Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
コリドーとは
[コリドー (Corridor)] ツールは、各セル位置について、2 つの入力累積コスト ラスターのコスト距離の合計値 (累積コスト) を持つラスターを返します。2 つのラスターのコスト合計により、各セル位置について、そのセル位置を通過してあるソースと別のソースを結ぶ最小コスト パスが特定されます。
[コリドー (Corridor)] ツールは、最小コスト パスの出力ラスターのみを戻す [コスト パス (Cost Path)] ツールに関連しています。
最小コスト コリドーを検出する目的
保護計画があるシカの生息地域 2 か所を結び、単に 1 つのパスにバッファーを作成するのではなく、シカの最適なコリドーを保護するために、[コスト パス (Cost Path)] ツールの代わりに [コリドー (Corridor)] ツールを使用することができます。
コリドーの作成
コリドーを作成するには、コスト距離ツール ([コスト距離 (Cost Distance)] または [パスの距離 (Path Distance)] など) を使用して、各ソース (またはソースの各セット) について 1 つずつ、コスト累積ラスターを 2 つ作成する必要があります。以下の図に、例として 1 つのセル位置からのコスト サーフェスの作成を示します。入力ラスターの各セル位置について、この手順が実際に実行されます。
次に [コリドー (Corridor)] ツールによって 2 つの累積コスト サーフェスを合計します。
出力ラスターは、2 つのソースを結ぶ 1 つの最小コスト パスを示すのではなく、ソース間の累積コストの範囲を示します。つまり、ソース 1 に到達するための最小累積コストに、ソース 2 に到達するための最小累積コストを加算したものが、あるセルを通過するパスの累積コストの合計値に等しくなります。パスがそのセルを通過してソース 1 からソース 2 を結ぶ場合は、これが最小累積コストになります。
最大累積距離 (閾値) よりも小さい値を持つすべてのセルがコリドー ラスターから選択された場合は、得られる出力ラスターは、指定コストを超えないセルの帯 (コリドー) に対応します。得られた閾値出力は、最小コスト パス (1 ライン) ではなく、セルの最小コスト コリドーとして表示できます。
代替手法
コリドーを指定閾値に制限する別の方法は、条件付き命令を使用することです。以下に示すいくつかの例では、これを異なるツールで実装しています。
- [Con] ツールを ([条件] ツールセットから) 次の設定で使用します。
入力条件付きラスター: accum_cor
式: "Value < 100"
条件式が TRUE のときの入力ラスター、または定数値:100
条件式が FALSE のときの入力ラスター、または定数値:0
出力ラスター: corr_thresh
- [属性で抽出 (Extract By Attributes)] ツールを ([抽出] ツールセットから) 次の設定で使用します。
入力ラスター: accum_cor
where 句:"Value < 100"
出力ラスター: corr_thresh
- [Test] ツールを ([算術演算] ツールボックスの [論理演算] ツールセットから) 次の設定で使用します。
入力ラスター: accum_cor
where 句:"Value < 100"
出力ラスター: corr_thresh
[コリドー (Corridor)] ツールの入力累積コスト ラスターを作成するために、コスト距離ツールに複数のソースが入力された場合、ソース間の累積コスト値と指定した閾値に従い、複数のコリドーが (各ソース間に 1 つ) 得られることがあります。