ArcScan は ArcMap 編集環境と連動するように設計されており、編集セッションを開始しているときのみ有効になります。ArcScan に関連するエディター ツール、コマンド、およびダイアログ ボックスを次に示します。
編集セッションの開始
[ArcScan] ツールバーをアクティブにし、そのツールやコマンドにアクセスするには、編集セッションを開始する必要があります。編集セッションがすでに開始されているときに ArcScan エクステンションを有効にした場合は、編集セッションを終了して再開しないと、ArcScan エクステンションを使用できません。[エディター] メニューをクリックし、[編集の開始] をクリックして編集セッションを開始します。
ラスターへのスナップ
ラスター スナップを使用すると、ラスター内のラインに沿ったフィーチャを精密に作成できます。接続したセルへのスナップ機能を使用すると、対話的なベクター変換をより効率的に行うことができます。接続したラスター セルの中心線、コーナー、端点、交差、およびソリッドの位置にスナップするように選択できます。
ArcScan で使用されるのは、[スナップ] ツールバー上の設定ではなく、従来の編集スナップ環境です。[編集オプション] ダイアログ ボックスで従来のスナップを有効にする必要があります。手動のベクター変換処理をサポートするラスター スナップのプロパティは、[スナップ環境] ウィンドウのラスター ツリーにあります。[エディター] メニューをクリックし、[スナップ] をポイントして、[スナップ ウィンドウ] をクリックします。[スナップ環境] ウィンドウが表示されます。
ArcScan では、[スナップ許容値] を利用したりマップ内にスナップチップを表示するかどうかを設定できます。エディターのスナップ許容値は、ベクター スナップとラスター スナップの両方のプロパティに適用されます。これらの設定値を変更するには、[エディター] メニューをクリックし、[スナップ] をポイントして、[オプション] をクリックします。
フィーチャ テンプレートの使用
[ラスター トレース] によって生成されたベクター フィーチャは、[エディター] ツールバーで開いた [フィーチャ作成] ウィンドウで現在有効となっているフィーチャ テンプレートに書き込まれます。ラスター トレースでライン フィーチャとポリゴン フィーチャの両方を作成するときは、必要に応じてターゲット テンプレートを切り替えることができます。また、ラスターの一部をベクター変換していくつかのベクター レイヤーに格納する場合も、ターゲットを変更します。自動ベクター変換を行う際は、[フィーチャ作成] ダイアログ ボックスで、フィーチャの新規作成に使うテンプレートを選択します。
ストリーム許容値の設定
ArcScan では、フィーチャのトレース時に現在のスナップ許容値用の編集オプションを使用します。[エディター] メニューをクリックし、[オプション] をクリックして、[編集オプション] ダイアログ ボックスを表示します。
スケッチ作成方法の使用
ArcScan ラスター トレース ツールのほかに [フィーチャ作成] ウィンドウの作図ツールおよびエディター ツールバーのスケッチ作成方法も使用することで、ラスター セルをトレースして頂点の作成を綿密に制御できます。作図ツールでは、現在のラスター スナップ設定を使用して、フィーチャ作成時の精度を維持します。
編集を元に戻す/やり直し
ArcScan 操作はいずれも、[元に戻す] コマンドを使って元に戻せます。また、[元に戻す] コマンドで無効にされた直前の操作は、[やり直し] コマンドを使えば回復します。
その他の編集ツールを利用した、ベクター変換済みフィーチャの編集
[エディター] ツールバーで使用できるツールとコマンドに加え、ArcGIS では、編集機能を拡張するさまざまな特殊ツールがサポートされています。このようなツールとしては、ベクター変換完了後のフィーチャ編集に便利なトポロジ、高度な編集、空間アジャスト用のツールがあります。[エディター] メニューをクリックし、[その他の編集ツール] をポイントすると、これらのツールにアクセスできます。
編集の保存
ベクター変換の結果に問題がなければ、編集内容を保存してください。保存すると、フィーチャとその変更内容が保持されます。編集内容は定期的に保存することも、編集セッションの終了後に保存することもできます。[エディター] メニューをクリックし、[編集の保存] をポイントして、[はい] をクリックします。