適切な画像を探すことは、特に組織内のコンピューターやサーバーに大量の画像データが保存されている場合、単調で退屈な作業になりがちです。これらの画像は、格納形式が異なっていたり、ラスター プロダクトとして配置されていたりする場合があります。ArcGIS の検索機能は、ラスター データを簡単に検索できるようにします。[検索] ウィンドウでは、サポートされているすべてのラスター データ タイプ (ラスター データセット、モザイク データセット、ラスター カタログ、ラスター プロダクト、モザイク データセット アイテム、イメージ サービス アイテム) を検索できます。
センサー名、形式、雲量など、さまざまな画像プロパティに基づいてラスターを検索できます。センサー名、プロダクト タイプ、データセット タグなどのアイテムを使用して、キーワード検索を実行できます。たとえば、[検索] ウィンドウに「quickbird」と入力すると、検索エンジンはデータセット プロパティのセットから一致する文字列を検索します。
検索の構築
画像の主なプロパティを使用して、構造化された検索を実行することもできます。構造化された検索では、キーワード検索よりも詳細な検索を実行して検索結果を絞り込むことができます。たとえば、「sensorname:landsat* AND type:"Raster Product"」で検索を行うと、Landsat ラスター プロダクトだけが返されます。その他のデータ タイプや、ファイル名やパスに landsat というテキストが含まれていないデータは、フィルターにより除外されます。
次の表に、構造化された検索で使用される、画像に固有のフィールドと値をすべて示します。
フィールド名 | フィールドの説明 | 値 | 例 |
---|---|---|---|
rasterdatatype | データ ソース タイプ。 | generic、elevation、thematic、processed など。 |
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acquisitiondate | 画像が取得された日付。 | System.DateTime.Parse の要件に準拠するデータ形式。 推奨される形式:
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cloudcover | 画像の雲量の割合。 | 0 ~ 100 (パーセント)。 |
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sensorname | センサーの名前。 | ラスター タイプと同じ名前 (IKONOS-2、LANDSAT 7 ETM+ など)。 |
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productname | センサーが提供するプロダクトの名前。 | 衛星センサー ラスター タイプと同じ名前 (Geo、Standard、Level1A など)。 |
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sunazimuth | 取得した画像での太陽の方位角。 | 0 ~ 360 の値。たとえば、172.34。 |
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sunelevation | 取得した画像での太陽の高度角。 | 0 ~ 90 の値。たとえば、29.72。 |
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sensorazimuth | 取得した画像でのセンサーの方位角。 | 0 ~ 360 の値。たとえば、228.72。 |
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sensorelevation | 取得した画像でのセンサーの高度角。 | 0 ~ 90 の値。たとえば、74.64。 |
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offnadir | 画像を取得したときのカメラのオフナディア角。 | 0 ~ 90 の値。たとえば、15.36。 |
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bandnames | バンド名のリスト。 | Red、Green、Blue、Near Infrared、CoastalBlue など。 |
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rasterdatasettag | モザイク データセットにおけるラスター プロダクトのタイプまたはラスター アイテムのタイプを説明するタグ。 | たとえば、MS、Pan、Pan sharpen、Thermal など。 |
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format | ラスター フォーマットを表す文字列。 | TIFF、IMAGINE Image など。 |
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検索結果を対象にして操作を実行できます。画像検索の結果を、モザイク データセットに追加することができます。検索を実行した後、[操作] をクリックして [すべてをモザイクに追加] をクリックします。
画像を検索する際の一般的なワークフロー
次に、画像を検索する際のワークフローの例をいくつか示します。
分析範囲内にある特定のラスター タイプの新規画像を検索する
このワークフローでは、分析範囲内にある最新の Quickbird 画像を検索する方法を示します。
- ArcMap で、分析範囲を拡大表示します。
- [検索] ウィンドウを開き、[画像] フィルターをクリックして、[ラスター プロダクト] タイプをクリックします。
- [検索] テキスト ボックスに、クエリを「type:"Raster Product" AND sensorname:quickbird」と入力します。
- 範囲を指定するドロップダウン メニューをクリックし、[現在の範囲内] を選択します。
- [並べ替え] ドロップダウン メニューをクリックし、[取得日] オプションを選択します。検索結果の先頭に、最新の画像が表示されます。
- 直近の検索結果を右クリックして [マップに追加] または [モザイクに追加] を選択します。
前の手順で選択したオプションに応じて、ArcMap はクエリ結果をマップに表示するか、クエリ結果を [モザイク データセットにラスターを追加 (Add Rasters to Mosaic Dataset)] ツールに読み込みます。
特定のラスター タイプおよび特定の属性を持つモザイク データセットを作成する
このワークフローでは、1972 年以降に取得した、雲量が 5 パーセント未満の Landsat 画像を使用して、モザイク データセットを作成する方法を示します。
- [検索] ウィンドウを開き、[画像] フィルターをクリックして、[ラスター プロダクト] タイプを選択します。
- [検索] テキスト ボックスに、クエリを「type:"Raster Product" AND sensorname:landsat* AND cloudcover<5 AND acquisitiondate>"1/1/1972"」と入力します。
- [モザイク データセットの作成 (Create Mosaic Dataset)] ツールを使用して、モザイク データセットを 8 ビット符号なしのピクセル タイプで作成します。
- [検索] ウィンドウで、[検索オプション] ドロップダウン メニューをクリックし、[すべてをモザイクに追加] を選択します。
現在の検索結果に返されているラスターが、[モザイク データセットにラスターを追加 (Add Rasters to Mosaic Dataset)] ツールに追加されます。
- ツールのダイアログで、新しく作成したモザイク データセットを入力として選択します。
[モザイク データセットにラスターを追加 (Add Rasters to mosaic dataset)] ツールは、すべての検索結果を新しいモザイク データセットに読み込むように設定されています。必要に応じてパラメーターを調整し、[OK] をクリックしてツールを実行します。
指定したエリアをカバーする、すべてのマルチスペクトル ラスター プロダクトおよびモザイク データセット アイテムを検索する
このワークフローでは、オレゴン州ポートランド地域をカバーする、すべてのマルチスペクトル ラスター プロダクトおよびモザイク データセット アイテムを検索する方法を示します。
- [検索] ウィンドウを開き、[検索オプション] をクリックします。
- [インデックス] タブをクリックし、[モザイク データセット アイテムをスキップ] オプションをオフにします。このワークフローでは、対象エリア内のすべてのモザイク データセット アイテムを表示することが目的であるため、このパラメーターを調整する必要があります。
- [OK] をクリックしてオプションを適用し、[検索] ウィンドウに戻ります。
- [画像] フィルターをクリックし、[ラスター プロダクト] タイプを選択します。
- [検索] テキスト ボックスに、クエリを「(type:"Raster Product" OR type:"Mosaic Dataset Item") AND rasterdatasettag:ms in Portland, Oregon, United States」と入力します。
結果が [検索] ウィンドウに表示されます。
特定のラスター タイプで作成されていないモザイク データセットを検索する
このワークフローでは、Ikonos ラスター タイプで作成されていない、すべてのモザイク データセットを検索します。
- [検索] ウィンドウを開き、[画像] フィルターをクリックして、[モザイク データセット] タイプを選択します。
- [検索] テキスト ボックスに、クエリを「type:"Mosaic Dataset Item" NOT (sensorname:ikonos-2)」と入力します。
結果が [検索] ウィンドウに表示されます。