは使用可能なコアの 50% を使うようになっています。入力データのサイズが 5,000 セル x 5,000 セルよりも小さい場合、使用されるコア数はそれよりも少なくなります。並列処理ファクター環境で、ツールが使用するコアの数を制御できます。
このツールに適用されるジオプロセシング環境の詳細については、「解析環境と Spatial Analyst」をご参照ください。
構文
FlowAccumulation (in_flow_direction_raster, {in_weight_raster}, {data_type}, {flow_direction_type})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
in_flow_direction_raster | 各セルからの流れの方向を示す入力ラスター。 流向ラスターは [流向ラスターの作成 (Flow Direction)] ツールを使用して作成できます。 流向ラスターは、D8、MFD (Multi Flow Direction)、および D-Infinity (DINF) を使用して作成できます。flow_direction_type パラメーターを使用して、流向ラスターの作成時に使用されたメソッドを指定します。 | Raster Layer |
in_weight_raster (オプション) | オプションの入力ラスター。各セルに加重を適用します。 加重ラスターが指定されていない場合、デフォルトの加重 1 が各セルに適用されます。出力ラスターの各セルについて、結果は各セルに流れ込むセルの数になります。 | Raster Layer |
data_type (オプション) | 出力累積ラスターは、整数タイプ、倍精度浮動小数点数タイプ、または浮動小数点タイプのいずれかになります。
| String |
flow_direction_type (オプション) | 入力流向ラスターのタイプには、D8、MFD (Multi Flow Direction)、または DINF (D-Infinity) があります。
| String |
戻り値
名前 | 説明 | データ タイプ |
out_accumulation_raster | 各セルへの累積流量を示す出力ラスター | Raster |
コードのサンプル
FlowAccumulation (累積流量ラスターの作成) の例 1 (Python ウィンドウ)
次の例では、入力流向 Grid ラスターの各セルへの累積流量のラスターを作成しています。
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *
env.workspace = "C:/sapyexamples/data"
outFlowAccumulation = FlowAccumulation("flowdir")
outFlowAccumulation.save("C:/sapyexamples/output/outflowacc01")
FlowAccumulation (累積流量ラスターの作成) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)
次の例では、入力流向 IMG ラスターの各セルへの累積流量のラスターを作成しています。
# Name: FlowAccumulation_Ex_02.py
# Description: Creates a raster of accumulated flow to each cell.
# Requirements: Spatial Analyst Extension
# Import system modules
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *
# Set environment settings
env.workspace = "C:/sapyexamples/data"
# Set local variables
inFlowDirRaster = "flowdir"
inWeightRaster = ""
dataType = "INTEGER"
# Check out the ArcGIS Spatial Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("Spatial")
# Execute FlowDirection
outFlowAccumulation = FlowAccumulation(inFlowDirRaster, inWeightRaster, dataType)
# Save the output
outFlowAccumulation.save("C:/sapyexamples/output/outflowacc02.img")
環境
ライセンス情報
- ArcGIS Desktop Basic: 次のものが必要 Spatial Analyst
- ArcGIS Desktop Standard: 次のものが必要 Spatial Analyst
- ArcGIS Desktop Advanced: 次のものが必要 Spatial Analyst