概要
入力 LAS データセットからの LAS ポイントのサブセットを含む、新しい LAS ファイルを作成します。
使用法
このツールは、写真測量で生成されたポイント クラウドや、複数の重複する Lidar スキャンからのリターンなど、オーバーサンプリングされた LAS データに対して使用し、表示速度を最適化したり、解析操作を迅速に行ったりします。車載 LIDAR 測量では、LIDAR センサーの速度および移動パターンのばらつきにより、極端にポイント密度の高いリターンが取得される場合があります。間引きを行うことで、測量の密度を均一にすることができるため、特定の自動分類ルーチンの結果が改善され、リターンのポイント間隔が一定になります。
特に、散在しているオブジェクトを表すクラス コード指定を持つポイントの数が、ポイント総数の一部を占める場合は、そのクラス コードの保持を検討してください。たとえば、散在しているフィーチャを表すポイントがある場合 (電力線など)、これを保持することで、空間配置の有益なコンテキストが提供されます。これを保持しないと、ポイントを間引いた場合に失われてしまいます。
各 LAS ファイルは、LAS データセットが参照する残りの LAS ファイルとは関係なく間引きされます。LAS ファイルにオーバーラップ データがある場合、[LAS タイルの作成] ツールを使用してポイントをマージすることで、それらをオーバーラップしないタイルにマージし、データを均一に分布させることを検討してください。
各入力 LAS ファイルは、名前の接尾辞が [出力ファイル名の接尾辞] パラメーターで指定されていない限り、入力と一致する名前の出力ファイルを生成します。
構文
arcpy.ddd.ThinLas(in_las_dataset, target_folder, thinning_dimension, xy_resolution, {z_resolution}, point_selection_method, {class_codes_weights}, {name_suffix}, {out_las_dataset}, {preserved_class_codes}, {preserved_flags}, {preserved_returns}, {excluded_class_codes}, {excluded_flags}, {excluded_returns}, {compression}, {remove_vlr}, {rearrange_points}, {compute_stats})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
in_las_dataset | 処理対象の LAS データセット。 | LAS Dataset Layer |
target_folder | 出力 LAS ファイルが書き込まれる既存のフォルダー。 | Folder |
thinning_dimension | 実行される間引き操作の種類。
| String |
xy_resolution | X、Y 軸に沿った間引きタイルの各辺のサイズ。 | Linear Unit |
z_resolution (オプション) | 3D 間引き方法を使用する場合の、間引き領域の高さ。 | Linear Unit |
point_selection_method | 各間引き領域で保持されるポイントを決定するために使われる方法。
| String |
class_codes_weights [class_codes_weights,...] (オプション) | 各クラス コードに割り当てられるウェイト。各間引き領域で、どのポイントを保持するか決定します。このパラメーターは、[ポイント選択方法] パラメーターで [クラス コードのウェイト] オプションが指定されている場合にのみ有効になります。最も高いウェイトを持つクラス コードが、間引き領域に割り当てられます。ある間引き領域で 2 つのクラス コードが同じウェイトを持っている場合、最小ポイント ソース ID を持つクラス コードが保持されます。 | Value Table |
name_suffix (オプション) | 各出力ファイルに追加される名前。 | String |
out_las_dataset (オプション) | 新しく作成された LAS ファイルを参照する出力 LAS データセット。 | LAS Dataset |
preserved_class_codes [preserved_class_codes,...] (オプション) | 指定されたクラス コード値を持つ入力 LAS ポイントが、出力 LAS ファイルから間引きされません。 | Long |
preserved_flags [preserved_flags,...] (オプション) | 特定のクラス フラグの指定を持つ入力 LAS ポイントが、出力 LAS ファイルで保持されます。
| String |
preserved_returns [preserved_returns,...] (オプション) | 指定されたリターンを持つ入力 LAS ポイントが、出力 LAS ファイルで保持されます。
| String |
excluded_class_codes [excluded_class_codes,...] (オプション) | 指定されたクラス コード値を持つ入力 LAS ポイントが、出力 LAS ファイルから除外されます。 | Long |
excluded_flags [excluded_flags,...] (オプション) | 指定されたクラス フラグ指定を持つ入力 LAS ポイントが、出力 LAS ファイルから除外されます。
| String |
excluded_returns [excluded_returns,...] (オプション) | 指定されたリターンを持つ入力 LAS ポイントが、出力 LAS ファイルから除外されます。
| String |
compression (オプション) | 出力 LAS ファイルを圧縮形式にするか、標準の LAS 形式にするかを指定します。
| String |
remove_vlr (オプション) | 入力 LAS ポイントに格納されている可変長レコードが、出力 LAS データで保持されるか、または削除されるかを示します。
| Boolean |
rearrange_points (オプション) | LAS ポイントを空間整理されたクラスターに保存するかどうかを示します。
| Boolean |
compute_stats (オプション) | LAS データセットで参照されている LAS ファイルの統計情報を計算するかどうかを指定します。統計情報を計算することで、LAS ファイルごとの空間インデックスが提供され、解析と表示のパフォーマンスが向上します。また統計によって、分類コードやリターン情報などの LAS 属性の表示が LAS ファイルに存在する値に制限されるので、フィルタリングとシンボルのエクスペリエンスも強化されます。
| Boolean |
派生した出力
名前 | 説明 | データ タイプ |
output_folder | 出力 LAS ファイルがあるフォルダー。 | フォルダー |
コードのサンプル
ThinLas (LAS の間引き) の例 1 (Python ウィンドウ)
次のサンプルは、Python ウィンドウでこのツールを使用する方法を示しています。
arcpy.env.workspace = 'C:/data'
arcpy.ddd.ThinLas('photogrammetric_cloud.lasd', 'thinned', '3D',
'20 Centimeters', '15 Centimeters', 'Z_AVERAGE',
excluded_flags='WITHHELD', rearrange_points='REARRANGE_POINTS')
環境
ライセンス情報
- Basic: 次のものが必要 3D Analyst
- Standard: 次のものが必要 3D Analyst
- Advanced: 次のものが必要 3D Analyst