ArcGIS クライアントから SAP HANA データベースに接続するには、ArcGIS クライアント コンピューターに SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを構成する必要があります。既存の SAP ユーザーは、SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをソフトウェア ダウンロードの SAP Support Portal から入手できます。
すべての ArcGIS クライアント コンピューター上で ODBC ドライバーが構成されたら、データベース コネクション ファイルを作成します。SAP HANA データベースでデータを参照する ArcGIS Server Web サービスを公開するには、データベース コネクション ファイルを ArcGIS Server サイトに登録します。
ArcMapからの接続
ArcMap から SAP HANA に接続するには、SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをすべての ArcMap コンピューターにインストールして構成し、ArcMap からデータベースへの接続を作成します。
SAP HANA クライアント ODBC ドライバーのインストール
次の手順に従って SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをダウンロードし、クライアント コンピューターでパス変数を構成します。
- SAP Support Portal からサポートされている 32 ビット SAP HANA クライアントをダウンロードして、各 ArcMap コンピューターにインストールします。
- SAP HANA システムの PATH 環境変数に、Microsoft Windows クライアントのインストール ディレクトリを追加します。
たとえば、SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを C:\Program Files\sap\hdbclient に追加した場合は、それを PATH 環境変数に追加します。
データベースへの接続
サイトにおいて、次のすべての条件があてはまる場合は、SAP HANA サーバー名と SQL ポート番号を使用してデータベースに接続できます。
- SAP HANA データベースがサポートされているリリースである (2.0 SPS2 以降)。
- ArcGIS Desktop 10.6.1 以降のバージョンから接続している。
- SAP HANA サーバー名と、SAP HANA サーバーの SQL ポート番号の文字数が 31 未満である。
上記の条件のいずれかが満たされていない場合は、次のステップを実行して ArcMap から接続する前に、SAP HANA クライアント ODBC ドライバーのシステム データ ソース名 (DNS) を構成する必要があります。
データベース接続を追加するには、[データベース接続] ダイアログ ボックスまたは [データベース接続の作成 (Create Database Connection)] ジオプロセシング ツールを使用します。[データベース接続] ダイアログ ボックスを使用する場合の手順を次に示します。
- ArcMap または ArcCatalog の [カタログ] ツリーで [データベース接続] を展開して、[データベース接続の追加] をダブルクリックします。
- [データベース プラットフォーム] ドロップダウン リストで [SAP HANA] を選択します。
- [データ ソース] テキスト ボックスで、次のいずれかを入力します。
- データベースとの通信に使用される SAP HANA サーバー名と SQL ポート番号 (コロン (:) 区切り)。たとえば、SAP HANA サーバーの完全修飾名が myserver.network.com であり、SAP HANA がポート 98765 を経由して通信する場合は、「myserver.network.com:98765」と入力します。
- ODBC ドライバー向けに構成されたデータ ソース名。
- [認証タイプ] として [データベース認証] を選択します。
- 有効なユーザー名とパスワードを [ユーザー名] テキスト ボックスと [パスワード] テキスト ボックスにそれぞれ入力します。
- 接続の一部としてログイン情報を保存しない場合は、[ユーザー名とパスワードを保存する] チェックボックスをオフにします。これは、データベースのセキュリティの維持に役立ちます。ただし、オフにした場合、デスクトップ クライアントからの接続時にユーザー名とパスワードを入力するよう求められます。
- [OK] をクリックして接続します。
ファイルが \\<computer_name>\Users\<user_name>\AppData\Roaming\ESRI\Desktop<release#>\ArcCatalog に作成されます。
接続を別の場所に移動することができます。ただし、接続ファイルを置くディレクトリに対して、接続する必要のあるユーザーおよびアプリケーションが読み取り権限を持っていることを確認してください。
この接続からのデータを、ジオプロセシングやジオコード サービスなどのサービスのソースとして使用する場合は、ネットワーク上の共有の場所に接続ファイルを置くことが必要な場合があります。接続ファイルの共有の詳細については、「データを ArcGIS Server でアクセス可能にする」をご参照ください。
データ ソース名の構成 (ほとんどの場合はオプション)
次のいずれかの条件があてはまる場合は、データベースに接続するには SAP HANA クライアント ODBC ドライバーのシステム データ ソース名 (DNS) を構成する必要があります。
- SAP HANA 1.0 を使用している (サポートされているサービス パック リリース)。
- ArcGIS Desktop 10.6 以前のリリースから接続している。
- SAP HANA サーバー名と SAP HANA サーバーの SQL ポート番号の文字数が 31 よりも多い。
これらの条件がサイトに存在しない場合でも、データ ソース名を構成して SAP HANA に接続できますが、必須ではありません。
SAP HANA データベースのデータ ソース名を構成するには、次の手順に従います。
- クライアント コンピューターで ODBC Data Source Administrator (32 ビット) を開きます。
- ODBC Data Source Administrator (64 ビット) の [System DSN] タブをクリックし、[Add] をクリックします。
- SAP HANA ODBC クライアントを選択して [Finish] をクリックします。
- データ ソースの名前、説明、SQL ポート番号を指定します。
- ODBC クライアント設定および ODBS Data Source Administrator で [OK] をクリックして閉じます。
ArcGIS Server からの接続
SAP HANA データを ArcGIS Server サイトに公開し、結果として生成されたサービスで SAP HANA のデータを使用する場合は、ArcGIS Server サイトの各コンピューターに 64 ビットの SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをインストールします。ArcGIS Server がインストールされているオペレーティング システムに固有の手順に従ってください。
ArcGIS Server サイトにコンピューターを構成したら、データベースへのデータベース接続を作成し、接続ファイルを ArcGIS Server サイトに登録します。
SAP HANA の ArcGIS Server コンピューター (Microsoft Windows) へのインストール
SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをダウンロードし、ArcGIS Server サイトの各コンピューターにインストールします。
SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを、ArcGIS Server の各 Windowsコンピューターにインストールします。
- SAP Support Portal からサポートされている 64 ビット SAP HANA クライアントをダウンロードして、ArcGIS Server サイトの各コンピューターにインストールします。
- SAP HANA システムの PATH 環境変数に、Windows クライアントのインストール ディレクトリを追加します。
たとえば、SAP HANA クライアント ODBC ドライバーを C:\Program Files\sap\hdbclient に追加した場合は、それを PATH 環境変数に追加します。
SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをインストールしたら、ArcGIS Server サイトに データベース接続を登録します。ただし、次の条件があてはまる場合は、データベース接続を登録する前に ODBC ドライバーのデータ ソース名を構成する必要があります。
- SAP HANA 1.0 を使用している (サポートされているサービス パック リリース)。
- ArcGIS Server 10.6 以前のバージョンからデータベースに接続している。
- SAP HANA サーバー名と SAP HANA サーバーの SQL ポート番号の文字数が 31 よりも多い。
Windows の ODBC データ ソース名の構成 (ほとんどの場合はオプション)
データ ソース名が必要な場合は、次の手順に従って、ArcGIS Server の各 Windows コンピューターに SAP HANA クライアント ODBC ドライバーのシステム データ ソース名 (DNS) を構成します。
- ODBC Data Source Administrator (64 ビット) を開きます。
- ODBC Data Source Administrator (64 ビット) の [System DSN] タブをクリックし、[Add] をクリックします。
[Create New Data Source] ダイアログ ボックスが開きます。
- SAP HANA ODBC クライアントを選択して [Finish] をクリックします。
- データベースの [Data Source Name]、[Description]、[Server:Port] 情報を入力します。
- [Settings] をクリックして [ODBC Advanced Setup] ダイアログ ボックスを開き、[Special property settings] セクションに SPATIALTYPES=1 というキー値を追加します。[OK] をクリックして変更内容を適用し、[ODBC Advanced Setup] ダイアログ ボックスを閉じます。
- ODBC クライアント設定および ODBS Data Source Administrator で [OK] をクリックして閉じます。
SAP HANA の ArcGIS Server コンピューター (Linux) へのインストール
SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをダウンロードします。ArcGIS Server サイトの各コンピューターにクライアントを配置し、インストールして、ArcGIS Server の各 Linux コンピューター上で ArcGIS Server init_user_param.sh スクリプトを編集します。
- SAP Support Portal からサポートされている 64 ビット SAP HANA クライアントをダウンロードして、ArcGIS Server サイトの各コンピューターにインストールします。
- 各 Linux コンピューターに ArcGIS Server ODBC ドライバー マネージャーがインストールされていない場合は、インストールします。
- 各コンピューターの ArcGIS Server のインストール所有者がデータベース クライアント ライブラリに対する読み取りおよび実行以上の権限を持っていることを確認します。
- テキスト エディターで init_user_param.sh スクリプトを開きます。
- これらの行からコメント記号 (#) を削除して、<SAPHANA_InstallDir> の情報を、SAP HANA クライアントのインストール ディレクトリへのパスに置き換えます。
export SAPHANADIR=<SAPHANA_InstallDir>/sap/hdbclient export LD_LIBRARY_PATH==$SAPHANADIR:$LD_LIBRARY_PATH
- スクリプトを保存して閉じます。
- ArcGIS Server サイトの各コンピューターで init_user_param.sh を構成したら、各コンピューターで startserver.sh スクリプトを実行して ArcGIS Server を再起動します。
./startserver.sh
データベース クライアント ファイルをインストールしたら、ArcGIS Server にインストールされている init_user_param.sh スクリプトを、それらのクライアント ファイルを参照するように変更します。このスクリプトにアクセスするには、<ArcGIS Server installation directory>/arcgis/server/usr ディレクトリを参照します。
SAP HANA クライアント ODBC ドライバーをインストールしたら、ArcGIS Server サイトに データベース接続を登録します。ただし、次の条件があてはまる場合は、データベース接続を登録する前に ODBC ドライバーのデータ ソース名を構成する必要があります。
- SAP HANA 1.0 を使用している (サポートされているサービス パック リリース)。
- ArcGIS Server 10.6 以前のバージョンからデータベースに接続している。
- SAP HANA サーバー名と SAP HANA サーバーの SQL ポート番号の文字数が 31 よりも多い。
Linux の ODBC データ ソース名の構成 (ほとんどの場合はオプション)
データ ソース名が必要な場合は、次の手順に従って、ArcGIS Server の各 Linux コンピューターに SAP HANA クライアント ODBC ドライバーのシステム データ ソース名を構成します。
- ODBC データ ソース名を構成するには、SAP HANA ODBC 接続ファイル (*.odbc.ini と *.odbcinst.ini) を編集します。
これらのファイルの名前は「.odbc.ini」と「.odbcinst.ini」にする必要があります。
- テキスト エディターで .odbc.ini ファイルを開きます。
*.odbc.ini ファイルで等号 (=) の前後にスペースがないことを確認します。たとえば、次のエントリでは等号の前後にスペースがありません。
[<HANA_DNS>] Driver=/<usr>/sap/hdbclient/libodbcHDB.so Description=SAP Hana ODBC ServerNode=<HANA_Server_IP>:<SAP_HANA_port> UID=<user_name> Password=<user_password> SPATIALTYPES=1 [ODBC] IANAAppCodePage=4 InstallDir=/<usr>/sap/hdbclient Trace=0 TraceDll=/opt/odbc64v51/lib/odbctrac.so TraceFile=/tmp/odbctrace.out UseCursorLib=0
- .odbc.ini ファイルを保存して閉じます。
- .odbcinst.ini ファイルを開き、ODBC ドライバー パスを含めるよう編集します。
以下の例に示すように、*.odbcinst.ini ファイルでは、このようなスペースは不要です。
Description =SAP HANA ODBC Driver64 = /<usr>/sap/hdbclient/libodbcHDB.so
- .odbcinst.ini ファイルを保存して閉じます。
データベースの登録
SAP HANA のデータを使用して Web サービスを公開するには、データベース接続を作成し、ArcGIS Server サイトに登録します。ArcMap または ArcGIS Server Manager を使用して SAP HANA に接続できます。ArcMap を使用して SAP HANA のジオデータベースに接続することはできません。