バージョン ツールセットの概要

バージョニングにより、複数のユーザーがジオデータベースの地理データにアクセスすることができます。さらに、接続ユーザーは、データを複製しなくても、ジオデータベースの永続的な状態を複数同時に作成することができます。また、データのロックを明示的に適用することなく、同じフィーチャまたは行を同時に編集できます。このフレームワークにより、たとえばプロジェクトの状態ごとにジオデータベースのバージョンを作成し、バージョン間の差異をリコンサイルして、竣工時の状態にジオデータベースのマスター バージョンを更新することができます。バージョニングは、エンタープライズ ジオデータベースでのみサポートされます。

組織でバージョニングを使用すると、代替設計を管理したり、社内データベースに影響を与えずに複雑な仮説シナリオを解決したり、特定の時点の状態のデータベースを作成したりすることができます。

また、バージョニングでは、編集プロセスが単純化されます。複数のユーザーが、編集前にデータを抽出したりフィーチャや行をロックしたりせずに、データベースを直接変更することができます。

[バージョン] のツール

ツール	詳細
フィールド競合フィルターの追加 (Add Field Conflict Filter)	ジオデータベース テーブルまたはフィーチャクラスの所定のフィールドに対するフィールド競合フィルターを追加します。
バージョン プロパティの変更 (Alter Version)	ジオデータベース バージョンの名前、説明、アクセス権限を変更します。
接続バージョンの変更 (Change Version)	入力フィーチャ レイヤーまたはテーブル ビューが、指定されたバージョンに接続するようワークスペースを変更します。
バージョンの作成 (Create Version)	指定のジオデータベースに新規バージョンを作成します。
バージョンの削除 (Delete Version)	入力エンタープライズ ジオデータベース、ワークグループ ジオデータベース、またはデスクトップ ジオデータベースから、指定されたバージョンを削除します。
バージョンのリコンサイル (Reconcile Versions)	ターゲットバージョンに対して 1 つまたは複数のバージョンをリコンサイルします。
バージョン対応登録 (Register As Versioned)	エンタープライズ、ワークグループ、またはデスクトップ ジオデータベースのデータセットをバージョン対応登録します。
フィールド競合フィルターの削除 (Remove Field Conflict Filter)	ジオデータベース テーブルまたはフィーチャクラスの所定のフィールドに対するフィールド競合フィルターを削除します。
バージョン対応登録の解除 (Unregister As Versioned)	エンタープライズ、ワークグループ、またはデスクトップ ジオデータベースのデータセットのバージョン対応登録を解除します。

レガシー:

このツールセットの以下のツールは、10.2 より前のバージョンで使用することができました。このツールは使用できなくなったため、削除されています。

ツール	推奨事項
バージョン対応ビューの作成 (Create Versioned View)	バージョン対応ビューは、バージョン対応登録するときに自動的に作成されます。
バージョンのポスト (Post Version)	リコンサイル後のバージョンのポストには、[バージョンのリコンサイル (Reconcile Versions)] ツールを使用する必要があります。
バージョンのリコンサイル (Reconcile Version)	バージョンをリコンサイルするには、[バージョンのリコンサイル (Reconcile Versions)] ツールを使用する必要があります。