基本操作
ArcGIS Enterprise は、クラウド内、仮想環境内、またはオンプレミスで実行される、フル機能のマッピング解析およびデータ管理プラットフォームです。ArcGIS Enterprise を使用して、位置に基づくデータを視覚化し、解釈し、操作することができます。ArcGIS Enterprise は、ArcGIS Online、ArcGIS Pro、および ArcGIS Desktop と共に動作し、Survey123 for ArcGIS、Collector for ArcGIS、Insights for ArcGIS などの、多くのアプリケーションの基盤を提供します。
ArcGIS Enterprise の基本配置は、ArcGIS Enterprise の基本的設定です。この基本配置は、ユーザーがライセンスを付与し、インストールし、構成する必要がある 4 つのソフトウェア コンポーネントで構成されています。コンポーネントのリストについては、「構成内容」のセクションをご参照ください。ArcGIS GeoEvent Server などの、機能に基づくサーバー ロールを追加することによって、ArcGIS Enterprise の基本配置から構築することができます。
前提条件:
- ご使用のインフラストラクチャが、コンポーネントごとのシステム要件を満たしていることを確認してください。ArcGIS Enterprise のシステム要件を確認してください。
- インストールするには、管理者権限が必要です。
- Windows の場合、ArcGIS Server .NET Extension Support 機能をインストールするには、Microsoft .NET Framework 4.5.2 が必要です。また、ArcGIS Web Adaptor for IIS のインストールにも、Microsoft .NET Framework 4.5.2 以上が必要となります。Microsoft .NET Framework は、Microsoft のサイトからダウンロードできます。ご使用のオペレーティング システムに利用できる .NET Framework 4.x の最新バージョンを使用することをお勧めします。ArcGIS Enterprise 10.7.1 のリリースの時点では、最新バージョンは .NET Framework 4.8 でした。
使用手順:
- 「ライセンス アクションの実行」権限を使用して、My Esri にアクセスします。My Esri 内で、ライセンスを付与するソフトウェアのバージョンを選択し、ArcGIS Server および Portal for ArcGIS 用のライセンス ファイルを生成するための手順を実行し、該当する場合は、ユーザー タイプおよびアプリケーションをそれらのライセンス ファイルに含めます。ライセンス マネージャーを必要とする、GIS Professional ユーザー タイプ、ArcGIS Pro、Drone2Map for ArcGIS、またはその他のアプリケーションのライセンスを付与する場合、どのメンバーがそれらのアプリケーションを使用できるかを指定するために、ArcGIS 2019.0 License Manager も必要になります。詳細については、『Portal for ArcGIS 管理者ガイド』および『ArcGIS License Manager ガイド』をご参照ください。
- ライセンスおよび ArcGIS Enterprise のソフトウェア コンポーネント (Portal for ArcGIS、ArcGIS Data Store、ArcGIS Web Adaptor、および ArcGIS Server) をダウンロードします。これらのコンポーネントは、My Esri からダウンロードできます。ArcGIS Enterprise Builder、Chef、PowerShell、クラウド ツールなどの自動化ツールを使用して、インストールを簡単にすることもできます。自動化ツールの詳細については、「ArcGIS Enterprise の機能比較表」の 9 ページをご覧ください。
- ArcGIS Enterprise の旧バージョンからアップグレードする場合は、「ArcGIS 10.7.1 へのアップグレード」をご確認ください。ヘルプについては、対応するインストール ガイドをご参照ください。
ドキュメントやサポートなど、その他のリソースにアクセスするには、「ArcGIS Enterprise」のページをご覧ください。
構成内容
ArcGIS Enterprise 10.7.1 には、以下に説明するコンポーネントが含まれています。
- ArcGIS Server - マップ作成や解析を行う Web サービスのコア コンポーネント。ArcGIS Server は、リアルタイムのビッグ データなどの、自分の配置で有効にする機能に応じて、ケーパビリティ ベースのさまざまなロールでライセンスが提供されます。ArcGIS Server には、購入できる複数のエクステンションもあります。
- Portal for ArcGIS - マップ、アプリケーション、その他の地理情報を組織内の他のユーザーと共有することができます。
- Portal for ArcGIS Web Styles - ArcGIS Enterprise ポータルのシーン ビューアーで使用するための 3D シンボルの完全なセットを提供します。これは、Portal for ArcGIS セットアップに適用されます。
- ArcGIS Data Store - 配置内のホスト データ用のデータ格納を提供します。
- ArcGIS Web Adaptor - ArcGIS Server と Portal for ArcGIS を既存の Web サーバーおよび組織のセキュリティ メカニズムと統合できます。
- ArcGIS License Manager 2019.0 (Windows および Linux) - ArcGIS 10.7.1 を ArcGIS Pro ライセンスまたは Drone2Map for ArcGIS ライセンスで実行するには、このバージョンが必要です。これは、その他すべての ArcGIS 10.x 同時使用リリースもサポートしています。
- ArcGIS Coordinate Systems Data - GEOCON 変換方式に必要なデータ ファイルや米国 (VERTCON および GEOID12B) と世界 (EGM2008) 用の鉛直座標変換ファイルが含まれています。
- Database Server (Workgroup) - ジオデータベースを格納する SQL Server Express インスタンスのインストール。このコンポーネントは、ArcGIS Enterprise Workgroup でのみ利用できます。
ArcGIS Server の機能は、サーバー ライセンス ロールを通じて提供されます。これらのサーバー ライセンス ロールは、ArcGIS Enterprise の配置に次の機能を提供します。
- ArcGIS GIS Server - ArcGIS Enterprise の配置に対して基盤となるマッピング、解析、およびデータ管理機能を提供します。ArcGIS GIS Server を使用して、接続または切断された配置に対してサービスを公開し、レイヤーをホストして、Living Atlas of the World コンテンツを提供します。ArcGIS GIS Server は、OGC Web サービスおよびカスタム ジオプロセシング モデルをサポートします。これは、ArcGIS Enterprise の基本配置にホスティング サーバーを配置するために必要なライセンス ロールでもあります (ArcGIS Enterprise の一部として含まれます)。
- ArcGIS Notebook Server - 汎用的な Web ベースのインターフェイスで、ArcGIS Enterprise と統合された強力な地理空間データ解析機能を提供する Python ノートブックをホストします。ノートブックは、解析を実行し、ワークフローを自動化し、結果を地理コンテキストですばやく視覚化することができます。(オプション、個別にライセンス付与)。
- ArcGIS GeoEvent Server - リアルタイムのイベントベースのデータ ストリームを、ArcGIS Enterprise の配置で使用できるようにします。(オプション、個別にライセンス付与)。
- ArcGIS GeoAnalytics Server - ArcGIS Enterprise のビッグ データ処理および解析機能用です。大量のデータを解析するために、解析ツールのコレクションを強化する分散コンピューティング フレームワークを提供します。集約、回帰、検出、クラスタリングなどを実行して、ビッグ データを視覚化、理解、および操作することができます。GeoAnalytics Server を使用して、これ以外の方法ではデータに隠されていることがある、パターン、傾向、異常などについての洞察を得ることができます。(オプション、個別にライセンス付与)。
- ArcGIS Image Server - 画像、ラスター、リモート感知データの大規模なコレクションをホスト、処理、解析、探索するためのツールおよびリソースを提供します。(オプション、個別にライセンス付与)。
配置および自動化ツール:
- ArcGIS Enterprise Builder - 簡単なインストールおよび構成操作で、ArcGIS Enterprise の基本配置を 1 台のコンピューター上に設定できます。
- ArcGIS Enterprise Cloud Builder for Amazon Web Service - アマゾン ウェブ サービス (AWS) に ArcGIS Enterprise およびそのすべての機能を配置するのに役立ちます。これは、スクリプトに対して、グラフィカルなウィザードを使用したユーザー インターフェイスと、コマンドライン ユーザー インターフェイスの両方を提供します。オプションには、ArcGIS Enterprise の基本配置と、GIS Server、Image Server、GeoEvent Server、GeoAnalytics Server の機能との連携が含まれます。
- ArcGIS Enterprise Cloud Builder for Microsoft Azure - Microsoft Azure に ArcGIS Enterprise およびそのすべての機能を配置するのに役立ちます。オプションには、ArcGIS Enterprise の基本配置と、GIS Server、ArcGIS Image Server、ArcGIS GeoEvent Server、GeoAnalytics Server、ArcGIS Notebook Server の機能との連携が含まれます。
- Chef - ArcGIS Enterprise のインストールおよび構成を自動化するためのソフトウェア フレームワークです。詳細については、Chef のランディング ページをご覧ください。
- PowerShell - Esri は、PowerShell DSC (Desired State Configuration) を使用して ArcGIS Enterprise の配置を自動化するツールを提供しています。PowerShell DSC for ArcGIS モジュールを使用して、ArcGIS Enterprise 配置のインストール、アンインストール、アップグレードを自動化できます。また、このモジュールを使用してすでにインストールされている配置への増分的なソフトウェアの追加も自動化できます。PowerShell DSC for ArcGIS には、サンプルの JSON ファイルが含まれており、このファイルに特定の情報とパラメーターを追加してから、PowerShell コンソールで実行します。GitHub 上の PowerShell DSC for ArcGIS リポジトリで、詳細を確認して、使用を開始してください。
監視ツール:
- ArcGIS Monitor - システムの使用状況、パフォーマンス、ArcGIS 実装全体の状態について実用的な情報を得ることができます。ArcGIS Monitor 10.7.1 は、同じリリース バージョンの ArcGIS および引き続きサポートされている以前のバージョンと互換性があります (オプション、個別にライセンス付与)。
ArcGIS GIS Server の、次に示すその他のライセンス付きエクステンションは、個別のダウンロードで入手できます。
- ArcGIS Data Interoperability エクステンション - Safe Software の FME がサポートする 115 の GIS と CAD フォーマットを読み込んだり、処理することができます。
- ArcGIS Data Reviewer - 品質コントロールを管理し、データ品質を全体のデータ管理戦略の構成要素とするためのツールを提供します。
- ArcGIS Workflow Manager - Workflow Manager Web サービスを使用したワークフロー構成および実行ツールへのアクセスを提供します。
エクステンションの詳細については、ArcGIS GIS Server の機能およびエクステンションを御覧ください。
開発者ツール:
- ArcGIS Enterprise SDK - ArcGIS Pro から公開されたサーバー オブジェクト エクステンション (SOE) とサーバー オブジェクト インターセプター (SOI) を実装して ArcGIS Server マップ サービスを拡張する、Java および .NET 開発者向けのライブラリとドキュメントが利用できます。
- ArcObjects SDK for the Microsoft .NET Framework - ArcGIS Engine、ArcGIS Desktop、および ArcGIS Server のカスタマイズと拡張を行う Microsoft .NET Framework 開発者向けのドキュメントおよびサンプル コードが提供されます。
- ArcObjects SDK for Java - ArcGIS Server のカスタマイズと拡張を行う Java Platform 開発者向けのドキュメント、ツール、およびサンプル コードが提供されます。
次のアイテムも ArcGIS Enterprise で使用可能であり、[ダウンロード] → [製品] のページに用意されています。
- DBMS サポート ファイル - ジオデータベースに直接接続するためのクライアント ライブラリおよびデータベースです。
- ArcGIS Insights - このアプリには、Portal for ArcGIS を通じてアクセスし、ArcGIS Web サービス、Excel スプレッドシート、およびデータベース内に格納されたデータに関するデータ調査解析を繰り返し実行できます。ArcGIS Insights を使用するには、追加ライセンスが必要になります。
- Esri 境界レイヤー - Esri は、世界のさまざまな場所の境界や人口統計の情報を含むレイヤーを提供しています。これらのレイヤー (州、国勢調査エリア、郵便番号の境界など) には、ポータル メンバーがマップ、シーン、アプリ、フィーチャ解析ツール、および Insights for ArcGIS で使用できる、関連するローカル情報が含まれています。Insights for ArcGIS がインストールされている場合、または ArcGIS Enterprise の配置が ArcGIS Online にある ArcGIS Living Atlas of the World のコンテンツにアクセスできない場合は、これらのレイヤーを ArcGIS Enterprise で公開することを検討してください。
言語パック (近日公開予定)
次の ArcGIS コンポーネントには、ローカライズ版セットアップがあります。言語パックは個別には入手できません。
- ArcGIS Server
- Portal for ArcGIS
- ArcGIS Web Adaptor (IIS)
- ArcGIS Web Adaptor (Java Platform)
- ArcGIS Data Store
- ArcGIS GeoEvent Server
- ArcGIS Data Reviewer
- ArcGIS Workflow Manager
Portal for ArcGIS ヘルプ、ArcGIS Data Store ヘルプ、および Notebook Server ヘルプの言語パックを使用すると、追加した言語でドキュメントを表示できます。
ArcGIS 10.7.1 へのアップグレード
- ArcGIS 10.7.1 セットアップ パッケージは、同じ ArcGIS 製品の既存のインストールを検出してアップグレードします。インストール場所の設定は、アップグレードで保持されます。アップグレードのインストールおよび新規インストールの詳細については、インストール ガイドをご参照ください。アップグレードのインストールおよび新規インストールの詳細については、インストール ガイドをご参照ください。
- 既存の ArcGIS Enterprise 10.7 認証番号は ArcGIS Enterprise 10.7.1 でも使用できます。
ソフトウェア認証番号の取得
必要に応じて、お客様の組織の保守担当者様は My Esri から認証番号を取得できます。Esri アカウントでサイン インした後、[組織] > [ライセンス] > [認証の表示] の順にクリックします。認証番号を取得する製品名をクリックします。
ArcGIS 10.7.1 で ArcGIS Enterprise の認証に使用できるライセンス バージョンが、10.7 ~ 10.7.1 として [認証の表示] の下に表示されます。米国内のお客様は、Esri に連絡して、追加の Portal for ArcGIS の指定ユーザー ライセンスを注文する必要があります。米国以外のお客様は、地域の販売代理店に認証番号をお問い合わせください。