Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
パーセル トラバース グリッドにデータを入力する際、複数のショートカットとオーバーライドを使用することができます。
パーセル トラバースの入力
パーセル トラバース グリッドへのデータ入力は、キーボード上のテンキーやその近くの他のキーを使用すると、最適に機能します。例として、次の連続するコースを考えてみましょう。
- N45°59'59'"E、100.00 フィート
- 正接円弧の左半径 50 フィート、円弧長 60 フィート
- 出口曲線の正接直線 50 フィート
- 左に 90 度の方向の直線 75 フィート
プランの単位をフィートに設定し、四分円の方位角と度数を分と秒に設定して、曲線エントリを弦方向と円弧長に設定すると、キー ストロークは次のようになります。
- 45.5959-1 ENTER 100 ENTER
- *ENTER 0 ENTER -50 ENTER 60 ENTER
- *ENTER 50 ENTER
- -90 ENTER 75 ENTER
次の点に注意してください。
- 前のコースへの正接を示すには、アスタリスク (*) を使用します。
- 円弧を定義するには、[距離] フィールドに「0」を入力し、ENTER を押して、曲線パラメーター フィールドに移動します。
- 左側の曲線に対しては、負の半径の使用についての測量規則が使用されます。
- 90 度 (または好きな角度) で、前のラインの正接の右 (+) または (-) にラインを定義することができます。
データの再利用
Shift キーを押したまま、以前に入力したトラバース ラインをクリックすると、[ライン] グリッドですでに入力したコースのデータを再利用することができます。これは次の手順で行います。
- [ライン] グリッドで、[方位角] フィールドがフォーカスされていることを確認します。
- Shift キーを押したまま、作図ツール を使用して、入力されているマップ上のトラバース ラインをクリックします。ラインの開始ポイントに接近した箇所をクリックすると、ラインの最初の方位角に比べて 180 度差の方位角が得られます。
その方位角が自動的に入力され、[距離] フィールドがフォーカスされます。
- Shift キーを押したまま、同じラインを再度クリックします。[距離] フィールドに、ラインの距離が自動的に入力されます。
ラインのカテゴリ
ライン カテゴリは、パーセル構造を表すために内部的に定義および使用されます。たとえば、境界カテゴリの一連のラインで閉ループを形成すると、パーセルが作成されます。接続カテゴリのラインによる閉ループでは、パーセルは作成されません。
次のライン カテゴリを利用できます。
- 境界線 (カテゴリ 0) - パーセル ファブリックのパーセルまたは閉じていないパーセルの境界線を表します。
- 依存ライン (カテゴリ 1) - パーセル境界線に依存するラインを表します (たとえば、地役権を示すライン)。依存ラインはパーセルの境界を定義しません。つまり、依存ラインの閉じたループではパーセルは作成されません。
- 精密接続 (カテゴリ 2) - パーセル ポイントを近くの位置にあるコントロール ポイントに接続するラインを表します。パーセル ファブリック アジャストでは、精密接続線により、接続されているパーセル ポイントの上にコントロール ポイントが配置されます。精密接続線は、始点がパーセル ポイントで、終点がコントロール ポイントにする必要があります。始点をコントロール ポイントにすること、すなわち、向きを逆方向にすることはできません。
- 接続 (カテゴリ 3) - 公道間でパーセル ポイントを接続したり、パーセル ポイントをコントロール ポイントに接続するラインを表します。接続線は、パーセル ファブリックに接続性を追加して、パーセル ファブリック アジャストで調整可能なネットワークを形成するために使用されます。接続線はパーセルの境界を定義しません。つまり、接続線の閉じたループではパーセルは作成されません。
- 半径 (カテゴリ 4) - 曲線の端点から曲線の中心点に向かうラインを表します。半径ラインは、カーブした境界線で自動的に生成されて維持されます。半径ラインは、パーセルを開いたときにだけ表示されます。
- 間口 (カテゴリ 5) - 道路または公道に接するパーセルの境界を表します。新しいパーセルを作成するときに、道路に沿ったパーセル ラインに対して [境界] カテゴリの代わりに [間口] カテゴリを使用できます。
- 原点接続 (カテゴリ 6) - 始点をパーセルの開始点に接続するラインを表します。新しいパーセルを作成するときは、常に原点接続線を最初に入力し、続いてパーセルの残りのトラバース ラインを入力します。
- パート コネクタ (カテゴリ 7) - マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルのパートまたはリングを接続するラインを表します。部分接続ラインは、マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルがパーセル ファブリックに移行されたときに、自動的に生成されます。マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルを作成するときに、部分接続ラインを使用して部分またはリングを接続します。
パーセル トラバースの閉合
パーセル トラバース ループの最後のコースを入力すると、終点が、閉合に指定した許容値内である場合、ラインの終点は、トラバースの始点に自動的にスナップされます。閉合の許容値を指定するには、([パーセル エディター] > [オプション] の順に選択して)[パーセル エディターのオプション] ダイアログ ボックスを開き、[許容値] タブをクリックします。
また、トラバースの最後のコースに入力した最後のディメンションの後ろにアスタリスクを入力して、トラバースを閉じることもできます。アスタリスクは、[ライン] グリッドの最後のコースの [To] フィールド内で自動的に始点の番号を配置します。たとえば、トラバースの最後のコースが S42°32'10"E 129.70 フィートである場合、以下のように入力します。
42.3210-2 ENTER 129.7* ENTER
パーセルの閉合差の確認
パーセル境界は、一般的に COGO (方位、距離、半径、円弧長など) ディメンションの未加工の測量計測値で定義されます。多くの場合、これらのディメンションではパーセル ポリゴンが正確に閉じられません。つまり、このディメンションを使用してパーセル境界の周囲を計算すると、開始点の正確な座標に戻りません。パーセルの開始座標と終了座標の差異は、パーセル閉合差と呼ばれ、これがパーセルのディメンションの精度の尺度になります。閉合差が小さいほど、パーセルのディメンションの精度が上がります。大きい閉合差がある場合は、元の測量値かデータ入力に大きなエラーがあることを示しています。
閉合差の比率と閉合差の距離は、パーセル ファブリックのパーセルごとに保存されます。閉合差の距離は、パーセル トラバースの開始座標と終了座標の差異です。閉合差の比率は、閉合差の距離をパーセル トラバースに属するすべてのラインの合計距離で割ってから、その値を逆数で表したものです。閉じたパーセルの場合、閉合差の距離は、周長を定義するラインのレコード値で割ったものです。例を以下に示します。
0.89 (misclose distance) ÷ 2466.05 (perimeter) = 0.00036090 1 ÷ 0.00036090 = 2770.8 Misclose Ratio = 1:2771
パーセルの閉合差の距離と閉合差の比率は、[パーセル] テーブルの [閉合差の距離] 属性と [閉合差の比率] フィールドに保存されます。これらのフィールドは、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [プロパティ] タブにも表示されます。
パーセルの閉合差の比率が 1:1 〜 1:1500 の場合、エラーがないか確認して評価してください。閉合差の比率が 1:1500 〜 1:100000 の場合は、許容できます。
パーセル トラバースの調整
パーセル トラバースを調整して、閉合差を削除できます。[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [閉合] タブで、使用する調整方法を指定できます。次の 3 種類の閉合調整方法から選択できます。
- コンパス調整
- トランジット調整
- クランダル調整
[閉合] タブの [計算値] で、調整されたトラバースのディメンションを確認することができます。調整されるディメンションは、指定された閉合方法を使用し、入力されたディメンションに閉合のアジャストを適用することによって計算されます。2 つのディメンションの差は、[残差値] 列に表示されます。入力されたディメンションが計算によるディメンションによって変更されることはありません。計算によるディメンションには、閉合のアジャストが適用された後に、パーセルのジオメトリが反映されます。
[閉合] タブで、パーセル トラバースに開始座標を割り当てることができます。閉じていないパーセルを作成する場合は、トラバースに終了座標を割り当てることができます。座標を割り当てるには、マップ上の既存のフィーチャにスナップするか、X,Y 値を入力します。
閉じたループのパーセル トラバースを操作している場合、終了座標のテキスト ボックスと [計算] ボタンは使用できません。終了座標は、指定された開始座標と同じです。開始座標を割り当てたら、[ライン] タブをクリックして、トラバース ディメンションを入力します。トラバースは許容値に基づくか、アスタリスクは (*) を使用して開始座標に閉じられます。
閉じていないパーセル トラバースに開始および終了座標を割り当てるには、[プロパティ] タブにある [未閉合] 属性を [True] に設定します。この属性を [True] に設定すると、終了座標のテキスト ボックスと [計算] ボタンが使用可能になります。開始および終了座標を割り当てたら、[ライン] タブをクリックして、トラバース ディメンションを入力します。トラバースを終点座標に閉じるには、[計算] をクリックします。トラバースの終点と割り当てた終了座標の間に閉合差がある場合は、指定された閉合方法を使用し、トラバースを通じてアジャストされます。
180 度を超える曲線の入力
180 度を超える曲線を入力するには、トラバース グリッドの [Delta] フィールドで曲線の中心角を入力するか、[Chord] フィールドで負の値を入力します。中心角を入力するには、プランの曲線パラメーターを [半径と中心角] に設定する必要があります。負の弦を入力するには、プランの曲線パラメーターを [半径と中心角] に設定する必要があります。曲線が左向きの場合は、半径値の前にマイナス記号 (-) を追加します。
プランの曲線がさまざまな曲線パラメーターで機能している場合は、[ArcLength] または [Chord] フィールドをオーバーライドすることによって中心角を入力できます。[Arc Length] フィールドをオーバーライドして、弦の長さを入力できます。以下にある曲線パラメーターのオーバーライドに関する表をご参照ください。
元に戻す/やり直し操作
[標準] ツールバーの [元に戻す] または [やり直し] をクリックして、パーセル トラバース グリッドへのデータ入力の変更を元に戻すか、またはやり直します。トラバース グリッドのすべてのフィールドの編集、およびトラバース コースの追加を元に戻すか、またはやり直すことができます。
ショートカット
四分円方位角形式を使用して方位角を入力するときは、必要な文字を入力する代わりに、数字を使用して四分円を指定することができます。この場合、テンキーだけで作業できるため、データ入力処理が高速化されます。次の表に、それぞれの四分円を表すために使用できる数字を示します。
四分円の指定
四分円 | キー ストローク | グリッド列の使用フィールド | 例 |
---|---|---|---|
北東の四分円 (NE) | -1 | 方位 | 45-59-59-1 |
南東の四分円 (SE) | -2 | 方位 | 45-59-59-2 |
南西の四分円 (SW) | -3 | 方位 | 45-59-59-3 |
北西の四分円 (NW) | -4 | 方位 | 45-59-59-4 |
ドロップダウン リスト (正確度、カテゴリ) をクリックしてパラメーターを設定する代わりに、F9 や F10 などのキーボード ショートカットを使用して、ドロップダウン リストのアイテムを切り替えることができます。次の表に、トラバース グリッドでドロップダウン リストを切り替えるために使用できるキーボード ショートカットを示します。
ドロップダウン リスト
ドロップダウン リスト | キーストローク | グリッド列の使用フィールド |
---|---|---|
[Category] 列のオプションを切り替える | F9 | Category |
[Accuracy] 列のオプションを切り替える | F10 | Accuracy |
オーバーライド
ときにはプラン上の曲線が、1 組の曲線パラメーターだけでは表現できない場合があります。プランに指定したパラメーターとは異なる曲線パラメーターを使用して曲線を入力しなくてはいけない場合もありえます。パーセル トラバース グリッドで現在のプランの曲線パラメーターを表示するには、[プラン] をクリックし、[プラン ディレクトリ] ダイアログ ボックスで選択されたプランを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。プランの単位とパラメーターは、[プラン プロパティ] ダイアログ ボックスの [記録形式] タブで設定します。曲線パラメーターを変更する代わりに、トラバース ライン入力グリッドで現在設定されている曲線パラメーターをオーバーライドできます。次の表に、プランの現在の曲線パラメーターをオーバーライドするために使用できる文字を示します。
曲線パラメーターのオーバーライド
オーバーライド内容 | キー ストローク | グリッド列の使用フィールド | 例 |
---|---|---|---|
正接方位角 | tb または TB | 方位 | 20-1tb (四分円方位角を使用) |
半径の方位角 | rb または RB | 方位 | 45-4rb (四分円方位角を使用) |
弦の方位角 | cb または CB | 方位 | 45-4cb (四分円方位角を使用) |
正接の長さ | t または T | Arc Length、Delta、Chord | 25.01t |
弦の長さ | c または C | Arc Length、Delta、Chord | 25.01c |
円弧長 | a または A | Arc Length、Delta、Chord | 25.01a |
デルタ (中心角) | d または D | Arc Length、Chord | 90-59-59d |
パーセル トラバース ライン グリッドで距離単位をオーバーライドできます。新規または既存のパーセルの距離単位は、パーセルのプラン レベルで設定されます。パーセル トラバース グリッドで現在のプランの距離単位を表示するには、[プラン] をクリックし、[プラン ディレクトリ] ダイアログ ボックスで選択されたプランを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。プランの単位とパラメーターは、[プラン プロパティ] ダイアログ ボックスの [記録形式] タブで設定します。
距離単位は、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [ライン] タブの [Distance]、[Radius]、および [ArcLength] フィールドで、以下の表に示された単位を使用してオーバーライドできます。
オーバーライド内容 | キー ストローク | 例 |
---|---|---|
メートル | m または M | 25m |
ミリメートル | mm または MM | 25mm |
センチメートル | cm または CM | 25cm |
キロメートル | km または KM | 25km |
フィート | ft または FT | 25ft |
ヤード | yd または YD | 25yd |
インチ | in または IN | 25in |
マイル | mi または MI | 25mi |
チェーン | ch または CH | 25ch |
リンク | lk または LK | 25lk |
ロッド | rd または RD | 25rd |
サーベイ フィート | ftus または FTUS | 25ftus |
サーベイ ヤード | ydus または YDUS | 25ydus |
サーベイ マイル | mius または MIUS | 25mius |
サーベイ チェーン | chus または CHUS | 25chus |
サーベイ リンク | lkus または LKUS | 25lkus |
サーベイ ロッド | rdus または RDUS | 25rdus |
ローマン マイル | rmi または RMI | 25rmi |
NauticalMiles | nm または NM | 25nm |
トラバース グリッドへのデータの追加
新しいパーセルを作成する場合、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [Cadastral XML の読み込み] をクリックして、Cadastral XML ファイルから [ライン] グリッドにパーセル トラバースを追加します。Cadastral XML の読み込み機能により、1 セットのパーセル トラバース ラインが追加されます。Cadastral XML ファイルで保存される設定済みライン属性も [ライン] グリッドの対応する属性に追加されます。
Cadastral XML ファイルからトラバース ラインを読み込むには、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスで [Cadastral XML の読み込み] をクリックします。トラバース ラインとその属性のみが [ライン] グリッドに読み込まれます。[StatedArea]、[Rotation]、[Scale]、および [MiscloseDistance] 属性は例外として、パーセル プラン、テンプレート、[正確度] などの他の属性は読み込まれません。この情報は、新しいパーセルを作成する際に定義する必要があります。[StatedArea]、[Rotation]、[Scale]、および [MiscloseDistance] 属性はパーセル トラバースのものであるため、これらの属性は Cadastral XML ファイルからトラバース ラインを読み込む際に設定されます。