この機能はカタログ ウィンドウで使用できます。この機能を使用すると、スケマティック データセットのコンテンツ (スケマティック データセットの構成パラメーターとスケマティック ダイアグラム) を他のジオデータベースにエクスポートすることができます。
スケマティック データセットは、スケマティック アプリケーションのエントリ ポイントとなります。これには次のものが含まれます。
- 構成パラメーター、つまり、スケマティック データ ソース、スケマティック ダイアグラム テンプレート、スケマティック フィーチャクラスなど、Schematics アプリケーションの構成パラメーターへのアクセスを提供する一連のスケマティック定義。
- そのアプリケーションのスケマティック データベースを構成するスケマティック テーブルのコレクション。これらのテーブルには、構成パラメーターとスケマティック フィーチャクラスによって指定されたルールとシンボルに従ってすでに生成されているスケマティック ダイアグラムが含まれます。スケマティック フィーチャクラスには、生成されたスケマティック ダイアグラム内のスケマティック フィーチャが保存されます。
- スケマティック データセットに含まれる各スケマティック フィーチャクラスと関連する GIS フィーチャクラス/オブジェクト テーブルを指定する関連付けのテーブル。
スケマティック データセットのエクスポートでは、次のような操作を行うことができます。
- [定義] オプションがオンの場合 - 特定のソース スケマティック デーセットに保存されている次のような構成パラメーターをターゲット スケマティック データセットにエクスポートできます。
- ソース スケマティック データセットに保存されているすべてのスケマティック ダイアグラム テンプレートに指定されているクエリ、データ ソース、属性、およびスケマティック ダイアグラムのデフォルト レイヤー プロパティ
- ソース スケマティック データセットに保存されているすべてのスケマティック フィーチャクラスに指定されているクエリ、データ ソース、および属性
- [ダイアグラム] オプションがオンの場合 - ソース スケマティック データセットに保存されているすべてまたは一部のスケマティック ダイアグラムをエクスポートできます。
- [関連データのオプション] セクションで構成されたオプションに依存 - スケマティック フィーチャクラスと地理フィーチャクラス/オブジェクト テーブル間の関連付けをエクスポートできます。
この機能は、テスト環境で行ったスケマティック データセットの構成の変更を本番環境にすばやく簡単に転送することを目的として開発されたものです。
スケマティック データセットのエクスポート手順
カタログ ツリーでスケマティック データセットを右クリックし、[エクスポート] > [ジオデータベースへ変換] の順にポイントします。[スケマティック データセットをジオデータベースにエクスポート] ダイアログ ボックスが表示されます。
スケマティック ダイアグラムのエクスポートについて
入力スケマティック データセットに含まれるスケマティック ダイアグラムを出力ジオデータベースにエクスポートする場合は、[ダイアグラム] オプションをオンにします。
- エクスポートするスケマティック ダイアグラムをフィルタリングする場合、つまり出力スケマティック データセット内にあるスケマティック ダイアグラムのサブセットをエクスポートする場合は、[フィルターの指定] をオンにできます。これは、エクスポートするスケマティック データセット内に多数のスケマティック ダイアグラムがある場合や、入力スケマティック データセット内の特定のダイアグラムを出力スケマティック データセットにエクスポートしない場合に、有効で便利です。
- この場合、次の 2 つの方法でダイアグラムのエクスポートを実行することができます。
- 入力スケマティック データセットに含まれているダイアグラムのうち、出力スケマティック データセットに含まれていないダイアグラムのみをエクスポートする - [既存ダイアグラムを上書き] オプションはオフ。これがデフォルトです。
- 出力スケマティック データセット内のダイアグラムを入力スケマティック データセット内のダイアグラムで上書きする - [既存ダイアグラムを上書き] オプションはオン。
各オプションについては、以下のセクションで説明します。図 1.1 は、エクスポート前の入力スケマティック データセットと出力スケマティック データセットのコンテンツを示したものです。
- [既存ダイアグラムを上書き] がオフの場合
入力スケマティック データセットに含まれているダイアグラムのうち、出力スケマティック データセットに含まれていないダイアグラムをエクスポートする場合は、[既存ダイアグラムを上書き] ボックスはオフのままにします。この場合、そのようなダイアグラムだけがエクスポートの対象となります。図 1.2 は、[既存ダイアグラムを上書き] オプションをオフにしてエクスポートした後の出力スケマティック データセット内のスケマティック ダイアグラムのリストです。新しいダイアグラム 1 とダイアグラム 3 がエクスポートされています。出力スケマティック データセット内にすでにあったダイアグラム 2 とダイアグラム 4 はそのまま残っています。
- [既存ダイアグラムを上書き] がオフの場合
入力スケマティック データセット内のすべてのスケマティック ダイアグラムで出力スケマティック データセット内のスケマティック ダイアグラムを上書きする一方で、出力データセットに含まれていて入力データセットには含まれていないダイアグラムを保持する場合は、[既存ダイアグラムを上書き] ボックスをオンにします。図 1.3 は、[既存ダイアグラムを上書き] オプションをオンにしてエクスポートした後の出力スケマティック データセット内のスケマティック ダイアグラムのリストです。新しいダイアグラム 1 とダイアグラム 3 がエクスポートされています。出力スケマティック データセット内にすでにあったダイアグラム 2 は上書きされ、ダイアグラム 4 はそのまま残っています。
- [既存ダイアグラムを上書き] がオフの場合
別のジオデータベースへのスケマティック構成パラメーターとスケマティック ダイアグラム コンテンツのリダイレクトについて
[エクスポート] コマンドを使用すると、テスト環境で行ったスケマティック データセットの定義の変更を本番環境にすばやく簡単に転送できます。多くの場合、テスト ジオデータベースは本番ジオデータベースと同じなので、出力スケマティック データセットのテスト データではなく本番データを指すように、入力スケマティック データセットで構成されている関連付け、カスタム クエリ、およびクエリ属性をエクスポート中にリダイレクトする必要があります。同様に、入力スケマティック データセットから出力スケマティック データセットにダイアグラムをエクスポートする場合は、指定した出力ジオデータベース内のフィーチャまたはオブジェクトと関連付けられるように、スケマティック フィーチャをリダイレクトする必要があります。[関連データのオプション] セクションには、エクスポート中にこれらのリダイレクトが自動的に行われるように構成できるオプションがまとめられています。
別のジオデータベースに再アタッチする
入力スケマティック データセットで設定されているすべての関連付け、カスタム クエリ、クエリ属性を別のジオデータベース内の出力スケマティック データセットに自動的にリダイレクトするには、このオプションをオンにします。このジオデータベースは、[出力先ジオデータベース、またはスケマティック データセット] フィールドで指定した出力ジオデータベース (デフォルトでは [出力ジオデータベースの使用])、または [出力ジオデータベースの使用] フィールドの右側にある [開く] ボタンをクリックして指定した他のジオデータベースです。
- スケマティック フィーチャクラスとフィーチャクラス/オブジェクト テーブル間の関連付けについては、指定したジオデータベース内の地理フィーチャクラス/オブジェクト テーブルの名前が自動的にリダイレクトされます。指定したジオデータベース内に同じ名前の地理フィーチャクラス/オブジェクト テーブルが存在しない場合、関連するスケマティック フィーチャクラスは関連付けなしでエクスポートされます。
- カスタム クエリとクエリ属性については、関連するデータ ソースが、指定したジオデータベースに自動的にリダイレクトされます。
次の図は、エクスポート中にどのようにリダイレクトが行われるかを示したものです。
- 図 2.1 は、エクスポート前の入力および出力スケマティック データセットのコンテンツでスケマティック フィーチャクラスが GIS フィーチャクラスとどのように関連付けられているかを示しています。赤と青の矢印は、これらの関連付けを表すために使用しています。
- 図 2.2 は、[別のジオデータベースに再アタッチする] チェックボックスをオンにした場合、エクスポート後の出力スケマティック データセットで関連付けがどのように設定されるかを示しています。SchFeatureClass1、SchFeatureClass2、および SchFeatureClass3 スケマティック フィーチャクラスの関連付けは保持され、新しい SchFeatureClass4 および SchFeatureClass5 スケマティック フィーチャクラスがエクスポートされています。出力ジオデータベースには、入力ジオデータベースで SchFeatureClass4 スケマティック フィーチャクラスと関連付けられているフィーチャクラスと同じ名前の FeatureClass4 フィーチャクラスがあるので、エクスポートされた SchFeatureClass4 が FeatureClass4 フィーチャクラスと自動的に関連付けられています。SchFeatureClass5 については、出力ジオデータベース内に同じ名前のフィーチャクラスがないので、関連付けは設定されていません。
- 図 2.3 は、[別のジオデータベースに再アタッチする] チェックボックスをオフにした場合のエクスポート後の関連付けを示しています。SchFeatureClass1、SchFeatureClass2、および SchFeatureClass3 スケマティック フィーチャクラスの関連付けは保持され、新しい SchFeatureClass4 および SchFeatureClass5 スケマティック フィーチャクラスが、関連付けを変更せずにエクスポートされています。
エクスポートされたスケマティック データセットを操作する際のパフォーマンスについて
エクスポートするスケマティック データセット内のダイアグラム テンプレートのために構成されたレイヤー プロパティに対し、ダイアグラム フィーチャのシンボルまたはラベリングの結合を使用した場合、それらの結合は、エクスポートされたスケマティック データセットに対して無効になる可能性があります。これは、たとえば、スケマティック データセットのエクスポート先となる環境から開くことができない接続を結合に使用している場合に発生します。
このような無効な接続は、エクスポートされたデータセット上で完全に表示されない場合がよくあります。つまり、[属性の結合とリレート] タブを表示しても、接続はまったく表示されませんが、後でエクスポートされたスケマティック データセットを操作する際にパフォーマンスが低下します。たとえば、エクスポートされたダイアグラムを表示する場合や、このエクスポートされたスケマティック データセットを編集する場合などです。
エクスポートされたスケマティック データセットに対するこれらの無効な接続を修復するには、次のセクションの説明に従って操作する必要があります。
- ArcMap を起動します。
- エクスポートされたスケマティック データセットからいずれかのダイアグラムを開くか、新しいダイアグラムを生成します。
- このダイアグラムを構成する各サブレイヤーに対して、ダミーの結合を作成するか、実際に必要な結合を再作成します。
- [適用] をクリックします。
- 次に、ダミーの結合を含む各ダイアグラム サブレイヤーに対して、このダミーの結合を削除するか、再作成します。
- [適用] をクリックします。
- スケマティック ダイアグラム レイヤーを右クリックして、レイヤー ファイル (*.lyr) として保存します。
- ArcMap を閉じます。
- スケマティック データセット エディター内でエクスポートされたスケマティック データセットを開きます。
- ダイアグラムに使用しているダイアグラム テンプレートに対して、デフォルトのシンボルとして保存したレイヤー ファイルをインポートします。
- スケマティック データセットを保存します。
このテンプレートに基づいたダイアグラムが生成され、高速に開き、時間が大幅に短縮されるようになります。