フィーチャ間の距離が近すぎたり遠すぎたりするため、目的の縮尺でシンボルやそのアノテーションを表示できない場合、スケマティック ダイアグラムは読みにくくなります。スケマティック レイアウトを適用して、スケマティック フィーチャ間の間隔を自動的に明確化および正規化することができますが、ArcGIS Schematics には、スケマティック ダイアグラム コンテンツを手動で調整するための一連のツールとコマンドも用意されています。
ArcGIS Schematics の調整ツールおよびコマンドは、次のようなタイプにグループ分けされています。
- スケマティック フィーチャの移動ツール
- 頂点編集ツール
- 配置コマンド
- バイパス ノード コマンド
- スケマティック フィーチャおよび頂点の削除コマンド
- ノード削減コマンド
- ツリーの回転コマンド
- リンク直角化コマンド
- 交差をマーク コマンド
スケマティック フィーチャの移動ツール
スケマティック フィーチャは、スケマティック ダイアグラム内で移動することができます。ArcGIS Schematics では、これらを移動するツールとして、[スケマティック フィーチャの編集/移動] 、[頂点移動] 、[セグメントの移動] 、および [ノード オン リンクの編集/移動] の 4 つを用意しています。これらのツールのほとんどは、デフォルトで [スケマティック エディター] ツールバーから使用できますが、アクティブなスケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始されている場合にのみ有効になります。
スケマティック フィーチャの編集/移動
[スケマティック フィーチャの編集/移動] ツール では、スケマティック フィーチャをクリックするか、スケマティック フィーチャを囲むようにボックスを描いて選択した後、アクティブなスケマティック ダイアグラム内でそのフィーチャを移動することができます。
スケマティック フィーチャ セットを選択する場合、原点または端点の各頂点を含むスケマティック ノードまたはセグメントが、異なる色で体系的にハイライト表示されます。ハイライト表示された頂点またはスケマティック ノードは、選択セットに適用される配置コマンドの参照ポイントとして使用されます。その他のコマンドへの影響はありません。
頂点移動
[頂点移動] ツール をクリックすると、スケマティック リンク上の頂点をクリックし、これを目的の場所にドラッグすることで、この頂点を移動することができます。
セグメントの移動
[セグメントの移動] ツール では、1 つ以上のスケマティック リンク上に表示される 1 つのセグメントまたはセグメント セットを移動することができます。1 つのセグメントを移動するには、セグメントをクリックしてドラッグします。複数のセグメントを同時に移動するには、Shift キーを押しながら各セグメントをクリックして選択し、Shift キーを放して目的の場所までドラッグします。
ノード オン リンクの編集/移動
[ノード オン リンクの編集/移動] ツール をクリックすると、アクティブなスケマティック ダイアグラムで 1 つのスケマティック ノード オン リンクをクリックして選択し、これを参照リンクに沿って移動することができます。ノード オン リンクをその参照リンクの原点ノードおよび端点ノードを超えて移動することはできません。
頂点編集ツール
ArcGIS Schematics では、リンク上に表示されている頂点を編集および移動するツールとして、[頂点追加] 、[頂点削除] 、[頂点移動] 、[セグメントの移動] 、[頂点編集] の 5 つを用意しています。これらのツールのほとんどは [スケマティック エディター] ツールバーにあり、アクティブなスケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始されている場合にのみ使用できます。
頂点追加
[頂点追加] ツール をクリックすると、スケマティック リンク上のポイントをクリックしてドラッグすることにより、このリンクに新しい頂点を作成することができます。
頂点削除
[頂点削除] ボタン をクリックすると、スケマティック リンク上の頂点をクリックして削除することができます。
頂点移動
[頂点移動] ツール をクリックすると、頂点移動モードが有効になります。このツールについては、上の「スケマティック フィーチャの移動ツール」セクションで説明しています。
セグメントの移動
[セグメントの移動] ツール をクリックすると、セグメントの移動モードが有効になります。このツールについては、上の「スケマティック フィーチャの移動ツール」セクションで詳しく説明しています。
頂点編集
[頂点編集] ツール をクリックすると、頂点編集モードが有効になります。この多機能ツールにより、スケマティック リンク上の頂点の追加、削除、または移動を行うことができます。このツールでは、スケマティック リンク上に表示されている 2 つの頂点を結ぶセグメントを移動することもできます。頂点編集モードを有効にすると、以下のことが可能です。
- スケマティック リンクに新しい頂点を追加するには、目的のリンクをクリックして選択します。次に、このリンク上のポイントをクリックしてドラッグします。
- スケマティック リンク上の頂点を削除するには、目的のリンクをクリックして選択します。次に、Alt キーを押しながら、削除する頂点をクリックします。
- スケマティック リンク上の頂点を移動するには、目的のリンクをクリックして選択します。次に、移動する頂点をクリックしてドラッグします。
- スケマティック リンク上の 2 つの頂点を結ぶセグメントを移動するには、目的のリンクをクリックして選択します。次に、Ctrl キーを押しながら、セグメントをクリックして目的の場所までドラッグします。2 つの頂点を結ぶセグメントだけを移動できます (このツールではリンクの最初と最後のセグメントは移動できません)。
配置コマンド
ArcGIS Schematics では、スケマティック ダイアグラムで選択したノード セットを配置するコマンドとして、[水平中央揃え] 、[垂直中央揃え] 、および [角度を指定して配置] の 3 つを用意しています。これらのコマンドは、[スケマティック エディター] ツールバーの [スケマティック エディター] → [ノードの整列] メニューから使用できます。アクティブなスケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始され、アクティブなダイアグラムで 2 つ以上のスケマティック ノードが選択されているか、スケマティック ノードが 1 つ選択され、1 つの頂点が参照ポイントとして設定されている場合にのみ、これらのコマンドを使用できます。
すべての配置コマンドは、選択したスケマティック フィーチャの中で、デフォルトで赤くハイライト表示されている参照ポイントから動作します。参照ポイントは、選択されているいずれかのスケマティック ノード、または選択されているスケマティック リンク上の頂点です。
スケマティック ノードを参照ポイントとして指定するには、以下の操作を実行します。
- 目的のスケマティック ノードが選択されていない場合は、これを選択します。
- Ctrl キーを押しながら、そのノードを再度クリックします。
頂点を参照ポイントとして指定するには、以下の操作を実行します。
- 目的の頂点があるスケマティック リンクが選択されていない場合は、これを選択します。
- Ctrl キーを押しながら、目的の頂点をクリックします。
垂直中央揃え
[垂直中央揃え] ボタン をクリックし、選択したスケマティック ノード セットを垂直に移動すると、各ノードが同じ水平軸上に沿って表示されます。水平軸は参照ポイントの現在の y 座標に基づきます。
水平中央揃え
[水平中央揃え] ボタン をクリックし、選択したスケマティック ノード セットを水平に移動すると、各ノードが同じ垂直軸上に沿って表示されます。垂直軸は参照ポイントの現在の x 座標に基づきます。
角度を指定して配置
[角度を指定して配置] ボタン をクリックし、選択したスケマティック ノード セットを以下の要素で定義する虚数軸に沿って移動すると、各ノードが整列します。
- 軸の原点を決める参照ポイント。
- [スケマティック編集オプション] ダイアログ ボックスの [ノードの整列] タブで指定されている、軸の傾きを定義する角度。
リンク直角化
[リンク直角化] コマンド では、アクティブなスケマティック ダイアグラムで選択したスケマティック リンクに沿って頂点の計算と挿入が行われ、これらのリンクが直角に表示されます。アクティブなスケマティック ダイアグラムでスケマティック リンクが選択されていない場合、このコマンドはスケマティック ダイアグラム内のすべてのリンクに適用されます。
このコマンドは、[スケマティック エディター] ツールバーの [スケマティック エディター] → [リンク直角化] メニュー にあり、アクティブなスケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始されている場合にのみ有効になります。
リンク直角化プロセスにおいて、リンクに自動的に挿入される頂点の位置は、以下のように現在の位置に従って計算されます。
- スケマティック リンクの原点ノードと端点ノード
- それらの頂点 (スケマティック リンク上に頂点がすでに存在し、かつ [スケマティック編集オプション] ダイアログ ボックスの [リンク直角化] タブで [パス (経路) を維持] チェックボックスがオンになっている場合)
スケマティック リンク上に頂点がすでに存在し、[パス (経路) を維持] チェックボックスがオンになっている場合、リンクの方向が考慮されます。その場合、スケマティック リンク上の頂点は、リンク上の 1 つ目の頂点から最後の頂点まで順番に処理されます。
ツリーの回転
[ツリーの回転] コマンド では、[スケマティック編集オプション] ダイアログ ボックスの [ツリーの回転] タブで設定されているパラメーターに従って、アクティブなスケマティック ダイアグラムで現在選択されているスケマティック ノードに関連付けられたツリーを回転させます。[ツリーの回転] タブでは、回転角度の値と、アルゴリズムによって適用されるその他のパラメーターが指定されます。
このコマンドは、[スケマティック エディター] ツールバーの [スケマティック エディター] → [ツリーの回転] メニュー にあります。これは、アクティブなスケマティック ダイアグラムで 1 つのスケマティック ノードが選択され、そのダイアグラムで編集セッションが開始されている場合にのみ有効になります。
バイパス ノード
[バイパス ノード] コマンド では、アクティブなスケマティック ダイアグラムでスケマティック リンクの選択セットを再描画することで、ノードの交差を回避します。1 つまたは複数のスケマティック ノードを通るスケマティック リンクが (可能な場合には) ノードを避けて移動します。スケマティック リンクのパスに頂点が挿入されます。アクティブなスケマティック ダイアグラムで選択セットが定義されていない場合、このコマンドはダイアグラム内のすべてのスケマティック フィーチャに適用されます。
[バイパス ノード] コマンドは、[スケマティック エディター] ツールバーの [スケマティック エディター] → [バイパス ノード] メニュー にあります。これは、ダイアグラムで編集セッションが開始されている場合にのみ使用できます。
スケマティック リンクの再接続
[スケマティック リンクの再接続] ツール では、スケマティック リンクをその原点ノードまたは端点ノードから切り離し、別の原点ノードまたは端点ノードに再接続できます。特定のポートにあるスケマティック リンクを接続することもできます。
以下に、このツールの使用方法を説明します。
- 切り離す原点/端点ノードに最も近いリンク セグメント上のポイント (セグメントが 1 つしかない場合には、リンクの中心よりもそのノードに近い場所) でマウスのボタンを押したままにします。リンクが自動的に切り離され、クリックした位置が、再接続する原点/端点ポイントになります。
- このポイントを、目的の新しい原点/端点ノードまたは原点/端点ポートにドラッグします。
ダイアグラムに対する編集を保存した場合、再接続が保存されます。[手動で移動、削除、再接続されたフィーチャは維持する] オプションをオンにしてダイアグラムを更新した場合、これも維持できます。
アクティブなスケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始されている場合にのみ、このツールを使用できます。
スケマティック フィーチャおよび頂点の削除コマンド
ArcGIS Schematics には、スケマティック ダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャおよび頂点を削除するためのコマンドが 2 つ用意されています。これらのコマンドは、[スケマティック エディター] ツールバーの [スケマティック エディター] メニューにあり、アクティブなスケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始されている場合にのみ使用できます。
スケマティック フィーチャの削除
[スケマティック フィーチャの削除] ボタン をクリックすると、アクティブなスケマティック ダイアグラムで現在選択されているスケマティック フィーチャが削除されます。[スケマティック フィーチャの削除] コマンドを実行してスケマティック ノードを削除すると、選択されているかどうかにかかわらず、そのノードに接続されているスケマティック リンクも削除されます。
ダイアグラムに対する編集を保存した場合、スケマティック フィーチャの削除が保存されます。[手動で移動、削除、再接続されたフィーチャは維持する] オプションをオンにしてダイアグラムを更新した場合、これらも維持できます。
アクティブなスケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始され、そのダイアグラムでスケマティック フィーチャが選択されている場合にのみ、このコマンドを使用できます。
スケマティック頂点の削除
[スケマティック頂点の削除] コマンド では、アクティブなスケマティック ダイアグラムで選択されているスケマティック リンクから、すべての頂点を削除します。アクティブなダイアグラムでリンクが選択されていない場合、ダイアグラム内のすべてのリンクからすべての頂点が削除されます。ダイアグラムを保存すると、リンク上の頂点は失われます。
ノードの削減
[ノード削減] コマンド では、アクティブなスケマティック ダイアグラムで現在選択されている各スケマティック ノードを削減します。選択されているすべてのノードがメモリから削除され、それらのノードに接続されていたリンクが再接続されます。スケマティック ノードは選択された順序で処理されます (最初に選択されたスケマティック ノードが最初に処理されます)。削減された各ノードの最短の接続リンクはグラフィックスから削除されます。この最短リンクのもう一方の端点ノードには他の接続リンクが再接続されます。
ダイアグラムに対する編集を保存した場合、削減が保存されます。[手動で移動、削除、再接続されたフィーチャは維持する] オプションをオンにしてダイアグラムを更新した場合、これも維持できます。
このコマンドは、[スケマティック エディター] ツールバーの [スケマティック エディター] → [ノード削減] メニューにあります。アクティブなスケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始され、そのダイアグラムでスケマティック フィーチャ セットが選択されている場合にのみ、このコマンドを使用できます。
交差をマーク
[交差をマーク] コマンドでは、2 つのスケマティック リンクが交差する場所への交差マークの表示/非表示を切り替えます。
- [交差をマーク] メニュー アイテムがオフになっている場合にこれをクリックすると、アクティブなスケマティック ダイアグラム内で直角に交差している水平スケマティック リンクと垂直スケマティック リンクを検出し、検出された交差を示すシンボルを水平スケマティック リンク上に配置するアルゴリズムが開始します。このメニュー コマンドにチェックマークが付きます。
- [交差をマーク] メニュー アイテムがオンになっている場合にこれをクリックする (オフにする) と、アクティブなスケマティック ダイアグラムから交差マークがすべて削除されます。
[交差をマーク] による検出および配置は、[スケマティック編集オプション] ダイアログ ボックスの [交差をマーク] タブで、[ダイナミック モード] チェックボックスがオンの場合に、ダイアグラムでスケマティック フィーチャが移動すると自動的に開始します。これにより、ダイアグラムで編集作業をした後は、交差マークがいつでも正しい位置に配置されます。