ArcGIS の多くのマップ レイヤーは、各フィーチャの豊富な属性や、その他の情報にアクセスするために使用されます。 その 1 つとして、フィーチャをクリックしたときに HTML ポップアップ ディスプレイを表示する仕組みがあります。 これにより、フィーチャに関する HTML 形式の情報 (Web コンテンツなど) を共有することもできます。
HTML ポップアップ ウィンドウでは、マップ上のフィーチャをクリックすることで、URL が参照する画像のようなWeb ベースのコンテンツなど書式設定済みのコンテンツにアクセスできます。 このウィンドウは、パッケージとして他のユーザーと共有するレイヤーに特に便利です。このウィンドウを使用することによって、他のユーザーが ArcGIS Desktop または ArcGIS Explorer でパッケージを開いたときに、フィーチャに関する豊富なフォーマット済みの情報にアクセスできるようになります。 また、自分のデータを KML として他のユーザーと共有する場合にも使用されます。 最後に、ArcGIS Server で提供する場合にも、HTML ポップアップ定義はマップとともに提供されます。ArcGIS Desktop や ArcGIS Explorer などの Web アプリケーションやデスクトップ クライアントでマップ サービスを使用するユーザーも、ポップアップにアクセスできます。
フィーチャに関する HTML コンテンツは、HTML ポップアップ ウィンドウを使用し、ArcMap、ArcGlobe、または ArcScene に表示できます。 そのためには、フィーチャ レイヤーの HTML 表示プロパティをあらかじめ設定します。 表示するものを定義したら、HTML ポップアップ ツールでフィーチャをクリックし、HTML コンテンツを含むウィンドウを開きます。
HTML ポップアップ ウィンドウは、[個別属性] ツールとよく似ていますが、HTML を使用して情報を表示できる点が異なります。
HTML ポップアップ表示のプロパティの設定
レイヤーの HTML ポップアップ プロパティを定義するには、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスを使用します。 以下の手順に従います。
- レイヤーを右クリックして [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[HTML ポップアップ] タブをクリックします。
- [ポップアップ ツールを使用してレイヤーのコンテンツを表示] チェックボックスをオンにします。
- 使用したい HTML 表示タイプのオプションを選択します。 以下の 3 つのオプションがあります。
各オプションの設定の詳細については、次のセクションで説明します。
- コード値ドメインに基づく属性値を詳細説明 (コード値ではなく「ワイド プラスチック パイプライン」など) とともに HTML ポップアップ ウィンドウに表示する場合は、[すべての HTML コンテンツでコード値の説明を表示] チェックボックスをオンにします。
- HTML コンテンツが希望どおりに表示されるかどうかを確認するには、[確認] をクリックします。
表示できる HTML コンテンツのタイプ
表示フィールドのテーブルとして
フィーチャ レイヤーのデフォルトの HTML ポップアップ ウィンドウには、レイヤーの属性の名前と値を含む HTML テーブルがあります (下記)。
[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [フィールド] タブで、フィールドの表示設定、フィールドの表示順、フィールド エイリアス名、およびその他のプロパティを設定できます。
表示式の使用 - 表示フィールドの一部として、HTML ポップアップ ウィンドウで使用される表示式を作成するオプションもあります。 たとえば、郡の表示式を作成して、フィーチャ属性テーブルのフィールドの郡名、州名、人口を含めることができます。 このディスプレイには、POPDENSITY、MALE、FEMALE という 3 つの表示フィールドも含まれています。これらは、それぞれのフィールド エイリアスを使用して表示されます。
[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [表示] タブを使用し、表示式を作成します。 [条件式] をクリックして [表示式] ダイアログ ボックスを表示し、表示式を作成します。
フィーチャクラスのアタッチメントを含める - 表示フィールドのテーブルとして HTML ポップアップ ウィンドウを表示するオプションを使用すると、フィーチャクラスのアタッチメントがポップアップ ウィンドウの一部として自動的に表示されます。 たとえば、ピクチャ、ドキュメント、その他のアタッチメントをフィーチャクラスに追加できます。 これらのアタッチメントを、HTML ポップアップ ウィンドウの一部として含めることができます。
ファイル パスから画像を表示 - レイヤーの属性テーブルにフィールドがあり、そこに画像へのファイル パスが含まれる場合、画像がポップアップに自動的に表示されるよう、フィールドの値を変更できます。 そのためには、次の HTML 画像タグを使用します。
<img src='C:\DATA\Images\PICTURE1.jpg' width='250' />
URL として
HTML ポップアップ ウィンドウには、インターネットでアクセスする URL のコンテンツを表示できます。 URL の最も一般的な用途とは、HTML ページを参照することです。 レイヤーのいずれかの属性で指定された属性値が URL 式の一部になります。 下記の例では、このオプションを使用して、属性フィールドが指定した場所名の Wikipedia 記事をポップアップ ウィンドウに含めるよう指定します。 [HTML ポップアップ] ツールを使用してマップ表示のフィーチャをクリックすると、都市名の値がプロパティとして返されます。
この都市名のフィールドは、都市レイヤーに対して設定された HTML ポップアップ プロパティの 1 つです。
このオプションでは、式を作成するのと同じような手順を行います。 この場合の式は単純で、「接頭辞 + フィールド + 接尾辞 = 完全な URL」となります。
例 1: 接頭辞を http://training.esri.com/gateway/index.cfm?fa= として定義し、フィールドとしてサンプル値 catalog.gateway を選択すると、HTML ポップアップ ツールは接頭辞とフィールド値を組み合わせて http://training.esri.com/gateway/index.cfm?fa=catalog.gateway という URL を作成します。 この例では、URL を完成させるために接尾辞は必要ありません。
例 2: 接頭辞を http://training.esri.com/gateway として定義し、フィールドとしてサンプル値 index を選択すると、この URL を完成させるには接尾辞も必要です。 この URL では、接尾辞は .cfm です。 完全な URL は http://training.esri.com/gateway/index.cfm になります。
XSL テンプレートに基づく書式設定済みページとして
このオプションは、XSL (Extensible Stylesheet Language) テンプレートに基づく書式設定済みのページです。 ポップアップ ウィンドウには、XSL テンプレートの形式に基づく HTML コンテンツが読み込まれます。 属性の値がポップアップ ウィンドウに表示されると、レイヤーに属性として格納された HTML 書式が使用されます。 この高度なオプションを使用することで、画像、ハイパーリンク、ビデオを含むポップアップ ウィンドウなど、カスタマイズした HTML コンテンツを作成できます。XSL テンプレートの例については、<インストール ドライブ>:\Program Files\ArcGIS\Desktop10.8\Styles ディレクトリの HTMLPopup フォルダーをご参照ください。
HTML ポップアップ ウィンドウを書式設定するには、[読み込み] ドロップダウン矢印をクリックし、[XSL テンプレートの読み込み] をクリックします。 HTMLPopup ディレクトリで提供されるテンプレートを選択し、そのコンテンツを [HTML ポップアップ] タブに表示できます。 XSL ファイルが読み込まれると、ポップアップ ウィンドウに表示したい内容に応じてカスタマイズできます。 たとえば、ポップアップ ウィンドウにビデオを埋め込むには、EmbedVideo.xsl ファイルを読み込みます。
ArcGIS Explorer への HTML ポップアップ ウィンドウの公開
レイヤー パッケージを使用し、レイヤーの HTML ポップアップ ウィンドウを ArcGIS Explorer に公開することができます。