ArcGIS 10.x クライアントおよび ArcGIS Pro クライアントを 10.x エンタープライズ ジオデータベースに接続することはできますが、使用しているデータベース管理システムのバージョンが接続元の ArcGIS クライアントのバージョンと互換性がある必要があります。使用する ArcGIS クライアント バージョンについては、「Microsoft SQL Server データベース要件」をご参照ください。
クライアントを Collector for ArcGIS や Survey123 for ArcGIS などの ArcGIS Server サービスに接続して使用する場合、実際には ArcGIS Server がジオデータベースのクライアントになる点に注意してください。この場合は、ArcGIS Server とジオデータベースのバージョンに互換性があることを確認してください。
新しいクライアントから古いリリースのジオデータベースへ接続することにより、クライアントのアップグレードと同時にジオデータベースをアップグレードすることなく、ジオデータベースを使用することができます。お使いの環境で、クライアント インストールのリリースを混在させることもできます。たとえば、ある部門が最新バージョンの ArcGIS クライアントで使用できるように更新されていないカスタム アプリケーションを使用する場合、ジオデータベースを 10.6.x リリースで維持し、この部門のユーザーを古いリリースのクライアントで維持したまま、組織の他のクライアントを現在のリリースにアップグレードすることができます。ただし、ジオデータベースがアップグレードされるまで、現在のリリースのクライアントは最新のジオデータベースの機能を使用できないことに注意してください。
ジオデータベースを ArcGIS Pro から作成またはアップグレードする場合、ジオデータベースに格納されるバージョン番号に、ArcGIS のバージョンおよび ArcGIS Pro のバージョンの両方が含まれるということに注意してください。たとえば、エンタープライズ ジオデータベースを ArcGIS Pro 2.3 から作成する場合、そのジオデータベースのバージョンは 10.7.0.2.3 になります。
混在したバージョンの接続に関するルール
混在したバージョンの接続を使用するかどうかを判断する際は、次の点に留意してください。
- 組織が ArcGIS 10.5、ArcGIS Pro 1.4、および古い ArcGIS クライアントを混在させて 10.5 以降のバージョンのジオデータベースと使用している場合、古いクライアントは、ArcGIS 10.5、ArcGIS Pro 1.4、または新しいクライアントを使用して作成したデータセットを開けません。古い ArcGIS クライアントを維持する必要がある場合は、すべての新しいデータセットを古い ArcGIS クライアントを使用して作成または読み込んでください。
- 古い ArcGIS クライアント バージョンでは、新しいバージョンのジオデータベースのデータを表示、検索、編集、および保存することはできますが、新しい機能が含まれたデータセットを開くことはできません。
- 新しいバージョンのクライアントから以前のバージョンのエンタープライズ ジオデータベースに接続する場合は、使用するバージョンのジオデータベースが提供している機能しか利用できません。これは API の機能にも当てはまります。接続するジオデータベースのバージョンにその機能が存在しない場合、新しい API 関数を使用できません。
- ArcGIS クライアントから古いリリースのエンタープライズ ジオデータベースに接続するには、ジオデータベースを最新のサービス パックまたはそのリリースのパッチにアップグレードする必要があります。たとえば、ArcGIS Server 10.7 から 10.6.1 エンタープライズ ジオデータベースに接続する場合は、最新の 10.6.1 パッチをジオデータベースに適用する必要があります。
- ArcGIS Pro に固有の機能を ArcMap 内で開くことはできません。たとえば、ArcMap からは SAP HANA のジオデータベースにもユーティリティ ネットワークにもアクセスできません。
- ジオデータベースを 10.7.x にアップグレードし、ArcGIS Pro で [データセットのアップグレード (Upgrade Dataset)] ジオプロセシング ツールを使用してディメンション フィーチャクラスをアップグレードすると、そのフィーチャクラスを ArcMap 10.7 以降のリリースで開くことができなくなります。